テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

世界的人気アイドル 転落事故で 意識不明の重体

丁度一ヶ月前

その衝撃的なニュースは

ファンはもちろん

瞬く間に全世界に衝撃を走らせた

コメンテーター

転落事故とは言っても

コメンテーター

この事故は謎だらけです!

コメンテーター

第一!

コメンテーター

何処でどのような事故に巻き込まれたのさえ公に発表されておらず

コメンテーター

地元の住民でも
何も知らないと…!

ブツン!

サジー

(またこの話してる…)

サジー

(事故から一ヶ月経つというのに
彼女の事故をネタにして)

サジー

(彼女はそんなこと
望んでいないわ)

リモコンを投げ捨てると テレビに背を向けた

サジー

サジー

…と、こうしちゃいられない!

サジー

今日から新しい学校だった

ぽん、と手のひらを合わせる

サジー

ええと、必要なものは…

手当たり次第に必要なものを カバンに詰めていく

書類とペンケースと…

前の学校で使っていた 教科書もいるかなぁ

おっと、今日から寮生活だから 洋服もいるんだった!

大きな独り言が ひとりぼっちのリビングに響く

サジー

鍵も閉めていかなきゃ

サジー

…多分誰も帰ってこないけど

大きな荷物を両手に抱え

よし! と、玄関まで走りドアノブに手をかける

サジー

アイドルになる為の第1歩!

ついにこの日が来た

心臓が今にも口から飛び出しそうなくらい ばくばくと弾んでいる

それを飲み込むように深呼吸

サジー

サジー

大丈夫

サジー・ハートは 天才よ!

ここは ブラックシティ

化学や

魔法や

異能力なんかが

当たり前に共存する不思議な街

サジー

テレビ見てたら遅くなっちゃった

重い荷物が視界を遮るが

それでもできる限り全速力で走る

そんなサジーの頭上を

自分と同年代位の子がほうきに乗って あっさりと追い抜いていく

サジー

いいなぁ

サジー

中古でもいいから空飛ぶほうき
おねだりしておけばよかった…

そんなこんな言いながらも 半分くらいまで来たと思う

ちょっと休憩!と立ち止まり

抱えていた荷物を下ろす

すると

〜♪

サジー

サジー

あれ

サジー

この曲…

明るくてキラキラしたメロディ

何回も何回も聴いた 大好きなメロディ

音楽のするほうを振り返ると

ショーウィンドウに置かれた 無数のテレビの中

眩しい笑顔

柔らかく揺れる髪とスカート

彼女だ

サジー

エンジェルメロディ

思わず彼女の名前をつぶやく

自分が勇気を出したキッカケ

夢を見つけたキッカケ

テレビの中の彼女は

変わらずキラキラした笑顔を こちらに向けてくれていた

…その時

彼女、素敵でしょう?

店の中から同い歳くらいの少女が顔を出す

長い黒髪に、風変わりな服

サジー

あ……

サジー

えっと……

独り言を聞かれてしまった恥ずかしさと

突然話しかけられた驚きで 言葉に詰まっていると

エンジェル・メロディ

彼女こそ、世界一のアイドルよね

そう言いながら 彼女もまたテレビに目を移す

私の憧れなの

その眼差しはどこか寂しげだった

サジー

わ、私もです!

サジー

私も、彼女に救われました

そう

同士に会えて嬉しいわ

彼女は優しい笑みをサジーに向け

そして地面に置いた大きな荷物に 視線を落とした

大荷物ね

旅行にでも行くのかしら?

サジー

いえ、寮に入るんです!

「ホープ芸術学校の!」

サジー

エンジェル・メロディみたいな
アイドルになりたくて!

サジー

彼女と同じ学校に行くと
決めたんです!

…………え

学校の名前を聞いた途端 彼女の表情が強ばった

…はぁ…

そして小さなため息をついた

よりによってあの学校に…

可哀想…

サジー

可哀想…?

サジーは首を傾げる

いえ、なんでもないわ

だけど

本当に色んな人がいる場所よ

決して楽しいことばかりじゃない

気をつけて

サジー

はい…

サジー

あなたもホープ芸術学校に?

あ、いいえ

噂で聞いただけよ

そう言って俯く彼女

これ以上聞いてはいけない

サジーは直感的に思った

サジー

教えてくれて
ありがとうございます!

サジー

私は大丈夫です!

そう…

そうね…貴方なら…

……私の名前はてんまり

てんまり

この「てれびや」に居るから

てんまり

いい報告、期待しているわ

サジー

私はサジー・ハートです!

サジー

あの…

サジー

また会いに来てもいいですか?

てんまり

もちろんよ
いつでもいらっしゃい

登校初日の不思議な出会いに 心を踊らせていると

リ〜ンゴ〜ン♪ リ〜ンゴ〜ン♪

遠くで朝8時を告げる 鐘の音が聞こえる

サジー

あ!

サジー

そろそろ行かなきゃ!

サジー

てんまりさん、また来ます!

てんまり

ええ

再び荷物を抱え走り出すサジー

朝日に照らされたその後ろ姿を

てんまりは見えなくなるまで見つめていた

てんまり

なんだか…

てんまり

…そっくりねぇ

サジー

はぁ、はぁ

息を切らしながら 学校入口の坂をのぼり終える

サジー

やーーーっと着いた!

サジー

ホープ芸術学校!

真っ白な壁に

青空をそのまま映したような色の とんがり屋根

お城のような外観だった

サジー

綺麗…!

サジー

ここがエンジェル・メロディの
通っていた学校!

サジー

ここでアイドルになるんだ!

キラキラと目を輝かせながら

アイドル姿の自分を妄想していると

転校生のサジー・ハート……

…で、合ってる?

サジー

わぁ!!

突然目の前に少年が現れる

…と言うよりは、サジーが 気づいていなかっただけかもしれない

サジー

ごごごごめんなさい!

サジー

ぼーっとしてて

サジー

そ、そうです!サジーです!

驚いて慌てたまま早口で返事をする

だが、少年はそんなサジーとは対照的に 淡々と言葉を続ける

そっか

オレはゼーデラ・グレイ

ゼーデラ

君が入る2年8組で
委員長をしてる

長い前髪で目が隠れているせいか 表情が読めない

ゼーデラ

よろしく

サジー

あ、よろしくお願……

ゼーデラ

寮の案内があるから
8時に来て欲しかったんだけど

ゼーデラ

連絡は来てたはずだよね?

鋭い言葉がサジーの声を遮る

時計を見ると既に8時30分を過ぎていた

サジー

ごめんなさい…

サジー

明日から気をつけるから!

ゼーデラ

うん、もういいや

ゼーデラ

案内は後で
ルームメイトにしてもらって

ゼーデラ

ここで話してても時間の無駄

ゼーデラ

荷物もったままでいいから
教室いくよ

サジー

はい!

サジー

(転校初日に怒られてしまった〜!)

さっさと背を向けて歩き出した ゼーデラの後を何とかついていく

サジー

(第一印象最悪だ〜!)

でも挽回のチャンスはある!

サジーはめげずにゼーデラに話しかける

サジー

ほんとにごめんなさい!

サジー

私結構うっかりな所が
あったりして…

ゼーデラ

もういいよそれは

サジー

ここの学校すごく大きいね!

サジー

全校生徒はどのくらい居るの?

ゼーデラ

2000人

サジー

そんなに!?

サジー

みんなアイドル目指してるの?

ゼーデラ

いや

ゼーデラ

皆芸術分野だろうけど
人それぞれ

こちらも見ずぶっきらぼうだったが

ゼーデラはサジーの 質問に対してちゃんと答えをくれた

サジー

ゼーデラは何を目指してるの?

ゼーデラ

ゼーデラ

…ごめんそれは…

サジー

そっか!そういう人も
居るよね!

サジー

質問攻めでごめんなさい

ゼーデラ

………えっ

謝られたのが不本意だったのか ゼーデラが振り返る

サジー

あ!こっちみてくれた!

サジー

顔は見えないけど…へへ♪

ゼーデラ

……

サジー

私ここに来るの楽しみだったんだ!

サジー

たくさん友達を作って

サジー

同じ夢を持った仲間と勉強して

サジー

それからそれから…

ゼーデラ

サジー

スキップをするサジーの前に 立ちはだかるようにゼーデラが道を遮る

サジー

え、どしたの?

ゼーデラ

友達とか…期待しない方がいい

ゼーデラ

特にオレのクラスでは

サジー

…へ?

キョトンと固まるサジー

友達を期待しちゃダメって どういうこと…?

困惑するサジーをよそにゼーデラは続ける

ゼーデラ

お願いだから

ゼーデラ

変に目立って問題を起こさないで欲しい

ゼーデラ

友達なんか期待しないで

ゼーデラ

注目を浴びないようにして

ゼーデラ

授業を淡々とこなしていればいいから

サジー

え、え…
こういうところって

サジー

目立ってなんぼじゃないの…?

ゼーデラ

お願いだから!

そう強く言い放つと

ゼーデラは再びサジーに背を向け 歩き出した

サジー

(ホープ芸術学校に行くって
言った時のてんまりさんといい)

サジー

(ゼーデラといい…)

この学校

何かがおかしい…

つづく!

ここまでの キャラクター紹介

ムゲンダイ!HOPE SONG

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,100

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚