目黒蓮
向井康二
目黒様も俺のこと覚えとったようであの時のことを話す。
あの時の青年が名家の息子など思わへんかった。
それにしても漆黒で美しい色をした黒の着物。
銀河の星のようにピカピカと輝くラメ入りの帯。
着物と同じ漆黒に染まった短髪の髪の毛。
宝石のように美しい少し黄色の瞳。
額には金色で神の紋章が描かれとる。
目黒蓮
向井康二
俺にはこれしか生きる道があれへん。
ここで上手くやっていかへんかったら今度こそおとんからほかされる。
異能を使えやへん使用人として。
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
目黒蓮
向井康二
向井康二
予想外の言葉に俺は驚愕した。
俺の体には今までおとんとラウールから仕打ちされた無数の傷が残っとるから。
ここで俺が受けてきた傷を見せたら目黒様はきっと驚くに違おらん。
佐久間大介
深澤辰哉
向井康二
目黒蓮
なにわ男子さえ言われへんかった傷跡。
まだ俺のことをわかってへん人に見せるなんて。
できるわけがないよ.....
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
困った顔.....俺、今、名家の息子にそんな顔をしとったの.....
使用人「蓮様、新しい使用人と一緒に帝様に会わせるようにと言われました」
目黒蓮
使用人が目黒様に現れ、俺と一緒に目黒様の両親に会うようにと言われた。
目黒蓮
目黒蓮
向井康二
傷を見られなくて良かった。
屋敷の息子が義父に虐待に合われとるなんて誰にも言われへん。
これは自分自身の秘密やから。
今、廊下におんのは俺と蓮様だけ。
お互い何も話さず、床で歩く足音さえ聞こえへん。
俺が素直に服を脱いだら良かったか。
廊下にある窓からはおっきな池がある。
地面は真っ白な石で固めて作ったような感じがする。
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
目黒蓮
向井康二
申し訳ないことをしてもうた.....
謝るのは俺のほうやのに。
ピタ!!
目黒蓮
蓮様は前にあるおっきくて頑丈そうな扉の前に立ち止まった。
凄い.....扉に色んな絵柄が彫られとるで。
目黒蓮
向井康二
蓮様はお父様がおる部屋に礼儀正しく挨拶し入る。
名家の父親に失礼ないことをせんかったら。
さっきのように心配だけは。
向井康二
と思ぉたが.....お父様の部屋には歴史博物館そのもんやった。
織田信長、源義経、平将門など歴史に使われた武器や鎧など山ほど置かれており驚きを隠されへんかった。
目黒蓮
松本潤
向井康二
松本潤
向井康二
お父様は目が釣りあがり中性的美しさ、綺麗な黒髪を束ねとる。
一目で見てうっとりする綺麗さ。
帝でも美形な人がおるんや。
松本潤
松本潤
目黒蓮
向井康二
松本潤
向井康二
松本潤
当主は俺を見て、何か 考え事をしとった。
まさか、今度こそ使用人から外れるのか。
つい悪いことしか考えられず、胸がハラハラとしてくる。
松本潤
目黒蓮
松本潤
目黒蓮
当主は蓮様の方を向き、力を見せてほしいと言われた。
蓮様は当主の願いを聞き、どこぞへ行きだす。
歩き方はこまくはよ歩き、俺はその目でみとった。
目黒蓮
蓮様はある場所の前で止まりだす。
向井康二
ちまなテーブルの上に茶色く変色し枯れてもた花が置かれとった。
蓮様はその花を見てめっさ悲しそうな顔をしとった。
目黒蓮
フッ!!
向井康二
異能使いぃへん俺は今まで色んな異能を見てきた。
やけど蓮様はこれまでの異能者とは違ぉた。
蓮様の額は金色に輝き、むっちゃ優しい暖かさが伝わった。
金色の光は枯れた花に包み込む。
目黒蓮
向井康二
向井康二
光に包まれた花は綺麗な花と蘇った。
今までの異能者は花を蘇らせた所を見たことない。
神の力を借りてんと言うとったが.....これが神の力なのか。
松本潤
松本潤
向井康二
松本潤
松本潤
向井康二
松本潤
松本潤
向井康二
佐久間くんが言うとったけど、蓮様はほんまに凄い人やねん。
生まれつき、あの紋章があるっちゅうことはほんまに神の子なのか。
松本潤
松本潤
向井康二
話を聞いとった以上、凄い人やったわ。
そういえば今までの異能者は物を直すことはできとってんけど。
蘇生をでけた人は見たことなかった。
松本潤
松本潤
目黒蓮
目黒蓮
向井康二
ここも使用人の部屋があるんや。
屋敷と同じ広さかな?
そう、思いながら俺は蓮様の後ろについていく。
松本潤
松本は向井の体から冷たい風が流れている。
そして首には赤赤しい傷が残っていた。
松本潤
松本潤
松本は相手の気持ちを自然で感じ取れる。
向井には冷たい風と雪が降っていることを。
松本は気が付いた。
目黒蓮
蓮様に部屋に案内された。
当主の部屋から長く続く廊下を歩き、ようやっと自分の部屋の前に着いた。
部屋の前に扉なく襖があった。
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
俺のために家具を用意してくれてん。
ほんまにありがとうございます。
異能のない俺にこんな優しくしんでええのに.....
スッ
蓮様は無言のまま、襖を開ける。
向井康二
目黒蓮
部屋の中は想像以上に広く、襖に松の木が書かれており天井にも絵柄が書かれとる。
ずっと狭く何もない屋根裏に暮らしとったあっこと全くちごた。
向井康二
目黒蓮
目黒蓮
目黒蓮
向井康二
初めて他人の優しさに触れてしまい、思わず涙が出てしもた。
おとんとラウール、使用人からバカにされ孤独に生きてきた日々。
知らん王国に飛ばされ、またしんどい日々を送る思ぉてんけど。
俺のために思い、俺のために用意してくれた彼らに感謝をした。
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
向井康二
あまりにも嬉しさで心が揺れて、涙を流しとったことに気が付いた。
どないしょう、蓮様の前に涙を見せてしもた。
知らへん人には涙を見せへんと決めたのに。
目黒蓮
目黒蓮
宮舘涼太
目黒蓮
宮舘涼太
蓮様は近くにいた使用人にお茶を持って来てほしいと言う。
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
目黒蓮
俺のために...言ってくれはった?
ただの使用人だけの俺が...なんで優し してくれんねん。
向井康二
自分しかおらん広々とした部屋。
床は藁で出来ており触り心地がめっさよく藁の匂いがええ感じやった。
ここが俺が暮らす部屋。
向井康二
天井まで腕を伸ばしてみたら天井までの距離が遠く、立ってみても全く届かへん。
向井康二
向井康二
部屋を歩いとったら近くに昭和風の鏡置かれとった。
そういえば体の傷は今、どうなっとんか。
傷が気になり、上着のボタンを外し、左肩と背中を少し見えるように脱ぐ。
向井康二
鏡に自分の背中の傷が映っとる。
痣はおっきくまだ治ってへんかった。
この傷を蓮様に見せなくて良かった。
スッ
宮舘涼太
向井康二
傷を確認してたら別の使用人がお茶を持って入ってきよった。
しかも体の傷が見える位置で。
宮舘涼太
宮舘涼太
向井康二
宮舘涼太
向井康二
使用人は俺の傷を見て、慌てて、どっかに行く。
俺はどうしていいかわからずあたふたする。
目黒side
自分しかいない中庭。
ここは誰も使われておらず。
使われる時は毎年年末に行われる神楽舞だけである。
神楽舞とは毎年、帝が真冬の夜に神の舞として俺らに見せ。
神の象徴として見せるもの。
幼い頃、お母さまと一緒にお父様が踊っている所を見て、神の舞に心を奪われたことある。
神の舞は国の長である帝のみしか踊れない。
お父様が亡くなった時は俺が神楽舞を披露することになる。
阿部亮平
目黒蓮
目黒蓮
阿部亮平
阿部亮平
目黒蓮
阿部亮平、この国の代表的の役割の星読みの博士の1人。
星読みの博士の中で秀才で誰もが認める星の天才。
そしてこの国はどの国よりも星空が美しく詳しく見える。
何せ、この国は聖堂院様と星読みの博士たちが生み出した。
聖堂院様はここからはるか遠くにある帝国の出身。
初代の帝もその1人だった。
神の言葉を信じる聖堂院様は
帝と一緒帝国から逃げるようにと言葉が聞こえた。
このまま帝国に残っておけば遠い未来に悪の力を持つ子が生まれ。
存在する王国を滅ぼしてしまうからだ。
聖堂院様はさっそく争いを好まない初代帝と聖堂院様に仕える星読み博士と一緒に逃げた。
阿部亮平
目黒蓮
阿部亮平
阿部亮平
目黒蓮
阿部亮平
目黒蓮
この国で異能を使えない者は俺と聖堂院様と星読みの博士だけ。
今までの使用人は皆、異能持ちの人たちだった。
異能は神の力と違う。
異能は火や水など出したり、傷を治療などできる。
だが異能は生命を再生、神の声は聞こえない。
それができるのは俺のみ。
宮舘涼太
目黒蓮
宮舘涼太
宮舘涼太
目黒蓮
さっき向井さんは体を見せるのが嫌がっていた。
あんまり気にしてなかったが。
体に傷があるっていうことは.....
目黒蓮
阿部亮平
目黒蓮
舘さんの言葉で向井さんのことを気になった。
体の傷を見せたくないと人は何かかしら事情がある。
人々を助ける役目のある俺はそんなの放置しないから。
目黒蓮
新しい使用人が怪我をしたとか聞いてない。
公爵の話では使用人は怪我もなく元気な人と聞いたが。
今舘さんと聞いた話だと何かが違う。
目黒蓮
スッ
向井康二
目黒蓮
目黒蓮
向井康二
使用人は部屋に置いてあった白い長い薄着物を両手で握りしめていた。
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
向井康二
スッ.....
俺は優しく使用人が着ている薄着物を肩からずらす。
目黒蓮
背中には大きな痣と切り傷の跡が残っていた。
向井康二
目黒蓮
俺は傷を手当て以外にも神の力を借り他人の過去も見ることができる。
言葉を発さずに使用人の過去を覗いてみた。
過去を覗いたら悲しい光景しかなかった。
実の両親は殺され義家族から虐められ異能がない理由で周りから冷たい目で見られ。
これが彼が生きてきた経験。
冷たい雪風が吹き花が咲いておらず。
ただ、悲しい光景しかなかった。
向井康二
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
たった数分間の過去を覗いただけでとても悲しくなった。
一般で生きてきた彼の悲惨な人生。
とてもとても悲しい出来事。
ギュッ.....
向井康二
目黒蓮
向井康二
目黒蓮
目黒蓮
???『あんたが神の子に選ばれたからよ!!』
目黒蓮
向井康二
向井康二
この世界はとても生きにくい。
一般と異能が交じり合った世界。
彼は今まで流せなかった涙を流している。
今まで味わってきた辛い思い共に。
3章 完結
コメント
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続き待ってます‼️
物語の展開が凄い面白い👏👏続き楽しみにしています!フォローさせていただきます。
続きまってます!!!!!