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キーンコーンカーンコーン

6時間目の終わりの鐘が鳴った。

普通の生徒ならこの後は部活動だ。

小日向芽依

じゃ、部活行ってくるわ

姫沢咲良

私も

咲野藍

いってらっしゃーい

姫沢咲良

あんたも速く帰るのよ?

咲野藍

はーい

2人は保健室を出て自分たちの部活に行った。

芽依は弓道部へ咲良は手芸部に行った。

かくいう私は部活に入っていないためこのまま下校だ。

咲野藍

じゃ、私もそろそろ行くわ

藤岡知子

わかったわ、気をつけてね

咲野藍

さよなら

速く家に帰りたいので、比較的駆け足で保健室を去った。

外部活の声が頭に響く。

部活なんてやって何になるんだ。

部活仲間なんてただ裏切るためにあるものだろ。

一生懸命頑張って、一緒に戦ったのにすぐ裏切る。

それの何が楽しいんだ?

教えてくれよ、教えてくれよ、教えてくれよ、教えてくれよ、なぁ教えろよ!!

咲野藍

はぁー

やめよう。過去のことを思い出しても嫌になるだけだ。

まっすぐ帰ろう。

成瀬春樹

せーんぱい!

咲野藍

うわっ!!

後輩がいきなり背中を叩いてきてびっくりした。

成瀬春樹

えへへ、びっくりしました?

咲野藍

死ね

成瀬春樹

先輩辛辣〜!

冗談とかではなく本当に死んで欲しい。

成瀬春樹

ま、そんな先輩も好きですけど

咲野藍

黙れ

成瀬春樹

でも先輩の驚いた顔が見えたので全然オッケーです!!

成瀬春樹

超〜可愛かったです!!

咲野藍

はぁ…

うるさいのがきた…

成瀬春樹

ところで先輩一緒に帰りません?

咲野藍

嫌に決まってんだろ

その時ふと頭の中にある一つのことが浮かんできた。

あれ、こいつ部活は?

1年は体験部活が終わってもう入部しているはずだ。

今は部活の時間だ。

それなのになぜこいつはここに?

咲野藍

お前、部活は?

成瀬春樹

入ってないですよ

咲野藍

は?

驚きすぎて間抜けな声が出てしまった。

成瀬春樹

だって先輩が部活入ってないのに入るわけないじゃないですか!

何言ってんだこいつ

成瀬春樹

先輩心配してくれてるんですか!

成瀬春樹

優しい〜!

咲野藍

はぁ〜…もういい加減にしてくれ

そして私はこいつと一緒に帰ることになった。

最悪だ…

一人で帰ろうと思ったのに

後でこいつ殺すか

成瀬春樹

あ、そうだ!

成瀬春樹

先輩に話したいことあったんです!

咲野藍

嫌な予感がする

成瀬春樹

先輩、大好きです。

成瀬春樹

僕と付き合ってください!

咲野藍

やだ

成瀬春樹

即答!

咲野藍

あんたねぇ…私に一回振られてんのよ?

咲野藍

何回言っても同じ結果よ

成瀬春樹

やっぱだめでしたか…

も〜うぜ〜こいつ

成瀬春樹

じゃあ、先輩教えてください

成瀬春樹

なんでさっきあんな怖い顔していたんですか?

明らかに空気が重くなった。

この雰囲気からして「話したいこと」というのはこっちが本命だろう。

さっきというのは多分私が過去のことについて考えてたときか…

そんな顔してたのか?

ってか、顔見るとかキモすぎだろ…

咲野藍

顔見るとかお前キモイな

咲野藍

だから私に振られるんだよ

適当にはぐらかせば大丈夫だろう

成瀬春樹

そうですか…

成瀬春樹

分かりました!

成瀬春樹

これからは先輩に振られないように頑張ります!!

この日の帰り道はなんだか気分が高かった。

久々に誰かと帰ったから気分が高揚しただけで、こいつのおかげではないだろう。

咲野藍

ただいま

あいつと分かれて家に帰ってきた。

今日はどっと疲れた。

速くヘッドに潜りたい

咲野明日香

もうちょっとでご飯できるから待ってなさい

咲野藍

は〜い

お母さんに言われ、自分の部屋で勉強をした。

咲野明日香

ご飯できたわよ〜

咲野藍

はーい

そう言われいつも食事をとるテーブルへと移動する。

そこには色々な美味しいおかずが盛られていた。

咲野藍

いただきます

咲野明日香

いただきま〜す

黙々と食べ続ける。

咲野明日香

最近学校はどうなの?

咲野藍

普通

親には私が保健室に登校していて、ヤンキーをしていることは伝えていない。

私はテストの点数は悪くないので学校では良い子ちゃんだと思われているのだろう。

咲野明日香

そういえば、そろそろ定期テストの時期なんじゃない?

咲野明日香

あなたは家でも勉強しないから頑張りなさいよ

咲野明日香

もっと上目指さないと

咲野明日香

あの子だって去年すべての定期テスト1位だったんでしょ?

咲野明日香

本当、うちの子と変えてもらいたい

咲野藍

うん、そうだね…

私は本当は家でも3時間勉強してるのに…

さっきだって死ぬほど勉強した。

そんなこと言ったってこの人は聞きやしない

努力しても努力しても上には上がいるから努力したって無駄だ。

高校生活で嫌というほど身に沁みてきた。

私が高校の中でどれほど辛い経験をしたのかこの人に言ったって無駄なのだ。

自分の理想や学力を押し付ける人なのだから。

そんなことを考えながら飯を食ったせいか、いつもよりまずかった。

今日の昼は咲良、芽依はいない。

何か用事があるらしい。

咲野藍

はぁ〜…

弁当を広げ、食べようとしたところで箸が止まる。

昨日のことを思い出す。

「テスト期間」というものはこの世で一番嫌いだ。

親から罵詈雑言の数々を浴びせられる。

死ぬほど勉強しても、結果が出なかったら「あなたの努力が足りないせい」などという。

誰も私の努力を認めてくれないのだ。

親のことは咲良、芽依にも言っていない。

私の親事情を知っている人は、この学校に少数しかいない。

咲野藍

もうやだな…

このまま消えてしまいたい

成瀬春樹

何が嫌なんですか?

ま〜た来たよ

嫌なやつが

咲野藍

お前が嫌

成瀬春樹

辛辣〜!!

成瀬春樹

でもそれが本当ならいいんですけどね

こいつの「先輩のことは全てわかってますよ」面がいらつく。

咲野藍

うるせえ

成瀬春樹

先輩のお弁当前から思ってたんですけど、美味しそうですよね〜!

咲野藍

よかったね

成瀬春樹

これ、先輩が作ったんですか?

咲野藍

なんであんたに言わないといけないのよ

実際は自分で冷凍食品を詰めているだけだ。

ある日、母親と喧嘩をして朝起きたら弁当が作られていなかったのだ。

そして母に言われた「もうあなたの弁当は作らないから自分で作って」と。

成瀬春樹

いや、食べたくなっちゃいそうなほど美味しそうなので

成瀬春樹

僕は自分で作ってますけど

意外だ。こいつのことなら母親に頼んでいると思ったのに。

咲野藍

いがい〜あんたのことなら愛しいマンマに頼んでるのかと思った

成瀬春樹

僕だって自分のことは自分でしますよ

成瀬春樹

あと僕そんなにマザコンじゃないんで

成瀬春樹

あと、提案なんですけどそろそろお互い名前で呼び合いません?

咲野藍

無理。

こいつのことを名前で呼ぶとか無理すぎる。

成瀬春樹

僕は「成瀬春樹」という名前です!!

成瀬春樹

先輩のことが大好きでたまらない後輩です!!

成瀬春樹

で、先輩の名前は?

咲野藍

誰が教えるかバーカ

こいつに名前教えるぐらいなら死んでやる。

成瀬春樹

へぇ…「咲野藍」いい名前ですね!!

咲野藍

お前!!なんで知ってるんだこのクソ野郎!!

成瀬春樹

いや、お弁当箱に書いてあったんで

しくった。

兄弟のものと間違えないように書いてあったんだった。

咲野藍

お前名前で読んだら殺すかんな?

成瀬春樹

こわ!!

そういえばこいつに聞きたいことがあったんだった。

咲野藍

1つ聞きたいことあるんだけどさ

成瀬春樹

えぇ!?先輩が僕に!?

咲野藍

なんで私のことが好きなの?

成瀬春樹

なんでって言われても…

咲野藍

私よりいいやつなんて他にもいるじゃん

成瀬春樹

先輩、それ前にも言いましたよね

成瀬春樹

僕が先輩に告白したとき。

成瀬春樹

いくら大好きな先輩でもそれだけは否定させてください

成瀬春樹

僕の中では先輩に勝てる人はいません

成瀬春樹

それくらい僕は先輩に一目惚れしたってことです

咲野藍

意味わからん

成瀬春樹

それより、お弁当食べましょ

咲野藍

まじでどっか行け!!お前と弁当なんて無理に決まってるだろ!!

成瀬春樹

えぇ〜!!いいじゃないですか〜!!

何故かこいつとつるむ時間だけは楽しく感じた。

絶対勘違いだろうけど。

先輩、大好きです。

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