嫌われ

何回も何回も死のうと思った

でも死ぬのって怖くて

体がボロボロになっていくだけだった

ご飯を食べようとしても

身体が受け付けず

吐いてしまう

そのせいでガリガリになった俺の体

寝ようと思っても

夢に出てくる

裏切り者

そのせいで

目の下のくまは尋常ではない

ｽｰｯ

やめられないリスカ

腕は傷だらけで

自分でも見たくはない

ｽｰｯ

ｸﾞﾁｯｮｯ

生々しい音が鳴り響いた

その瞬間俺は

気を失った

菅原side

影山がいない静かな部活

1週間も続くとさすがに心配になってくる

一番最初に口を開いたのは

月島

だった

月島は…ただただ

1週間も無断で学校を休んでいる

影山をおかしいと思ったんだろう

月島と日向が口論をしている間

俺は口を挟むことは出来なくて

そう、みんなに声を掛けることしか

出来なかった

ほんとに俺は無力だ

縁下の第一声に

誰かが返事をすることも無く

ただただ気味の悪い間が流れた

ピンポーン

影山side

飛雄ちゃん！

…影山…

影山！

影山

かげやぁま！！

トスくれ！！

影山〜！！！ナイストス〜！！

王様ﾌｯ

影山！

影山

かげやま

ピンポーン

…もう…みんな信じてくれるわけないのに

まだ信じてる自分が

憎い

ｶﾞﾁｬ

誰か…入ってきた？

ｽﾀｽﾀ

がちゃ

菅原side

勝手に家に上がり込み

人の部屋を勝手に開けた俺たちの

目に入り込んできたのは

ボロボロになった

影山の姿だった

疑っていた時とは違う

怯えるような大地の声に驚きを覚えながらも

俺は影山に近寄った

影山に否定される度

ここまで追い詰めていたんだな

と、自分の間抜けさ

に、ハッとする

そんな俺は影山を抱いてあげることしか

出来なくて

でもその代わり

暖かく…安心するように抱いた

ｷﾞｭｯ

ここは…俺の部屋？

眠れてた？

ずっと眠れなかったのに

なんでいきなり…

酷いことをされたというのに

憎い

うざい

という感情はなくて

俺は

仲間のことが好きなんだなっ

と実感した

でも少し

殴られたことはイラついたから

3倍返しで

殴ってやった

なんで俺に罪をなすりつけてきたかは

知らないけど

俺は、もっとみんなが仲良くなった気がして

俺は自然に笑った