にゃぽんは、もっと日本の話を聞きたかった。
あの“日帝”と呼ばれていた頃のことも、彼の今の心も。
優しかったときも、怖かったときも、全部まるごと。
でも、玄関のチャイムがその続きを遮った。
ピンポーン
にゃぽん
とぼとぼと玄関へ向かうにゃぽん。
ドアの向こうから、聞き慣れた声が響いた。
アメリカ
アメリカ
以前は明るく、親しげに聞こえたその声も、今では棘のように耳に刺さる。
にゃぽん
(ガチャッ)
アメリカ
にゃぽん
にゃぽん
アメリカ
アメリカ
アメリカ
にゃぽん
にゃぽんは心の中で呟いた。
殴る蹴る、暴言、強制投薬。
そんなことをされた相手に、よくもまあ平然と言えるものだ。
アメリカ
アメリカがリビングへ向かう。
日本(大日本帝国)
アメリカ
アメリカ
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
アメリカ
アメリカ
日本(大日本帝国)
日本は静かに立ち上がり、別室へと向かった。
絆創膏もすべて剥がし、何もなかったかのように整えて、
怪我も痛みも、存在すら消すように――
“平然”という仮面をつけて、リビングに戻ってきた。
日本(大日本帝国)
にゃぽんとパラオは、その背中を見送る。
不安そうな、でもどこか信じたいという眼差しで。
(ガチャッ)
しばらくの沈黙の後、にゃぽんが喋り始めた。
にゃぽん
台湾
台湾が思わず声を上げた。
にゃぽん
台湾
にゃぽん
パラオ
パラオ
にゃぽん
台湾
台湾
にゃぽん
にゃぽんとパラオは台湾のあとを元気よく追いかけた。
一方その頃、日本は…
アメリカ
アメリカが珍しく車を手配していた。
日本(大日本帝国)
日本は後部座席へ静かに乗り込む。
アメリカ
エンジン音だけが響く車内。
沈黙の中に流れるのは、重たく圧縮された空気。
しばらくして、アメリカが口を開く。
アメリカ
日本(大日本帝国)
アメリカ
何かを探るようにダッシュボードを開き、アメリカは瓶を取り出した。
アメリカ
日本(大日本帝国)
アメリカ
アメリカ
日本(大日本帝国)
いま飲め。
アメリカの声が鋭く遮る。
日本(大日本帝国)
アメリカ
そう言って、アメリカはペットボトルを差し出した。
アメリカ
日本は薬を口に含み、水で飲み込んだ。
日本(大日本帝国)
アメリカ
そうしているうちに、車は国連本部に到着した。
アメリカ
日本(大日本帝国)
アメリカ
アメリカ
日本(大日本帝国)
アメリカ
日本(大日本帝国)
日本は足早にトイレへ向かう。
誰もいない個室に入り、すぐに吐き出した。
――薬だ。
日本(大日本帝国)
小さく笑って、呟いた。
日本(大日本帝国)
日本が早歩きで戻ってきた。
日本(大日本帝国)
アメリカ
会議が始まった。
イギリス
薬が切れているからか、イギリスの声が遠く響く。頭には入ってこない。
イギリス
日本(大日本帝国)
イギリス
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
日本(大日本帝国)
日本は反論を組み立て、言葉で覆した。
結果、決議は反対多数で否決された。
日本(大日本帝国)
アメリカ
アメリカは短くそれだけ告げ、どこかへ消えた。
日本(大日本帝国)
そのとき、明るい声が響いた。
???
???
日本(大日本帝国)
イタリアは日本が唯一、今も心を許せる存在だった。
イタリア
日本(大日本帝国)
イタリア
イギリス
イギリスが近づいてきた。
イギリス
日本(大日本帝国)
イギリス
イギリス
嫌味の混ざった笑みを残して、イギリスは去っていった。
イタリア
日本(大日本帝国)
イタリア
イタリア
日本(大日本帝国)
一方、にゃぽん達は…
にゃぽん
にゃぽんがぽつりと呟いた。
パラオ
パラオ
台湾
台湾
台湾が悩む。
にゃぽん
にゃぽんがぽそっと言った。
台湾
台湾は黙って考えて続けた。
台湾
(つづく)
コメント
4件
にゃぽん達大丈夫かな。アメリカは相変わらず…。
日本いいよ!!どんどん抵抗してね!!頑張れ!!