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勝手に自分は孤独なんだと そう決めつけていた
本当の僕の傍には僕しかいないんだと
そうやって自分の首を絞めていた
でも違った
紘時は僕にそう教えてくれた
真っ直ぐな瞳で
信じてくれ
そう言った
いつもの解けた顔で笑うことはなかった
それは紘時が僕を信じてるから
ただひたすらに。
僕を知りたいと思っているから
だから僕はそんな紘時を
信じようと思う
ただひたすらに。
今はこれでいい
そうして僕は眠りについた
第2話 行方知らず
今日は何となく少し前向きな 気持ちでいられる
恵
憧埜
恵
憧埜
恵
憧埜
憧埜
恵
恵
憧埜
恵
憧埜
憧埜
恵
2人は互いに違う方向に足を進めた
涼しい風が髪と肌をすり抜けていく
そしてこの足が地を掴む感覚
やっぱり今日も
僕は生きてるらしい
結空
憧埜
結空
憧埜
結空
結空
憧埜
憧埜
結空
憧埜
結空
憧埜
憧埜
結空
憧埜
結空は拳を憧埜に差し出した
憧埜はゆっくりと自分の拳を差し出した
すると結空は拳を翻した
結空
憧埜
結空
憧埜
結空
憧埜
結空
憧埜
結空
憧埜
憧埜は優しく笑顔を浮かべた
憧埜
結空
行方知らずのあの雲は空を泳ぎ 続けている
風に身を任せながら
澄
憧埜
憧埜
澄
澄
憧埜
憧埜
澄
澄
憧埜
澄
憧埜
憧埜
憧埜
澄
澄
憧埜
澄は少し笑ってから振り返った
恵
憧埜
憧埜
少しずつでいい
着実に前に足を進めていく
未来の自分に恥じないようなそんな 現在を創る
でも少しは
辛くなってもいい
悲しくなっても
寂しくなっても
自分が分からなくなっても
それでもいい
あくまでそれは過程だ
辿り着いた先で好きな自分になればいい
好きな自分を生きればいい
今はそう思っていたい
憧埜
靴紐を強く締めて立ち上がる
憧埜
春紀
憧埜
春紀
春紀
憧埜
紘時
憧埜
紘時
春紀
恵
風が強く背中を押している
今日の自分は
きっと及第点以上だ
恵
恵
勢いよく地面を蹴っていく
背中を押していた強い風は
いつの間にか逆行していた
それでも強く進んでいく
紘時
憧埜
紘時
憧埜
紘時
紘時
憧埜
少し嬉しくなって顔を逸らした
憧埜
紘時
2人は少し間を空けてから笑いあった
今日の自分はまるで昨日とは 違っていた
それはきっと孤独でないと知ったから
そう教えてくれたから
漠然とした未来は
ずっと目の前に拡がっている
どこへ往くかなんて分からない
未来はいつだって
行方知らずだ
紘時
憧埜
今日の夜はきっと
明けるのを躊躇ってくれないだろう
むしろ今日はそれがいい
紘時
憧埜
目を開くと部屋の中は柔らかい光に 満ちていた
少し憂鬱だけど
立ち上がってドアノブに手をかけた
憧埜
母
母
憧埜
急に母は僕の目を睨んだ
母
憧埜
一筋の涙が頬を滑る
手でそれをゆっくり拭った後 何も言えずにいた
憧埜
憧埜
最近の朝はずっとこんな感じだ
気がついたら泣いている
そして時々脳に宿る
正体不明の記憶
?
?
憧埜
?
憧埜
憧埜
憧埜
手には何故か強く力が篭っていた
?
憧埜
?
?
?
その言葉でわかってしまった
もう元には戻れないと
憧埜
憧埜
ただ胸が苦しかった
垣間見える結末に
既に涙が溢れそうだった
?
その口が開いた瞬間
それと同時に心に大きな穴が空いた
?
張り詰める空気が漂う
?
憧埜
呼吸が浅くなった
強い拒絶が胸を締め付けた
そして終止符が強く押し付けられる
?
?
鋭利な鋏で切られたような
そんな終わり方
もう涙は止められなかった
憧埜
憧埜
?
膝に伏して涙を流す1人
そしてその横で
どうすることも出来ない1人
その2人は
たった今引き裂かれてしまった
憧埜
苦く残る胸の痛みが足を鈍くさせる
よく分からない夢なのか
それとも僕が覚えていないだけの 1つの記憶なのか
皆目検討もつかない
零
憧埜
零
憧埜
零
憧埜
零
憧埜
零
零
憧埜
そして一瞬で走り去っていった
忙しない感情が朝を彩りながら
朝日を背にして歩いていた
顧問
皆
大会前日
少し空気がピリついている
恵
憧埜
恵
憧埜
憧埜
恵
憧埜
恵
憧埜
紘時
憧埜
紘時
恵
紘時
恵
憧埜
紘時
そんな他愛のない話で笑いあっていた
澄
春紀
春紀
澄
春紀
澄
春紀
澄
温かさを帯びた北風がこの地を踏みしめる全員の髪をなびかせている
明日の空はきっと
晴れるんだろう
何の根拠もないことをただぼんやりと
思い浮かべていた