主
どうも主です!
主
それでは!いってらっしゃぁぁい!
天音
(うちの名前は天羽天音)
天音
(事務仕事を行う天羽組の武闘派だ)
天音
(先日舎弟の恋羽がルタメシアと敵対する日向寺組の幹部、南條龍瓜に殺された)
天音
(相討ちだった)
天音
(その後すぐに葬式が行われ恋羽は弔われた)
天音
(やっぱり風花、元気ないな...)
天音
(あまり喋らなくなったし、ご飯も少ししか食べれなくなってる....)
天音
(...当たり前か)
天音
(自分の姉、唯一無二の存在だもんな...)
天音
(...申し訳なさでいっぱいだ)
天音
(うちがあの時ここに残れと指示していたらきっとこうはならなかった....)
天音
(本当に申し訳ないよ....)
サラッ(三枚の写真を見る)
天音
(この写真はアキラが退院後すぐ、ルタメシア創立幹部メンバーでとった写真だ)
天音
(この写真を見ると思う)
天音
(恋羽はきっと「そんなこと気にしてないよ」って言うんだろうなって)
天音
(でも...それでも申し訳なくて....)
天音
(本当に....ッ)
お兄ちゃん
天音ぇ?大丈夫かぁ?
天音
え、あ、お兄ちゃん...!?
お兄ちゃん
あんま無理しすぎんなよ
お兄ちゃん
俺らはすぐ分かるからな
天音
そう、だよね
天音
ごめん、でも、大丈夫だよ
天音
今は踏ん張り時だから少しでも無理しないと....
お兄ちゃん
一人で背負おうとすんなよ
お兄ちゃん
天音はもう一人じゃない
天音
....うん、ありがとう
天音
でもここだけは無理させ...
お兄ちゃん
話聞いてたか?
天音
スミマセン
お兄ちゃん
まぁ、天音が頑張りたいなら俺はそれ応援するし
お兄ちゃん
何か困ったら頼れよ
天音
...!もちろんだよ!
天音
じゃ!行きたいところあるから事務よろしくね~
お兄ちゃん
はぁ?
お兄ちゃん
まぁ、なるべく早く帰ってこいよ
天音
りょーかい!
天音
いってきまーす
お兄ちゃん
いってらー
お兄ちゃん
....
お兄ちゃん
(ん?待てよこれ俺二倍の仕事量やんなきゃ行けねぇのか?)
お兄ちゃん
...帰ってきたら三倍にして返すか
天音
(ん?一瞬悪寒が....)
天音
(気のせいか)
天音
(とりあえず伍代君のとこ行って情報もらってこよう)
天音
(そして、もう一度会いに行こう"私"の母親に)
天音
よっ、伍代君
伍代君
天音ちゃんか、久々だね
天音
そうだね
天音
最近は色々あって色々あったからね~
伍代君
色々多すぎて良く分からないけどまぁ、ルタメシアのことだろう?
天音
流石
天音
まぁ、今日はルタのことじゃないよ
伍代君
じゃあ、君の母親についてかい?
天音
何で知ってるの!?
伍代君
情報で回ってきたからね
天音
いや、もうすごいを越えて怖いよ...
伍代君
良く言われるよ
天音
言われんだ
伍代君
まぁ、さておき何故知りたいんだい?
伍代君
母親と接触でもしたとしか考えようがないんだけど?
天音
何故...友達が母親に言われたらしい
天音
「私の子と話したい」って
伍代君
なるほどね
天音
まぁ、ただ何で"私"が本当の子供って知っているのか不思議だけどね
伍代君
そうだね
伍代君
まぁ、会ってみるのが良いと思うよ
スッ(紙を渡す)
天音
そんなさらっと出てくるもん!?
伍代君
ああ、この件は少し面白そうだからね
伍代君
天音ちゃんの個人情報も少し知れそうだし
天音
やめてほしいわ....
天音
まぁ、伍代君はバラさないって知ってるし
伍代君
情報でほしいって言われたらどうするか分からないけどね
天音
...それは仕事だから仕方ないけど多分殺すわ
伍代君
まぁ、だよね
伍代君
なるべく厄介事は避けたいところだよ
天音
うちとしてもね
天音
じゃ、また頼むね
天音
じゃーね
伍代君
(やっぱり天音ちゃんの情報は持ってても渡せないや....)
伍代君
(あのオーラは一般人でも分かるヤバさ)
伍代君
(しかし逸材と呼ばれた殺し屋の情報、どう処分するか....)
天音
(ここのスーパーの店員か....)
天音
あ、すみません
店長さん
はい?どうされましたか?
天音
ここのお店に伏見愛さんっていますか?
店長さん
はい、働いてますけど....
店長さん
何かご用ですか?
天音
あ、はい少し...
店長さん
すぐお呼びしますね
天音
ありがとうございます
店長さん
伏見さんこの子この子
伏見 愛
はい、私が伏見愛ですけど....
伏見 愛
あ、この子私の親戚の子です
店長さん
あ、そうなの?
伏見 愛
はい、ちょっと事情があるみたいなので早上がりしても良いですか?
店長さん
ああ、もちろんだよ
伏見 愛
じゃあ、失礼します
天音
....
伏見 愛
フフッ君がここまで来てくれるなんて思ってなかったよ
天音
そうですか
伏見 愛
まぁ、少し人気のないところでお話ししよう
伏見 愛
それにしても良くここまでたどり着けたね
天音
ナメないでください
天音
ただで殺し屋やってた訳じゃありませんから
伏見 愛
フフッそれもそうだな
伏見 愛
まぁ、本題に入ろう
伏見 愛
まず君はどうしてここに来たんだい?
天音
貴方が"私"と話したいと言うからでしょう?
伏見 愛
青薔薇からかい?
天音
さぁ?どうでしょう
伏見 愛
まぁ、別に構わない
天音
それで、何を話したかったんです?
伏見 愛
私達の事をどう思っているかだよ
伏見 愛
君を裏社会に置いていった側だ
伏見 愛
君は私たちを見てどう思った?
天音
別にどうも思わなかったって言うのが答えですかね
天音
"私"は今、別の人間として暮らしてますから関係ないです
伏見 愛
そうかい
伏見 愛
まぁ、それならいいんだ
天音
それで話は終わりですか?
天音
別に貴方のことはどうも思ってないのでそれだけなら帰っても良いですよね?
伏見 愛
まぁまぁ、そんなに急がなくてもいいだろう
伏見 愛
久々の再開だ
伏見 愛
もう少しだけ話さないか?
天音
....別に構いませんけど
伏見 愛
良かった
伏見 愛
なら少し私の話を聞いてくれ
伏見 愛
私には妹がいたんだ
伏見 愛
それも君に良く似たね
伏見 愛
でもその子は子供を産んで死んでしまったんだ
伏見 愛
その子の墓がここだ
天音
.....
伏見 愛
君には私の妹の意思をついでほしいんだ
天音
"私"は貴方の妹さんじゃ.....
伏見 愛
妹は「幸せになりたい」と言っていた
伏見 愛
それが叶ったのかは分からない
伏見 愛
だから、その分君に...."幸せになってほしいんだ"
天音
....!
天音
幸せに....?
伏見 愛
ああ、私はとあるやつの情報で取り違えが起きていたことを知った
伏見 愛
でも私は君が来たとき対応できなかった
伏見 愛
でも今回来てくれて...分かったんだ
伏見 愛
本当の子はここまで愛らしいんだって....
天音
....そうですか
天音
でも"私"はもう貴方の子ではない
天音
私は別の里親のところで暮らして、兄弟も沢山いて毎日楽しいから....だから
伏見 愛
フフッ分かってるよ
伏見 愛
君をその人達と引き剥がそうなんて思ってない
伏見 愛
ただ一人近づいたら危ないやつがいるんだ
伏見 愛
それが....
ブゥゥゥゥンッ
伏見 悠生
愛~、帰るぞ
伏見 悠生
って、その子は?
伏見 愛
知り合いの子だ
伏見 悠生
....?
伏見 愛
この性格で話している時点で察してくれ
伏見 悠生
分かった、だがもう子供が待ちきれないって言ってるからすぐ行くぞ
伏見 愛
ああ
伏見 愛
とりあえず、君はすごい遺伝子だ
伏見 愛
私は元ドールの最強だったし
伏見 愛
私の夫は神桜一族直属の頭脳派の殺し屋
伏見 愛
君にはそれだけの才能はある
伏見 愛
だが、それをどう生かすかは君次第だ
伏見 愛
頼んだよ
天音
あ、、はい
伏見 愛
じゃあね
伏見 愛
幸せになれよ
天音
(...幸せに、か)
天音
(親がそう思うのはきっと普通のこと....)
天音
(姐さんだって良く言ってくれる)
天音
(でも..."私"にとって「幸せ」はすごく特別で...)
天音
(ありふれた言葉でも私の過去の思いを掘り返すのには十分な言葉だった)
天音
(「幸せ」を願うことも知ることもできなかった幼少期)
天音
(「幸せ」を知っても願うことはできなかった殺し屋時代)
天音
(他人の「幸せ」のために自分の「幸せ」を諦めてしまった今)
天音
(「幸せ」の定義は人それぞれ、なら今の私も幸せ)
天音
(天羽組として戦える、ルタメシアのボスとして戦える今が一番「幸せ」)
天音
(妹さんの夢は叶えられたかな....?)
天音
(きっとこれが正解なんだよね)
???
その「幸せ」は他人の人生すら壊してしまうかもしれない
???
きっと彼女はその意味に気づいていない
???
だから、あれほど会うなと言ったのに
???
まぁ、まだまだ計画は始まったばかり
???
しばらくは様子見かしらね?
主
はい!おかえりなさい!
主
それでは!ばいちゃ!







