第19話 繰り返させない
黄泉乃 一
…あの時と変わってないんだな。
黄泉乃 一
みんなの部屋、武器庫、食堂…あいつの部屋も。
黄泉乃 一
…あいつ、本当にどこに行きやがったんだ。
黄泉乃 一
あゆはまだ未熟だって言うのに…
百々亜 薫
師匠〜!!
黄泉乃 一
ん、百々亞くん。どうしたんだい?
百々亜 薫
優花と優斗琉が呼んでるって〜!
黄泉乃 一
ああ、わかった。今行くよ
ガチャ
百々亜 薫
おーい!師匠来たよ〜!
瀬戸内 優花
あっやっほー師匠!
相田 優斗琉
お前弟子じゃないだろ
瀬戸内 優花
いいじゃん!別に私が言っても!
黄泉乃 一
あはは…それで、私に何か用かい?
相田 優斗琉
あ、この拠点を案内してもらいたくて
黄泉乃 一
え?…私が?
瀬戸内 優花
そう!だって前いたんでしょ?
百々亜 薫
だったら大体はわかるんですよね!!
黄泉乃 一
ええっと…それはあゆに聞いた方が
相田 優斗琉
いや、あゆはちょうど仕事中だ
黄泉乃 一
…というか、百々亞くんはまだいいとして
黄泉乃 一
君たち二人は結構最初に来た方なんじゃ…
百々亜 薫
師匠、この2人極度の方向音痴ですよ
黄泉乃 一
( ´・∀・`)あー
瀬戸内 優花
いや優斗琉はまだいいほうだよ?
相田 優斗琉
こいつはマジでやばい。右も左もまだ分かんねえからな
黄泉乃 一
嘘でしょ?
瀬戸内 優花
まあ私は10年間くらいほぼ砂漠で過ごしてたからねー
瀬戸内 優花
方向もわかんなくなるよ
相田 優斗琉
だとしても…
黄泉乃 一
まあとにかく…
黄泉乃 一
とりあえず、できる限りは案内してあげよう。
瀬戸内 優花
やったー!ありがと師匠!
黄泉乃 一
…それで、ここが図書室、その隣が会議室。
百々亜 薫
待って!図書室にエマいる!
瀬戸内 優花
あれは完全に集中モードだ…そっとしておけ
相田 優斗琉
あの時のあいつドアを開く音とかでキレるからな…
黄泉乃 一
あ〜…集中モード切らしたらダメなタイプか
瀬戸内 優花
会議室は〜…あっ見て見て!可愛いクリップ見つけた!
百々亜 薫
わっ!?すげー!大量の色鉛筆!
百々亜 薫
何描こっかな〜?武器でも描いてみよ!
黄泉乃 一
…あの〜、そろそろ行かない?
相田 優斗琉
ちょっと待て…なんだこの戦闘資料的なやつ
相田 優斗琉
めっちゃ気になる…
黄泉乃 一
あ〜…ダメだこりゃ
黄泉乃 一
……ん?
黄泉乃 一
(この部屋…見覚えないな。)
黄泉乃 一
(いや、ただ単に覚えてないだけかもしれないが…)
黄泉乃 一
…念力魔法「空間視」。
黄泉乃 一
(危ない気配は無し、と。)
黄泉乃 一
(少し開けてみるか…)
黄泉乃 一
…(ここは、大聖堂…?)
黄泉乃 一
(思ったより大きいな…)
黄泉乃 一
(って、あれ…)
藤葉あゆ
………
黄泉乃 一
(あゆか。お祈りか何かしているのか?)
黄泉乃 一
(…?あの写真…)
黄泉乃 一
っ!?(あっ…あれ、前の世代の…!?まさか…)
百々亜 薫
師匠ー!どうしたのー!
黄泉乃 一
うわっ!?
パタン
黄泉乃 一
っはぁ、はぁ…
百々亜 薫
師匠どうしたの?そんな驚いた顔して
瀬戸内 優花
ずっと声掛けても反応ないんだもん!
相田 優斗琉
というか…あの部屋なんなんだ?俺らは行ったことねぇ部屋だが
黄泉乃 一
あの部屋は…大聖堂。
黄泉乃 一
ただ、私にとっては特別な、悲しい大聖堂だったよ…
相田 優斗琉
というかあの中にあゆが一人でいたけど…大丈夫なのか?
黄泉乃 一
今は行かない方がいいと思う。
黄泉乃 一
…前世代の仲間たちへの祈りを邪魔したら大変でしょう?
百々亜 薫
ぜ、前世代!?俺たちの前に何代かいたってこと!?
相田 優斗琉
そういや言ってたな…亜子だとかノアだとか
黄泉乃 一
その子たちはみんな前世代の子たち。
黄泉乃 一
ただ…もうαによって消されてしまった。
黄泉乃 一
…それも、あゆの目の前で。
相田 優斗琉
っ!?あ、あゆ…
黄泉乃 一
…だからあゆは、守れなかったことの罪悪感で
黄泉乃 一
そして、彼らに最大の謝罪の意も込めてやっているのではないかな。
黄泉乃 一
…あの子は何百年も生きている子だ何回も仲間の死を見ている。
瀬戸内 優花
えっ、何百年!?あゆって18歳じゃないの!?
黄泉乃 一
あれ、言ってなかったっけ。見た目はずっとこのままだって。
黄泉乃 一
Xは不老不死。αとかに殺されない限りは。
黄泉乃 一
あと…精神年齢とかも。
黄泉乃 一
正直、私が1番心配しているのはそこだよ。
瀬戸内 優花
あっ、うちら10代多いからとか?
黄泉乃 一
そう…彼女も10代でXになった。
黄泉乃 一
それ故にまだ幼すぎる。抱え込んでしまう…
黄泉乃 一
そういう子が今後増える可能性は高い。
黄泉乃 一
何百年も、18歳のままで死を見続けてるとなると
黄泉乃 一
彼女にとっては苦痛で苦痛で仕方ないんだよ。
瀬戸内 優花
…あゆ、限界じゃないのかな?
瀬戸内 優花
精神的に追い詰められてないのかな、ずっと…
黄泉乃 一
…いや、彼女は大丈夫さ。
黄泉乃 一
苦痛で苦痛で仕方ないのは確かだが
黄泉乃 一
苦痛を放っておく程あゆも弱くない。
黄泉乃 一
自分の苦痛に気づける人間、それが本当に強い人間だ
相田 優斗琉
…本当に大丈夫なのか?
黄泉乃 一
ああ。きっとそうだ。なんたって、エクサルの生徒だからな。
相田 優斗琉
そういえばエクサルも言ってたが、そいつは?
黄泉乃 一
ああ、エクサルは…
相田 優斗琉
?
黄泉乃 一
すまない。冬弥から手合わせの約束をしていたんだった
黄泉乃 一
今日はここまでだ。またいつか話そう。
シュンッ
瀬戸内 優花
行っちゃった…
相田 優斗琉
あいつ、いろいろと謎多いよな
百々亜 薫
ま、そこが師匠だもん。
百々亜 薫
師匠は多分たくさん辛いこと経験してきたんだろうけど
百々亜 薫
それを隠して生きているような感じがする。
瀬戸内 優花
まあね。ただものじゃないっていうのは伝わった。
相田 優斗琉
…とりあえず、帰るか。訓練したいし
百々亜 薫
そうだねー、集中できなさそうだけど笑






