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Bルート
秋斗
秋斗
俺は電柱の裏に身を隠した
ここなら とりあえずは安全そうだ
秋斗
秋斗
秋斗
ヒュー、ヒュー
ヒュー、ヒュー
秋斗
俺は手で口を押さえた
音は止まらず ずっと聞こえてきている
俺は耳に全神経を集中した
秋斗
ヒュー、ヒュー
ヒュー、ヒュー
ヒュー、ヒュー
ヒュー、ヒュー
ヒュー、ヒュ……
秋斗
音が止まった
頭を振っている動きで 階段はガタガタいっている
しかしそのおかげで 女の位置は常にこちら側からわかった
確かに あのボロ家の方向に女はいる
しかし 何故か呼吸を止めている
秋斗
秋斗
秋斗
何か
秋斗
遠くで聞こえた
カーンカーン カーンカーン
ほんの僅かに音がする
耳を澄ます
カーンカーン カーンカーン
これは
秋斗
秋斗
秋斗
電柱から半身を出す
女の方を見ると
こちらを一切気にせず 消防車の音に反応している
もう、頭も振ってはいない
階段がガタガタ言っているのは 震えていたからだ
これは……
秋斗
秋斗
俺は全速力で走った
消防車の音が止まないうちに とにかく走る
街にめがけて!!
秋斗
秋斗
……
秋斗
秋斗
気付けば俺は あの住宅街に逸れる前の道に出ていた
辺りを見回しても 何も変わらない普通の街だ
おばあさんが 家の前をほうきではいている
秋斗
秋斗
遠くで消防車の音がする
カーンカーン カーンカーン
そしてやがて聞こえなくなり どこかへ行ってしまった
秋斗
秋斗
脇道を見る
しかし もう行く勇気はない
秋斗
おばあさん
秋斗
ほうきを持ったおばあさんが 掃除をやめて話しかけてきた
俺はその言葉を聞いて 自分がどこにいるのかを確認した
すると 道路の真ん中に立っている
危うく 交通事故で死んでしまうところだった
秋斗
おばあさん
秋斗
俺は今起きたことを全て話した
秋斗
おばあさん
秋斗
おばあさん
秋斗
おばあさん
おばあさん
秋斗
おばあさん
おばあさん
秋斗
おばあさん
秋斗
おばあさん
おばあさん
おばあさん
秋斗
おばあさん
秋斗
おばあさん
秋斗
ちらりとあの道を見る
ヒュー、ヒュー
ヒュー、ヒュー
今にもあの音が聞こえてきそうで
俺は早々に礼をいい 立ち去った
あれからはもう 何も起きていない
あの道も出来るだけ 通らないようにしている
俺はこの経験から 不用意に口を出すこともやめた
オンボロ様……
もしかすると 俺の街だけじゃなくて
街から少し折れると 住宅街がある場所
そんなところに 今も住み着いているのかもしれない
Happy end