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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ピピピピッ

ピピピピッ

琴音

んぅ、

琴音

ああ、

カチッ

琴音

ゴソッ

琴音

(ああ、また一日が始まった)

あれから私はおかしくなった

全てのことがどうでも良くなって、

見える景色はモヤがかかったようで

琴音

シュルッ

琴音

カチッ

個性もクソもないこんな制服も

ガチャ

琴音

おはようございます

シーン

返事が返ってこないこの生活も

彼女が居ないことを感じさせる広い部屋も

琴音

全部、嫌いです。

 

 

琴音

...

琴音

朝ごはん、作りますか

琴音

トントン

琴音

ジュッ

チーン

琴音

ガチャ

琴音

カチャカチャ

琴音

...っよし

コンコン

琴音

神坂くん、起きてますか

瑠衣

なに。

琴音

朝ごはん、作ったんです。

琴音

神坂くん用意してないと食べなさそうなので...

瑠衣

余計n

琴音

余計なお世話なのはわかってます

琴音

要らなければおいておいてください

琴音

私が食べるので。

琴音

昼ごはんは冷蔵庫に入れているので温めてくださいね

瑠衣

...

瑠衣

なんで僕にそこまですんの?

琴音

なんで、って

なんででしょうか

別によく見てほしい訳でもないですし、偽善でもないですし

琴音

...償い、ですかね

琴音

あの時、伊織ちゃんを傷つけたことへの

琴音

もし、伊織ちゃんが帰ってくるなら

琴音

それまでに不安要素は1つでも消したいんです

瑠衣

、そうか

瑠衣

飯、ありがと

琴音

...!

琴音

はいっ!

償い、ね

我ながら変なこと言いましたね

琴音

伊織ちゃんが居なくなったのは私のせいなのに

琴音

...いただきます

琴音

サクッ

琴音

(...味がしない)

おかしくなったのは視界だけじゃなくて

味覚も。痛みも感じなくなりましたしね

傷つけたんだからまあこれくらいはなるべきでしょう

琴音

ごちそうさま

ガチャ

琴音

いってきます

ガラッ

琴音

おはようございます

ドサッ(荷物を置く)

生徒B

琴音おはよー!

生徒A

ねえねえ琴音ー!

琴音

わ、

この人たちはクラスメイトです

席替えで近くなったのがきっかけで最近よく話すんです

生徒A

ね、知ってる?

生徒A

ここから2kmくらいに公園あるじゃん?

生徒A

ちょっとしたステージがある...

琴音

ああ、あそこですね

琴音

そこがどうかしたんですか?

生徒A

それがね、

生徒A

最近よくイケメンが集まってるらしいの!

琴音

...

え?そんなことですか?

そんなことで騒ぐなんて、今時のJKはわかんないです

生徒B

あー!それ知ってる!

生徒B

あれでしょ、黒髪に水色メッシュの人たちでしょ?

生徒A

そーそー!

生徒A

あとはね..

、待ってください

黒髪に水色メッシュ?

イケメン、

伊織ちゃん!?

琴音

あ、あの!

琴音

黒髪に水色メッシュの人って黒マスクしてますか!

琴音

耳にたくさんピアスつけてたり、

生徒A

そ、そうだけど

生徒A

急にどうしたの?

生徒B

ワンチャン知り合いだったり??

琴音

いえ、確証はないんです

琴音

もしかしたら...ぐらいです

生徒A

なるほどねぇ、写真入手出来たら教えるよ

生徒B

私も!

生徒B

今の琴音、恋する乙女の顔してたもん

琴音

こっ、

恋!?そんなに私わかりやすいんでしょうか...

琴音

(でも、これで居場所はわかりました)

琴音

(ナイスですJK)

琴音

(あとは、)

琴音

(私が一歩踏み出すだけだ)

ガチャ

琴音

ただいまです

悠人

あ、

琴音

あっ、上杉くん

琴音

久しぶりですね、今帰って来たところですか?

悠人

そーだね

悠人

でも委員会で呼び出しくらってるからそれ行くんだ

琴音

橘さんたちは?

悠人

橘ちゃんは部活

悠人

玲央はしんない

琴音

そうですか、

琴音

あ、すみません

琴音

呼び止めてしまって、

悠人

いいよ、そんな急ぎじゃないしさ

悠人

コンコン

悠人

じゃ、行ってくるね

琴音

はい、お気をつけて

ガチャ

悠人

あ、そうだ

悠人

公園の水色メッシュのイケメンの噂、

悠人

多分あれ、宝生だよ

琴音

え?

な、んで知ってるの

悠人

友達が写真見せてくれたんだ

悠人

あってると思うけど、会いに行くのはおすすめしない

琴音

どうしてですか

琴音

私h

悠人

あの宝生は君の知ってる宝生じゃない

悠人

それに、君が言っても傷つけるだけじゃないの?

伊織

ごめんね、

琴音

っそれは!

悠人

俺には喧嘩だけで宝生が出て行くとは思えない

悠人

君が何かしたのかと思ったけど当たりっぽいね

琴音

...

悠人

別に責めてる訳じゃないよ

悠人

ただ、

悠人

君の会いたいが宝生にとってどうかって話だよ

悠人

それじゃっ

バタン

ボフッ

琴音

知ってますよ、それくらい

琴音

会いにいく資格がないのも、伊織ちゃんが望んでないのも

コンコン

瑠衣

入っていい?

琴音

あ、はい!

どうしたんでしょうか、急に

瑠衣

飯、美味かった

瑠衣

ありがと

琴音

わざわざそんな!

琴音

言ったでしょう?私の償いだって

琴音

そんなお礼を言われることじゃないですよ

瑠衣

それでも、僕は助かった

瑠衣

毎日来てくれるの嬉しかった

瑠衣

上杉が言ったこと聞いてたんだけどさ

琴音

我儘だと思いますか?

瑠衣

いや、そうじゃない

瑠衣

僕はお前の好きなようにすれば良いと思う

琴音

え、

瑠衣

お前の会いたいがあいつにとってそうじゃなくても良いと思う

瑠衣

少なくとも僕はお前のその我儘に助けられた

瑠衣

だからさ、会いたいなら行ってもいい

瑠衣

お前達の絆ってのは良く分かんねえけどさ

瑠衣

我儘ぐらい言っていいだろ

瑠衣

友達ならさ

琴音

....!

私、償いとか傷つけたとかばっかり考えてました

友達ってことすっかり抜けてて、

琴音

そう、ですね

琴音

行って見ます

琴音

会いに。

オハイアリイの花束

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