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ふと、誰かが、私の事を呼んだ。 誰かが、私の事を呼んでいることに気が付いた。 今の私は地面に寝っ転がってるらしい。 おかしい、家の自室で座っていたはず。 あのあとなんかあったっけ。思い出せない。 ...というか、何故だろう、身体が重くてたまらないし、 ずっと、何年も眠っていた気がしてならない。 いつのまにか、今が何年何月何日かもわからない。 ___不思議だけれど、誰かに呼ばれているみたいなので、私は起き上がることにした。
目を開けると、そこは、この世のモノとは思えないほど綺麗な場所だった。 青い青い、__澄んだ空。 どこまでも続いている、花畑。
そんなものに意識を奪われそうになったが、私の目の前に、もっと触れるべき人物がいる。
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当たり前のように居る彼に戸惑いを覚える。 だって、彼は、___父様は、戦争で負けて死んだ筈なのだ。
WW2で敗戦したあと、すぐに父様は死んでこの世から姿を消した。 ちょこっとだけGHQ占領下時代があった後、すぐに私が日本国の代を継ぐことになった。 だから、とっくのとうに、父様は居なくなっているし、私の前に現れる筈がない。
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何か言おうとしたが、あまりの図星だったため口を紡いでしまう。
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あの、世?
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刹那、忘れていた記憶が蘇ってくる。
私は、家に居たところ、地震に見舞われた。 職務終わりで疲れていたのもあり、大規模な災害と国民の大混乱などに耐えられなかった。 大きなヒビが入り、その激痛に震えていた。数分耐えながら悶えていたが、ついには再度激痛を伴って、私は割れてしまったのだ。
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自分の身体を見ると、確かに片方の腕と肩らへんまでが無かった。 痛みも違和感もなくて気が付かなかった。
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信じられない出来事と情報量に頭がくらくらするが、弱ってばっかではいられなかった。
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私は少し考えた。
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私は言った。
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真剣なまなざしで、そういった。
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私は半分泣いていると思う。 情けない顔を晒して恥ずかしいが、今更そんなこと気にする必要はなかった。
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私の真剣な眼に反して、お父様は呆れたように、...頭をポリポリかきながら言った。
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お父様は私の方を掴んで、訴えかけるように言った。
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私だって、歴史を絶ちたいわけじゃない。 お父様が何代も何代も、ずっと、ずっっと守って来た地位だから、落としてはいけないことなんてわかりきっている。 でも、無理だ。 私には、もう無理なんですよ。
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お父様は、心底悲しそうに、そういった。
びっくりした。お父様がアメリカさんとイギリスさんを想う発言をするなんて。
私は、アメリカさんとイギリスさんが嫌いだっけ? それは違う。ただ、ちょっと最近冷たいだけ....。 あれ?もうハグも何も出来ないままお別れ? もうお話も出来ないまま、アメリカさんたちが死ぬまで会えない?
そんなの、....そんなの、....。。。
お父様は、私に思いっきりハグをした。 その瞬間、私の中の何かが、割れた音がした。
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有り得ない速度で、身体が欠けていっている。 急速に、”この世”にいる日本が復活している証拠で、 急速に、日本国民が団結していっている証拠でもあった。
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言葉を言う前に、 口元が、”この世”に返還されてしまった。
コメント
2件
な、泣いちゃうよ…!!!!!😭作品を読むまではこんなに感動できるなんて想像すらできませんでした…!😢月曜日からありがとうございます…!!☺️💖