山名先生とデートした 私は、自宅近くまで 送ってもらった。
一都
山名
外出から帰ってきたのか、 コンビニの袋を持った お兄ちゃんが佇んでいて、
山名
架恋
なんだか、怖い顔を している……。
一都
山名
山名先生の疑問に、
お兄ちゃんは不愉快そうに 眉をひそめた。
一都
一都
山名
山名
一都
お兄ちゃんは相変わらず 仏頂面で答えて、
それから私に向かって、 大股で歩み寄ってきた。
一都
架恋
お兄ちゃんは私と 先生の間に割って入り、 そして。
先生から庇うように、 私を背中に隠してしまう。
山名
架恋
あからさまな態度に、 私は先生が気を悪く しないかとハラハラする。
先生はトーンを落とした声で、 こう言った。
山名
山名
架恋
架恋
架恋
山名
山名
架恋
架恋
一都
お兄ちゃんは先生に おやすみではなく、
ぺこりと会釈だけを返した。
一都
架恋
架恋
お兄ちゃんに腕を掴まれ 引っ張られ、私は、
先生の車を見送ることも できずに、
強引に自宅の玄関へと 押し込まれたのだった。
自宅のリビングに入って やっと、
お兄ちゃんに 掴まれていた腕が 開放される。
架恋
架恋
私はお兄ちゃんを睨み付け、 抗議する。
架恋
架恋
一都
お兄ちゃんも不機嫌を露に 私を睨み付け、言った。
架恋
架恋
一都
一都
一都
架恋
架恋
架恋
架恋
一都
一都
架恋
架恋
一都
一都
架恋
一都
架恋
頭に、カッと血が 昇るのがわかった。
――どうして、いつまでも 先生を悪く言うの……!!
架恋
一都
一都
架恋
架恋
一都
架恋
架恋
架恋
お兄ちゃんは瞳を 大きく見開いた。
架恋
その眼にはギラギラと 怖いくらいの 怒りが宿っていて、
私はぎくりと肩を震わせる。
架恋
一都
一都
お兄ちゃんは低い声で、 唸るように絞り出す。
架恋
架恋
お兄ちゃんが勢いよく 腕を伸ばしてきて、
私は手首を 強く掴まれてしまう。
……その時何が起こったのか、 すぐにはわからなかった。
架恋
ただ、視界が反転して――
気付いたとき、私は、 背中に硬い感触を 感じていた。
一都
目の前には、お兄ちゃんの 怒った顔。
そして、その上には…… リビングの天井。
背中の硬い感触は――、 テーブルだった。
架恋
一都
架恋
……私、お兄ちゃんに……、
――お兄ちゃんに、 押し倒されている――……。
……そう、気付いてなお、 どこかまだ、
現実味を感じることが できなかった。
一都
架恋
一都
一都
架恋
私は大きく瞳を見開いた。
――まさか……
一都
一都
全身から、血の気が 引いてゆくのがわかった。
――お兄ちゃんは、 本気で怒ってる……。
一都
お兄ちゃんが 低い声で吠えて、 そして、
首筋に、噛みつくような キスをされた。
架恋
私の首すじを、 お兄ちゃんのくちびるが 乱暴に滑ってゆく。
制服のタイを引きちぎる ようにして外され、そして。
架恋
架恋
お兄ちゃんの指が、 私のシャツのボタンを 外してゆく。
少し自由になった腕を 一心不乱に動かし、私は……
架恋
思いっきり、 爪で引っ掻いた。
一都
一都
慌てたように お兄ちゃんが身を引いて、
テーブルに押し付けられ ていた体が開放される。
私は必死に身を捩って、 テーブルとお兄ちゃんの 間から逃げ出した。
一都
部屋の隅まで逃げて、 ようやくお兄ちゃんの ほうを振り返る。
……お兄ちゃんは 頬に手を当て、俯いていて、
架恋
架恋
一都
お兄ちゃんがゆっくりと 顔を上げて、
頬を覆った手のひらがずらされる。
その頬には、
しっかりと三本の 赤い傷が走り、
血が滴っている……。
架恋
一都
お兄ちゃんは黙って、 私から目線を逸らした。
――私は、ただ……
ただ思いつく限りの 罵詈雑言を口にして、
自らを奮い立たせる しかなかった。
架恋
架恋
架恋
叫びながら、勢いをつけて 室内を走り抜ける。
そうでもしなければ、 そのままその場で固まって しまいそうだった。
架恋
私は涙が溢れてしまうのを 抑えることもできず、
リビングを飛び出し、 自分の部屋へと駆け込んだ。
そして、急いで ドアに鍵をかけ、
ベッドに潜り込み、
両方の手のひらで耳を塞ぎ、
そして何も――
何も、聞こえない ようにした……。
一都
一都
一都
一都
コメント
16件
凄く上手です!頑張って下さい
お兄ちゃん頑張って…