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誰かのために笑うのは、きっと優しさだ。 でもそれを続けすぎると、自分の心が擦り減っていく。
悠祐
配信の最後の言葉を噛みしめるように言って、 悠祐はそっとマイクを外す。 静かな夜に、ぽつりと響く声があった。
易
悠祐
暗がりの中、現れたもうひとりの“自分”。 穏やかな顔で、それでもまっすぐに見てくる 彼の瞳が痛かった。
易
悠祐
易
その言葉に、胸の奥が揺れる。 本当は、ずっと気づいていた。 でも気づかないフリをしてきた。
悠祐
易
悠祐
言葉に詰まったその沈黙を、易は静かに受け止めた。 怒りでも、悲しみでもなく、ただ――願いだった。
易
悠祐
易
その声は、優しく、あたたかく―― そして、初めて“自分のため”にかけられたものだった。
悠祐
易
静かな夜が明ける。 その胸には、確かな一歩が刻まれていた。
【第六話 了】