丑の刻、とある山
煉獄
やはりこの山は暗いな…
煉獄
鬼の気配は、まだ感じない
煉獄
ふむ….
煉獄
…
煉獄
真那と父上が仲良くなれたのは良かった
機会をはかりかねていたからな
機会をはかりかねていたからな
煉獄
しかしどうも最近目が痛い…
人間というのは歓喜が増すと血涙がでるものだったのか…
人間というのは歓喜が増すと血涙がでるものだったのか…
煉獄
!!
煉獄
鬼の気配!!
シュッッッ!
グァァァァァッ!!!
煉獄
完全に鬼化しているな
おい、鬼!
俺は鬼殺隊煉獄杏寿郎!
おい、鬼!
俺は鬼殺隊煉獄杏寿郎!
煉獄
そこの子供は食わせんぞっ
ガッガァァァ!
少年
うっ、ううううっっ
煉獄
炎の呼吸壱の型…不知火!!
ギャァァァァ……
少年
あああ……
煉獄
少年!もう大丈夫…
少年
お母さん?お母さん?
血の、匂い?お母さん⁈
血の、匂い?お母さん⁈
煉獄
!……
煉獄
君の母上は…
少年、もしや目が…
少年、もしや目が…
少年
お母さんお母さん
置いていかないでお母さん
どこ?どこなのお母さん…
置いていかないでお母さん
どこ?どこなのお母さん…
少年
置いていかないでお母さん!
怪我してるんでしょ⁉︎
僕が頑張って連れていくから!
お母さん!お母さんっ!!
怪我してるんでしょ⁉︎
僕が頑張って連れていくから!
お母さん!お母さんっ!!
煉獄
っ……
煉獄
少年、俺は煉獄という者だ
君の母上は、君の為に…少し旅へ出た
俺と一緒に寺子屋へ行こう
君の様な子供達の面倒を見てくれている
君の母上は、君の為に…少し旅へ出た
俺と一緒に寺子屋へ行こう
君の様な子供達の面倒を見てくれている
少年
お母さんがいないなら
死ぬ!僕死ぬ!
嫌だ嫌だーー!!
死ぬ!僕死ぬ!
嫌だ嫌だーー!!
煉獄
少年…
どうにか少年を落ち着けて 信頼ある寺子屋へ連れて行った
少年は 母親の着物をずっと抱いていた
煉獄
嘘を、吐いてしまったな
煉獄
少年は
煉獄
幸せになれるのだろうか
真那
(押し付けるなよ、杏寿郎)
真那
(俺はそいつらを殺す為に生きてやるよ)
煉獄
…生きてさえいれば、きっと…
煉獄
今はどう思われようが、きっと
煉獄
……
翌朝、煉獄家
煉獄
只今帰りました
千寿郎
兄上!お帰りなさいませ
任務、ご苦労様でした
任務、ご苦労様でした
煉獄
ああ、ありがとう千寿郎
千寿郎
…兄上?どうかしましたか
もしやどこか怪我を⁉︎
もしやどこか怪我を⁉︎
煉獄
心配ない
それより真…
それより真…
槇寿郎
一体何を考えているんだ貴様っ!
真那
薬飲むのに水汲むのが面倒だったんだよ、
真那
ったく酒の一升やニ升いいだろうが
クソじじいにケチ野郎ってか
本当に嫁いたのかよ感謝しろよな仏だぜそいつ
クソじじいにケチ野郎ってか
本当に嫁いたのかよ感謝しろよな仏だぜそいつ
槇寿郎
いい加減にしろっ!
朝から人の気分を逆撫で逆撫でっ
朝から人の気分を逆撫で逆撫でっ
煉獄
な………
千寿郎
その、止まらなくて…
槇寿郎
この病人気取りがっ!!
真那
ケチクソじじいがー!!
真那
あ、杏寿郎じゃねえかっ
煉獄
う、うむ
真那
おかえりっ
煉獄
…うむ
只今帰ったぞ!!
今日も朝から元気で美しいなっ
真那っ!
只今帰ったぞ!!
今日も朝から元気で美しいなっ
真那っ!
槇寿郎
…ふんっ!
ガラッ!!
千寿郎
ふぁぁ、、朝から心臓が…
真那
ったく酒でけちけち全くよぉ
千寿郎
真那さん、そこではなくて!
そもそもお酒は厳禁です!
そもそもお酒は厳禁です!
真那
う……
真那
すまん
煉獄
ふっ
真那
?どうした杏寿郎
煉獄
はははははははっっ!!!
千寿郎
兄上?
煉獄
いや、すまんっ
煉獄
俺も気合いを入れ直そう!
真那
なんだ?あ、おぅ!
酒、いくかっ!
酒、いくかっ!
千寿郎
真那さんっ!!
真那
気合いつったら酒だろー
千寿郎
ご自身のお身体のこと考えてくださいよ…うぅ…
煉獄
(そうだ、喜びも悲しみも
怒りも恨みも…
全てが人間というものだ)
怒りも恨みも…
全てが人間というものだ)
煉獄
(最後まで見届ける事は俺には出来ないが…)
煉獄
(全ての人にこんな日々が、幸せな日々が未来にある事を常に願おう)
煉獄
(その為に、全力で守りきるっ!)
真那
じゃああれ飲もうぜ、この間店で見たー、あ、甘酒だ甘酒!酒だろ?
千寿郎
甘酒なら…
いえ、まずお医者様に聞いてからです!
いえ、まずお医者様に聞いてからです!
真那
杏寿郎よぉ、
今日の千寿郎は小姑ってやつだぜ全く…
今日の千寿郎は小姑ってやつだぜ全く…
真那
どうしたよ、杏寿郎
千寿郎
どうしましたか、兄上
煉獄
ん?何だろうか
真那
ははっ
真那
今、満面の笑みってやつだぜ