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第1話 - 接客業

2025年02月27日

#ホラー？

雨天

あなた

ちょっと前に某バーガーチェーン店でバイトしてたときの話

あなた

その日は店内でレジやってて、まあまあお客さんが多かった

あなた

丁度新作が出たばかりなのもあって

あなた

コピペみたいな注文が続くなあ、なんて思いつつちょっとだけ気が抜けてて

あなた

それで、何人目かのお客さんに「いらっしゃいませこんにちはー」って声をかけて気付いた

あなた

なんかこのお客さん、分かりづらいけどちょっとずつ首が傾いてってるなあって

あなた

自分の意思で傾けてるというより、重力に負けて、重さで下に落ちざるを得ない、みたいな様子だった

あなた

首でも寝違えてんのかなって思ったけど、それにしてはなんか違和感があるし

あなた

まあ良いやって思って「ご注文はお決まりですか？」って言った

あなた

瞬間、今まで緩やかだったのに、急にぐん、って首が傾いた。ゴキッて音が響いて、今度は無理に横方向に捻り始めた

あなた

子供がむちゃくちゃに扱った人形みたいに、首が捻じれてて傾いてて。明らかに人の可動域なんてとうに超えてて、なのに、ゴキゴキと骨が折れる音は止まらない

あなた

その音に混じってなんか別の音がしてて、なんだろうって、こんな変な状況なのに何故かそのときの私はそこに意識が向いてた

あなた

今思うと頭がおかしい

あなた

混じってた音は、声だった

あなた

よく見るとお客さんの口が動いてて、ずっと

あなた

「よしこさんよしこさんよしこさんよしこさんよしこさんよしこさんよしこさんよしこさんよしこさん」

あなた

って言ってた

あなた

はやく逃げてバイトブッチして帰れ案件なんだけど、そのときの私はこいつのことをちょっと特殊なお客さんだな、とか思ってた

あなた

ちょっと？？？？？

あなた

なんとなく、ああ、消えたんだなって思って、厨房の方に
「ご注文よしこさんでーす」とか言った

あなた

消えた？？？　
なにが？？？？常識？？

あなた

ちなみに、始めの前置きのように、私のバイト先はバーガーチェーン店であって家系ラーメンではない

あなた

なので大声で注文を伝えるなんてことはなくて、普通はレジを打って会計を済ませたら厨房にあるモニターに注文内容が表示される

あなた

なのにこの時はそうするのが自然だと思ってた

あなた

は？？？？意味わからん

あなた

ちらっと見えた厨房には誰もいなくて、なのに私は
「もうちょっとでよしこさん出来るなあ」とか考えていた

あなた

そうして待っていたらいきなり目の前の首捻じれカスタマーが消えた

あなた

ばちゅ、とぶち、の中間くらいの音を出して跡形もなく消えた

あなた

そいつが消えたと同時に、うとうとしてた時に大きな音ではっ、となるみたいな感じで、今まで薄ぼんやりとしていた意識が急に覚醒した

あなた

気付いたらお客さんが結構並んでて、やばいマネージャーに怒られる、と真っ先に思った

あなた

そこじゃないだろ

あなた

幸い、並んでたお客さんの先頭が幼馴染のAくんだったのでクレームは入れられなかった

あなた

かなり待たされてた様子だったのにいつも通り鉄のような無表情のAくんだけは割とはっきり覚えてる

あなた

その後、仕事中にぼーっとするなとマネージャーからしっかり怒られた

あなた

正論すぎて言い返せない

あなた

それから2週間くらい経って、キリがいいからってことでバイトを辞めて、それっきり

あなた

なんで今更半年くらい前の話をし始めたかというと

あなた

昨日Aくんが

あなた

「あなたが半年程前に働いていた所、新しくアルバイトを雇ったらしい。確か、⬛︎⬛︎よしこさん、という名前だったか」

あなた

って言い出したから

あなた

苗字はなんか聞き取れなかった

あなた

というか、なんでAくんはそれを知ってるの

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雨天

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