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彼と目が合うたび ドキッとする
彼の事は大好きなのに
今は…少し、怖い
美咲
ごめんね？
美咲
私の…せいで…
なに？
足、痛かった？
美咲
……っ！
美咲
大丈夫だよ！
美咲
私はまだ…大丈夫
美咲
(ヒールだから、歩きにくいけど)
美咲
ごめんね？
美咲
山登りだと思ってなかったから…
美咲
ヒールで来ちゃって
いいんだよ
俺こそ、ゴメン…
急に、山に登りたいなんて言い出して…
美咲
……っ
また、ドキッとした
美咲
(ビックリした…)
美咲
(急に振りかえるから…)
なに？
２人だと、気まずかった？
美咲
そんな事…！
ごめんな？
君が知らない男と話しているのを見たら
なんか、ムカついて…
美咲
美咲
うん
…人の居ない所に行きたくなったんだ
美咲
うん
美咲
そう、だったんだ
美咲
いいよ？
美咲
私も、いきたかったから
そうなの？
よかったー
美咲
…本当だね
よっと！
美咲
美咲
ねえ、重くない？
これくらい、へーきへーき
私の分の荷物も抱え
山を登るのは大変だ
美咲
(ごめんね…？)
今度は心の中で謝る
美咲
(だけど、私)
美咲
(どうしても…)
ついた！
美咲
…どこに？
ここだよ、ここ
この景色を見せたかったんだ！
君に
美咲
へぇ…
美咲
(ここって…)
美咲
(ただの崖じゃない)
ここから見る夕陽、スゲー綺麗なんだよ？
美咲
そう、なの…
美咲
(ひっ…！)
また彼と目が合った
でも…
きっと、これが最後
大丈夫…
君に近づく男は
全部、俺が始末するからね？
男がにこりと笑い
崖下へと落とした
背負っていた彼を…
美咲
…ごめんなさい
えー？なにがー？
美咲
(本当に、ごめんなさい)
美咲
(だけど私…)
美咲
(どうしても)
美咲
生きたいの…
だから、私は
男を突き飛ばした
解説
・この話に登場するのは「彼」と「男」と「美咲」の３人です。
・美咲の言う「彼」は、すでに殺され「男」に背負われています。
美咲は背負われた「彼」と 目を合わせて
ドキッとしたのです。
好きな人でも、死体は 怖いですからね？
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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