TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

オハイアリイの花束

一覧ページ

「オハイアリイの花束」のメインビジュアル

オハイアリイの花束

8 - 5話 ただ、それだけだったんです

♥

2

2024年11月08日

シェアするシェアする
報告する

琴音

あ、誰か来ましたね

琴音

初めまして!3組の秋原琴音です

伊織

4組の宝生伊織。

伊織

神坂...だっけ?

伊織

よろしく

スッ

??

パシッ

??

触んじゃねえよ

は?何ですかこいつ

初対面で失礼すぎません?

しかも伊織ちゃんの手を払うだなんて....!

触って貰えることに感謝してよ!

琴音

その態度はなくないですか。

琴音

ただ挨拶しただけでしょう?

琴音

それで手を払うだなんて

琴音

初対面で流石にそれは...

??

...6組の神坂。

瑠衣

名乗ればいいんだろ?

伊織

神坂、さっきはごめん

伊織

急に触ったりして驚いたよね

瑠衣

別にお前がどうこうじゃないからいい。

瑠衣

お前らもどうせアイツと一緒だろ

伊織

アイツって?

瑠衣

...お前らに教えて変わるとは思わない。

琴音

いや、わからないじゃないですか

琴音

もしかしたら力に...

瑠衣

ッッ!だから!ボクはお前らと馴れ合う気はねぇって!

伊織

別にあたしは仲良くしようなんて言ってないでしょ!

あ、やっちゃった...

私のせいで二人が

私のせいで

っ、ううん。

今は宥めるのが先です

私のことは後でいい。

琴音

ふ、二人とも辞めましょう?

琴音

せっかく同じ寮室になったんですから、

瑠衣

だから、そんなのボクは望んでねぇって!

伊織

ちょ、お前!いくら嫌だからって男が女に怒鳴るのはダメでしょ!

瑠衣

うるせぇよ!

瑠衣

男だろうが女だろうが関係ねぇだろうが!

伊織

ってめぇ

伊織

ここが怖がってんのわかんないわけ!?

伊織

お前の力になりたいっていう善意でしょうが!

瑠衣

そういうのが迷惑なんだよ!

瑠衣

そういうのは善意じゃなくてただの自己満だろうが!!

琴音

自己満。

言われるのは初めてじゃないはずなのに心が痛い

どうして?私はただ君の為にって思っただけじゃないですか

そこまで言われるようなことでしょうか

私はまた、間違えたのか

どうして?

どうシて?

ドうシて?

ドウシテ?

ドウシテ

そんな言葉だけが頭の中でグルグルする

 

 

そんな時だった

鈍い音がしたのは。

顔を上げるとそこには

息を荒くして立っている伊織ちゃんと

キッチンの壁に寄りかかって倒れている神坂くんがいた。

聞かなくてもわかる

 

殴ったんだ、

伊織ちゃんが神坂くんを

琴音

伊織ちゃん!殴るのは流石に...

伊織

だって!仕方ないでしょうが!

伊織

話が通じないんだから!

琴音

ッでも!

伊織

あぁもういいよ

伊織

あたしが出てく

....え?

出ていく?伊織ちゃんが?

伊織

そしたら解決でしょ?

伊織

こっちは諦めて歩み寄ろうとしてんのに、あいつが跳ね除けんだから。

やだ

やだよ伊織ちゃん

再会したばっかでしょ?

やっと自分の気持ちを知ったのに

なのに!

琴音

嫌です。

琴音

伊織ちゃんと離れるなんてぜったi

ギュッ

えっ

私、今抱きしめられてる?

伊織

ここ、今回は無理だよ

伊織

再会したばっかってのにね

伊織

あとはみんなで仲良くやってよ

伊織

ここなら出来るよ

違う、

他のみんななんて要らないです

貴方が欲しいの、

貴方だけ居ればいいの

それだけで、

ただそれだけで!

スルッ

琴音

あっ

嫌だ

嫌だよ

もっと話そう?

昔みたいにさ

あの道路でしたみたいにジュース片手に持って

星が綺麗だね、とか

今日むっちゃ暑くない?とか

今日学校でさー、とか

そんな何でもないこと話そうよ

伊織

ごめんね、怖いとこ見せちゃって。

琴音

ッッ!

最後に見た伊織ちゃんの顔は

ガチャッ

悲痛に満ち溢れた顔だった

琴音

ああ、私間違ったんだ

琴音

グスッ

琴音

グスッ

せっかく会えたのに伊織ちゃんを傷つけた

私のせいでこうなって、私の為に怒ってくれたのに

私は、それを....

  

 

それから、どれくらいが経ったでしょうか

みんなは神坂くんの言葉があってから互いを避けようになりました

伊織ちゃんは帰って来てません

神坂くんも一応ご飯は食べてくれますがそれだけです

償いと思って上杉さん達に宣言しましたが、何も進展せず

ただただ

虚しさが残っています

虚しい、なんていう権利私にはないか

好きな人を傷つけたのだから

 

琴音

もう、どうでもいいや

オハイアリイの花束

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚