僕は相川真冬。 もうすぐ高校生になります
今日はこれから僕らが通う、 私立椛高等学校の入学式
新しい制服に袖を通して、 髪を整えて、メガネをかけて……
真冬
準備万端、気合十分で、 自分の部屋から出──
ドンッ!
真冬
僕が部屋から出ようとしたら、 ドアの目の前まで来たところで、 突然それが勢いよく開いた
そしてそのドアが、 見事に僕の顔にクリーンヒット
真夏
真夏
そのドアを開けた犯人…… 真夏姉さんが、慌てて謝ってくる
真冬
とは言ったものの、 流石にこれは痛い……
相川母
しばらくそこで蹲って動けずにいる と、下の階から母さんの声がした
遅刻するって言ってる割には、 中々に呑気な声
真夏
そう言って、姉さんが僕に 片手を差し出してくれる
真夏姉さんは、僕の双子の姉
性格はあんまり似てないけど、 僕ら、顔はそっくりなんだよ
姉さんも同じ椛高校に受かって、 今日は一緒に入学式に行くんだ
差し出してくれた姉さんの 手を取って立ち上がる
真冬
……と、そのままの勢いで、 玄関まで引っ張られてしまった
真冬
真夏
子供みたいに頬をぷくっと 膨らませて、怒った顔を見せてから、 外に出て行った姉さん
相川母
真冬
相川母
真冬
僕も靴を履いて、急いで家を出た
翔太
棗
真冬
先に外に出てた姉さんの ところに行くと、ちょうど 天ちゃんと96ちゃんもいた
この2人は、僕らの幼馴染の、 天宮翔太君と黒木棗ちゃん
天ちゃんは僕らの家の隣、 96ちゃんはさらに隣に住んでる、 昔からのご近所さん
実はこの2人も、今日から僕らと同じ 椛高校に入るんだ
知らない人だらけの高校でも、 こうやって友達がいてくれるだけで すごく安心できる
真夏
真冬
棗
翔太
棗
棗
真夏
棗
真冬
翔太
棗
真夏
棗
真冬
真冬
棗
棗
翔太
そうして雑談しながら歩いていると、 あっという間に校門の前まで着いた
高校って言っても、実は かなり近いから、家から徒歩で 行けちゃうんだよね
真冬
通年なら、そこまで難しい わけじゃないこの椛高校
だけど、今年から自由な校風になる っていう噂を聞いて、みんなが ここを受験したんだよね
それで人気が出て、倍率が高かった
それに、女子には制服が可愛いから って言う理由もあるのかも
青地に白い線が入ったブレザーに、 女子は赤のプリーツスカート、 そして緑のリボンかネクタイ
ちなみに男子は、 黒ズボンに緑のネクタイ
制服のデザインが可愛くて、 そういう面でも人気だったんだよね
真冬
棗
翔太
元気よく校舎の方へ走って行った2人
真夏
あの2人を見て苦笑いしながら、 姉さんが言ってくる
真冬
僕も苦笑いを浮かべて、 後ろ姿の2人を見た
真冬
真夏
真冬
入学早々そんなことしてると、 絶対目立っちゃうって!
姉さんも走って行っちゃって、 僕だけ門に取り残されて、 途端に心細くなる
真冬
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
コメント
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楽しみにしてました! しっかりと読ませて頂きます! (更新されたら、すぐ読みます!)