冷淡なヒーロー最強少女

こうやってね？と言って私の手を取るリサ

私はリサの手を振り払う

確かにリサは10歳にしてすごい学力だったと思う。とにかく読み込みが早かった

高倉家から派生する真壁家だから当たり前なのだけれど

年齢ごとに巨大ヴィランを倒す難易度が上がっていくらしい

10歳になった頃にはもう普通のヒーローでも倒すのに手間かかるくらいのレベルだ

自身が編み込んだ技も使う

リサが出したのはたくさんの鳥。鳥で目くらましをする作戦だ

日頃のストレスをここでぶつけているような感じでもうとっくに以前のような゛苦゛はなくなっていた

バチンとハイタッチをする

そんなとある日ことだ

私達2人だけ上級生の戦闘訓練を見る機会を設けられた

私達より2つ年上の12歳らしい。その人は私達と戦っていたヴィランより何倍もの強そうだ

12歳の人は挙動不審になっている

巨大すぎるヴィランを見てすぐさま逃げようとする12歳の人。きっと自分では勝てないだろうと悟ったのだろう

確かにヴィランの圧は今までにないほどだった

公安委員会の監視官らは不敵な笑みを浮かべる

その瞬間だ

嫌な音が響き渡る

目の前の血の海にリサは悲鳴を上げる

ヴィランは12歳の人を殺した

まるで本物のヴィランのように

なんとも無惨な考えだ

ホークスは合格したのだろうか

ありえない。こんなの訓練じゃなかったのか

私達は死ぬために戦闘訓練を行ってきたってこと？

確実なんてどうでもいい

そもそも確実な人間なんて存在しない

リサは絶対「殺してやろうよ」じゃなくて「見返してやろうよ」と言った。

こんな地獄のような訓練をさせられて「殺意」が湧いていないのだ

これがヒーロー脳ってやつか