世界的人気アイドル 転落事故で 意識不明の重体
丁度一ヶ月前
その衝撃的なニュースは
ファンはもちろん
瞬く間に全世界に衝撃を走らせた
コメンテーター
コメンテーター
コメンテーター
コメンテーター
コメンテーター
何も知らないと…!
ブツン!
サジー
サジー
彼女の事故をネタにして)
サジー
望んでいないわ)
リモコンを投げ捨てると テレビに背を向けた
サジー
サジー
サジー
ぽん、と手のひらを合わせる
サジー
手当たり次第に必要なものを カバンに詰めていく
書類とペンケースと…
前の学校で使っていた 教科書もいるかなぁ
おっと、今日から寮生活だから 洋服もいるんだった!
大きな独り言が ひとりぼっちのリビングに響く
サジー
サジー
大きな荷物を両手に抱え
よし! と、玄関まで走りドアノブに手をかける
サジー
ついにこの日が来た
心臓が今にも口から飛び出しそうなくらい ばくばくと弾んでいる
それを飲み込むように深呼吸
サジー
サジー
サジー・ハートは 天才よ!
ここは ブラックシティ
化学や
魔法や
異能力なんかが
当たり前に共存する不思議な街
サジー
重い荷物が視界を遮るが
それでもできる限り全速力で走る
そんなサジーの頭上を
自分と同年代位の子がほうきに乗って あっさりと追い抜いていく
サジー
サジー
おねだりしておけばよかった…
そんなこんな言いながらも 半分くらいまで来たと思う
ちょっと休憩!と立ち止まり
抱えていた荷物を下ろす
すると
〜♪
サジー
サジー
サジー
明るくてキラキラしたメロディ
何回も何回も聴いた 大好きなメロディ
音楽のするほうを振り返ると
ショーウィンドウに置かれた 無数のテレビの中
眩しい笑顔
柔らかく揺れる髪とスカート
彼女だ
サジー
思わず彼女の名前をつぶやく
自分が勇気を出したキッカケ
夢を見つけたキッカケ
テレビの中の彼女は
変わらずキラキラした笑顔を こちらに向けてくれていた
…その時
店の中から同い歳くらいの少女が顔を出す
長い黒髪に、風変わりな服
サジー
サジー
独り言を聞かれてしまった恥ずかしさと
突然話しかけられた驚きで 言葉に詰まっていると
そう言いながら 彼女もまたテレビに目を移す
その眼差しはどこか寂しげだった
サジー
サジー
彼女は優しい笑みをサジーに向け
そして地面に置いた大きな荷物に 視線を落とした
サジー
「ホープ芸術学校の!」
サジー
アイドルになりたくて!
サジー
決めたんです!
学校の名前を聞いた途端 彼女の表情が強ばった
そして小さなため息をついた
サジー
サジーは首を傾げる
サジー
サジー
そう言って俯く彼女
これ以上聞いてはいけない
サジーは直感的に思った
サジー
ありがとうございます!
サジー
てんまり
てんまり
サジー
サジー
サジー
てんまり
いつでもいらっしゃい
登校初日の不思議な出会いに 心を踊らせていると
リ〜ンゴ〜ン♪ リ〜ンゴ〜ン♪
遠くで朝8時を告げる 鐘の音が聞こえる
サジー
サジー
サジー
てんまり
再び荷物を抱え走り出すサジー
朝日に照らされたその後ろ姿を
てんまりは見えなくなるまで見つめていた
てんまり
てんまり
サジー
息を切らしながら 学校入口の坂をのぼり終える
サジー
サジー
真っ白な壁に
青空をそのまま映したような色の とんがり屋根
お城のような外観だった
サジー
サジー
通っていた学校!
サジー
キラキラと目を輝かせながら
アイドル姿の自分を妄想していると
サジー
突然目の前に少年が現れる
…と言うよりは、サジーが 気づいていなかっただけかもしれない
サジー
サジー
サジー
驚いて慌てたまま早口で返事をする
だが、少年はそんなサジーとは対照的に 淡々と言葉を続ける
ゼーデラ
委員長をしてる
長い前髪で目が隠れているせいか 表情が読めない
ゼーデラ
サジー
ゼーデラ
8時に来て欲しかったんだけど
ゼーデラ
鋭い言葉がサジーの声を遮る
時計を見ると既に8時30分を過ぎていた
サジー
サジー
ゼーデラ
ゼーデラ
ルームメイトにしてもらって
ゼーデラ
ゼーデラ
教室いくよ
サジー
サジー
さっさと背を向けて歩き出した ゼーデラの後を何とかついていく
サジー
でも挽回のチャンスはある!
サジーはめげずにゼーデラに話しかける
サジー
サジー
あったりして…
ゼーデラ
サジー
サジー
ゼーデラ
サジー
サジー
ゼーデラ
ゼーデラ
人それぞれ
こちらも見ずぶっきらぼうだったが
ゼーデラはサジーの 質問に対してちゃんと答えをくれた
サジー
ゼーデラ
ゼーデラ
サジー
居るよね!
サジー
ゼーデラ
謝られたのが不本意だったのか ゼーデラが振り返る
サジー
サジー
ゼーデラ
サジー
サジー
サジー
サジー
ゼーデラ
スキップをするサジーの前に 立ちはだかるようにゼーデラが道を遮る
サジー
ゼーデラ
ゼーデラ
サジー
キョトンと固まるサジー
友達を期待しちゃダメって どういうこと…?
困惑するサジーをよそにゼーデラは続ける
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラ
サジー
こういうところって
サジー
ゼーデラ
そう強く言い放つと
ゼーデラは再びサジーに背を向け 歩き出した
サジー
言った時のてんまりさんといい)
サジー
この学校
何かがおかしい…
つづく!
ここまでの キャラクター紹介