テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ー今だけはいいよねー 第4話
俺が小6になった夏。
晴斗
放課後忘れ物を取りに来た俺が見た光景
扉を開けた瞬間目に飛び込んできたのは
窓際に立つ水春の姿だった。
水春
夕陽に照らされる横顔。
薄いオレンジ色の光が 髪の毛の先を透かし、
どこか儚く見える。
水春
晴斗
水春は胸の前で手を組み
外を見つめていた。
外にはオレンジ色の空と 部活で騒がしい音が聞こえる。
晴斗
話しかけようとしたところで 静かな教室の空気を水春が破いた。
水春
晴斗
晴斗がずっと幸せでありますように。
晴斗
水春
確かに彼女はそう呟いた。
俺の鼓動が一瞬止まった気がした。
晴斗
俺は 水春のこの一言を聞いてはいけないと思った
水春
水春は小さく微笑んでいた。
でも その笑みは"楽しい"の笑みではなかった
もっと遠くを見つめるような
誰かに別れを告げるような表情だった。
水春
水春
言葉が突き刺さる
晴斗
晴斗
叫び出しそうになった。
でも声に出なかった。
今 彼女に声をかければ
彼女の何かを壊してしまう気がして。
晴斗
だから俺は黙って後ろ姿を見つめた。
俺は隠れていた。
水春が教室を出るその時まで。
やがて水春はランドセルを背負って 何事もなかったように出ていった。
晴斗
晴斗
残された晴斗は
机の端に手をついて溜息を吐いた。
晴斗
小4から2年間
水春は俺にずっと優しかった。
ただ、 なぜ優しくなったのか
なぜ避けていたのかは 聞いても答えてくれない。
"そんな事もあったっけ" と終わらせてしまう。
胸の奥がとても痛み
辛かった。
晴斗
俺に話してくれよ。
何でも受け入れるから
なぁ…
ただそれが晴斗にとって1番 受け入れ難いものだとはまだ知らない。
晴斗
忘れ物を取りに行っただけだった。
なのにこんな重い気分になるとは。
晴斗
やはり寝れなかった。
最近やけに寝れなくて
寝不足で気分が落ちてる
自分でも自覚するほどだった。
晴斗
─────────
晴斗
水春
晴斗
水春
晴斗
晴斗
水春
"大好きだから"
晴斗
水春
聞こえなかった。
ピーンポーン
晴斗
インターホンの音と共に俺は跳ね起きた
"遅刻するよー!!!"
晴斗
時計を見ると8時を指していた。
晴斗
晴斗
水春
晴斗
晴斗
水春
この場所で何が起きたかはもう
晴斗の中で消えていた。
晴斗
水春
晴斗
水春
晴斗
水春
晴斗
俺は水春のあの時の笑顔を忘れられない。
水春は俺に何かを隠していて
そしてそれはとても大切な事。
晴斗
俺は決意を固めた。
水春
晴斗
夏休み前。俺らは屋上に集まった
水春
晴斗
日海
蓮
…
水春
水春
晴斗
日海
蓮
晴斗
水春
晴斗
日海
晴斗
水春
蓮
日海
蓮
晴斗
水春
蓮
日海
晴斗
水春
晴斗
日海
蓮
水春
晴斗
水春
晴斗
水春
日海
蓮
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!