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君は、君を生きているか?

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君は、君を生きているか?

6 - 第六話:易の選択

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2025年07月27日

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誰かのために笑うのは、きっと優しさだ。 でもそれを続けすぎると、自分の心が擦り減っていく。

悠祐

今日もみんな、ありがとう……

配信の最後の言葉を噛みしめるように言って、 悠祐はそっとマイクを外す。 静かな夜に、ぽつりと響く声があった。

君はいつも、人のことばかり考えてるね

悠祐

……来たんだ、易

暗がりの中、現れたもうひとりの“自分”。 穏やかな顔で、それでもまっすぐに見てくる 彼の瞳が痛かった。

“大丈夫だよ”って、何度も言うけどさ。本当は君が一番、助けてほしいんじゃないの?

悠祐

……それは違うよ。僕は……強いから

強い人間は、自分を犠牲にしない。それを“優しさ”って呼ぶのは、ちょっと違うと思う

その言葉に、胸の奥が揺れる。 本当は、ずっと気づいていた。 でも気づかないフリをしてきた。

悠祐

僕が優しくしなきゃ、誰かが壊れてしまいそうだったんだ

じゃあ君は? 君が壊れたら、誰が君を守るの?

悠祐

……

言葉に詰まったその沈黙を、易は静かに受け止めた。 怒りでも、悲しみでもなく、ただ――願いだった。

ねえ、悠祐、君の人生の主役は、“君”であっていいんだよ

悠祐

主役……

誰かの幸せを願う前に、まずは君自身を大切にしてあげて

その声は、優しく、あたたかく―― そして、初めて“自分のため”にかけられたものだった。

悠祐

……ありがとう、易。僕、少しずつ……自分のこと、見てみるよ

それでいい。それが、君の“選択”なんだから

静かな夜が明ける。 その胸には、確かな一歩が刻まれていた。

【第六話 了】

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