及川
俺ね、ずっーと日向が欲しかったの。

及川
今こうして監禁したこと、本当に夢見たい。

日向
俺が………欲しかった?

日向
だからって、なんで手錠なんて……。

日向
こんなの……怖いに決まってるじゃないですか。

及川
安心してよ、俺だって日向に傷ついて欲しくないからさ、

及川
だから手錠だって、柔らかいし。

及川
リボンが付いた可愛らしいデザインにしたんだよ?

及川
それに、玄関以外は自由に移動出来るんだよ?

及川
キッチンも、リビングも。

及川
トイレ、風呂、俺のベットだってね!

及川
いや〜、やっと、俺の理想の恋愛ができるよ。

日向
………なんですか? その理想って?

及川
お互いを一生涯想って、一緒に過ごす。

及川
そして、揃って息絶えること。

日向
…………そう、なんですね。

この人の理想を聞いて確信した。
俺は絶対逃げれない。
まるで、蟻地獄に落ちたようだ。
もう、出ることが出来ない。
ここは監獄なんだ。
及川
あとね、もう1つ、伝えてあげる。

及川
烏野にユナっていたじゃん?

日向
……ですね。 俺を陥れた…

日向
……忌々しい人、です。

及川
忌々しい、そうだね。 そうだよね?

日向
なんですか……何を言いたいんですか?

及川
ユナってね、元々青葉城西なの。

日向
え……そうだったんですか!?

及川
じゃ、不思議な点があるよね?

及川
ほら、答えてみて!

日向
えっと……なんで烏野に来たのか…です?

及川
おぉ〜、正解!

及川
じゃ、正解した日向には、

及川
真相を伝えてあげる。

日向
………真相?

及川
ユナはね、ある人に言われて、烏野に来たの。

日向
…………ある人? って……いや、そんな…わけ。

冷や汗が頬を伝っていく。
怖い。 手が震えてるのが分かる。
及川
ん? 思い当たる人がいるの?

日向
嘘だって……………

及川
ほら、言ってみないと俺、わかんないよ?

日向
もしかして………及川さん、です…か?

及川
正解〜!!

辛い現実が無常に押し寄せてくる。
これ以上、やめて。 助けて。
及川
じゃ、これから日向の運命を狂わせた人と過ごそっか!

及川
これから一生涯、よろしくね!

そう言って、目の前の人は戸を閉めた。
残ったのは…手錠のかかった俺
そして、暗い部屋。
日向
(もう……心がもたない。)

日向
(このまま、無心で、呼吸もしなかったら…)

日向
(みんなから……忘れられる…かな?)

日向
(影山、 ごめん。 春高まで、お前と行きたかった。 )

日向
(みんな…ごめん、ごめんなさい。)

暗い部屋、そこに幽閉された
可哀想な人形のお話は
何を思ったか?
それは、もう覚えてない。