悠斗
誕生日おめでとう
悠斗
さっそくだけど、約束通り結婚しよう
結衣
は…?なによいきなり!
悠斗
20歳になったら俺のお嫁さんになるって言ったよね?
結衣
それは子供の頃の話でしょ?
結衣
もう時効に決まってるじゃない!
悠斗
そんな、困るよ
悠斗
俺はずっとそのつもりだったんだから
結衣
なに言ってんのよ。冗談やめてよ
母親
お誕生日おめでとう~(^o^)
結衣
ありがと!
母親
これであんたも一人前になったし
母親
例の約束ちゃんと守りなさいね!
結衣
約束?なんの話?
母親
やだ~もう!
母親
悠斗くんと結婚するんでしょ?
結衣
は!?ちょっと待ってよ!
結衣
お母さんまでなに?
結衣
あんなの子供の口約束でしょ?
母親
そんなことないわよ!
母親
悠斗君も母さんも信じてたもの
母親
いいじゃない、悠斗君そこそこイケメンだし
結衣
そーゆー問題じゃないでしょ!?
結衣
絶対イヤ!!
母親
何でよ?何が嫌なの?
結衣
だって…人間じゃないし!!!
幼馴染の悠斗の正体は――狐だ。
彼は稲荷神社の神の使徒で、人間に化けて生活している。
それを知ってるのはお母さんと私だけで、最初は驚いたけど、今では慣れてしまった。
結衣
妖怪と結婚とかシャレにならないよ
結衣
ちょっと話きいてよー
尚之
どうした?
結衣
悠斗に結婚迫られた;
尚之
付き合ってもないのに?
結衣
子供の頃に約束しちゃったんだ
結衣
けどさすがに時効だよね?
尚之
当前だろ
尚之
悠斗のやつ、結衣につきまといすぎだ
結衣
じゃあスルーしとく
尚之
…てかさ
尚之
俺のこの前の告白の返事、決まった?
結衣
あ…
尚之
いつも悠斗に邪魔されてたけど
尚之
ずっと結衣が好きだったんだぜ?
結衣
…ありがと
尚之
返事まだ時間かかりそう?
結衣
…実はもう決まってるんだ
結衣
私も、つきあいたい
尚之のことは元々いいなと思ってた。 悠斗の手前つきあうのは躊躇ったけど…
結衣
せっかく告白してくれたんだし
結衣
つきあってもいいよね
結衣
初彼氏とか照れるなぁ…
そう浮かれていたものの――
悠斗
尚之と付き合ってるの?
結衣
うん
悠斗
俺との約束は?
結衣
だからそれは時効だってば
悠斗
時効じゃないよ!
悠斗
結衣と結婚したいんだ
結衣
いい加減にしてよ
結衣
今までこんなしつこくなかったじゃん
結衣
なんでそんなに結婚の話してくるの?
悠斗
…結衣は俺と結婚したくないの?
悠斗
俺のこと嫌い?
結衣
嫌いじゃないよ
結衣
でも結婚はそう簡単に決められないって
悠斗
…もう希望はない?
結衣
だって尚之とつきあってるし
悠斗
……わかった
悠斗
でも一つだけお願いがあるんだ
悠斗
昔俺が渡したお守り、まだ持ってる?
結衣
そういえばもらったね
結衣
持ってると思うよ
悠斗
できればそれ、持っててほしい
結衣
まあいいけど…
そして数日後――
母親
ちょっと結衣!
母親
悠斗くんが倒れたって!!
結衣
倒れた!?何で!?
母親
どうも狐の力が弱まってるみたい…
母親
あんた許嫁なんだから看病しにいきなさいよ!
結衣
待ってよ!別に結婚なんてしないし!
結衣
大体今は彼氏いるんだよ?
母親
彼氏?悠斗君以外に?
結衣
そう!なんか文句ある?
母親
信じられない!あんた約束破ったのね!?
母親
今のあんたがあるのは悠斗君のおかげなのに…
結衣
は?どういうこと?
母親
あんたはね、5歳の頃に物の怪に憑りつかれて謎の病にかかったの
母親
お医者さんすらお手上げだった
母親
だから母さん、稲荷神社にお祈りにいったのよ
結衣
…ちょっとまって
結衣
まさか、悠斗が人間に化けてるのって私のせい?
母親
やっぱ忘れてたのね…
母親
悠斗君はね、人間の姿で近くにいて守ってくれてたの
母親
そうやって少しづつ物の怪を取り除いてくれたのよ
結衣
じゃあ…命の恩人ってこと?
母親
そうよ
母親
悠斗君がいなければ今の結衣はいないの
母親
今度は結衣が恩返しする番なのよ
結衣
それが結婚だっていうの?
結衣
でもそんな大事なこと、すぐに決められないし…
母親
何を言ってるの!
母親
だから小さい頃から許嫁だって言い続けてきたんでしょ?
結衣
でもさ…!私と結婚する必要なくない!?
結衣
確かに悠斗にはお世話になったかもしれないけど…
母親
結衣、あのね…
母親
これはそういう簡単な問題じゃないの
結衣
どういうこと…?
母親
もし二人が結婚しなかったら…
母親
悠斗君は死ぬのよ
結衣
悠斗が…死ぬ!?






