夏樹
はぁ、
夏樹
このまえ、いもうとができた...
夏樹
いもうとうまれてから
夏樹
アタシひとりぼっち
お母さん
夏樹??
お母さん
おつかい行ってくれない?
夏樹
ヤダ
お母さん
なんで?
お母さん
毎週行ってくれてるじゃない
お母さん
用事があるのかしら
夏樹
ちがうけど....
夏樹
ナツキおつかいできないもん!!
お母さん
え?今まで普通に出来ていたじゃないの
夏樹
おつかいできないの!
お母さん
出来ないって...
妹
オンギャァ!
お母さん
あ、ごめんね愛菜
お母さん
もう好きにしなさい
お母さん
お小遣い減らしますからね!
夏樹
...いいもん!
お父さん
夏樹?
お父さん
最近言う事聞いてくれないらしいじゃないか
お父さん
それにこんなに部屋を散らかして...片付けたらどうだ?
夏樹
ナツキできない!
夏樹
おかたづけできないもん!!
夏樹
お父さんやって!
お父さん
何を言っているんだ
お父さん
いつも片付けられていただろう
夏樹
もうできないの!
お父さん
もういい、パパが片付けるよ
夏樹
...
愛菜
おかあさん
愛菜
しゅくだいおわったよ
お母さん
へぇ
お母さん
綺麗に書けているじゃない
お父さん
お前は本当にいい子だよ
愛菜
えへへ
夏樹
お母さん
夏樹
あの...
夏樹
宿題終わった
お母さん
どれどれ
お母さん
...ここ間違えてるじゃないの
お父さん
お前もう6年生だろ
お父さん
これくらい分かるようにしなさい
夏樹
だって...
お母さん
言い訳は要らないわ、
夏樹
...私
夏樹
...出来ないもん
愛菜
ねぇねぇ!
愛菜
私、○○中学校受かったよ!
お母さん
良かったじゃないの!
お父さん
今日はお祝いだなぁ
お母さん
あ、それ良いわねぇ
お母さん
じゃあ今日はご馳走作っちゃう
お父さん
夏樹も賛成だよな?
夏樹
あっ、うん!
お母さん
それじゃあ今日は愛菜の大好きなハンバーグよ!
愛菜
やったあ!
夏樹
(はぁ、○○中学校って私が一生懸命勉強したけど)
夏樹
(受からなかった学校じゃないの)
夏樹
(なんで私じゃ無くて愛菜が...)
夏樹
はぁ
凛
どうしたの、そんなこの世の終わりみたいな顔して
夏樹
愛菜が羨ましい
凛
そうか😅
凛
あっ!
夏樹
どうした?
凛
私良い考え知ってるよ
夏樹
どんなの??
凛
妬み様って知ってる?
夏樹
何ソレ??
凛
嫉妬心を抱いている人を懲らしめてくれる幽霊?的な何か
夏樹
的なって何よww
凛
正体が謎なんだよねw
夏樹
で、その人にはどうやって会うの??
凛
まず手紙で妬み様に手紙を書くの、
夏樹
どんな内容の手紙?
凛
妬んでいる相手の事を出来るだけ沢山書くの、「好きな人取られた」とか「いつも注目浴びててムカつく」とか
夏樹
それで?
凛
そしたらその手紙を封筒に入れて封筒に「妬み様」って赤い文字で書いて寝る前に枕の下に置くの。そしたらメールで返事が来るから
夏樹
へぇ
夏樹
それ良いじゃん!
凛
けど一つ注意が必要、
夏樹
注意?
凛
相手を反省させてくれる代わりにその代償は大きい。
夏樹
代償ってどんなの?
凛
分からない、
夏樹
マジかw
夏樹
取り敢えず参考にするよ、ありがとう😊
凛
いえいえw
夏樹
そう言えば..
夏樹
今日は愛菜の誕生日だったな
夏樹
よし!いつまでも機嫌損ねていたらダメだよね!
夏樹
今日は愛菜のためにケーキ作ってあげよう
夏樹
頑張ろう
三時間後
夏樹
あっ、愛菜帰ってきた
愛菜
ただいま〜
夏樹
おかえり!
愛菜
あっ...
夏樹
今日は愛菜のためにケーキ作ったよ!
夏樹
喜んでもらえた?
愛菜
ごめん
夏樹
え?
愛菜
私今日友達と誕生日パーティーに行く予定だったんだ...
夏樹
...?
夏樹
じ、じゃあさぁ
夏樹
せめてケーキだけで良いから...
愛菜
ごめん、もう時間無い
夏樹
愛菜....
夏樹
私決めた...
夏樹
手紙はこれで良いよね
夏樹
後はこれを枕の下に置くだけ
夏樹
...上手くいくと良いけど
1時間後
夏樹
...あれ?
夏樹
何このアカウント
夏樹
「妬み様」...もしかして...
妬み様
貴方ですか?
妬み様
手紙を送ったのは
夏樹
は、はい
妬み様
妬んでいるのは「中谷 愛菜」でいいですね?
夏樹
間違いありません...
夏樹
あの..まさか殺すなんて事ないですよね?
妬み様
心配要りません
妬み様
ただ反省させるだけであり、殺したり傷付けたりしません。
妬み様
しかし反省させるのでしたら
妬み様
貴方にはそれなりに代償を払って貰います
夏樹
私は命だって賭けれます
妬み様
命?
妬み様
そんな怖い事しませんよ
夏樹
え?
妬み様
私はこう言うので命を取らない主義ですから
夏樹
本当ですか?!
妬み様
はい
夏樹
良かった!
夏樹
それじゃあよろしくお願いします
妬み様
かしこまりました
妬み様
...
妬み様
まぁ「命」は、取りませんけどね...
愛菜
あれから私はパーティーを楽しんだ
友人
いやぁ楽しかったね!
友人
それなww
友人
そうだ!カラオケ行かない?
友人
いいね!
友人
愛菜も行くよね?
愛菜
もちろん...?
愛菜
その時、私の頭の中で誰かの声が聞こえた
妬み様
...家に行け
愛菜
...誰?
妬み様
...家に行け
愛菜
その声は私の頭の中に何度もよぎった
友人
愛菜?
愛菜
ごめん、アタシ家に帰るわ
友人
なーんだ
友人
まぁ門限とかあるんでしょ
友人
それもそうだね
愛菜
私は全力で走った
愛菜
ただひたすら走り続けた
愛菜
そして家に着いた
愛菜
ハァ、ハァ...
愛菜
そこには姉の作ったケーキとその横に手紙が置いてあった
愛菜
なんだろう...
夏樹
愛菜ヘ
誕生日おめでとう。一つ謝りたい事があるの。実は私、貴方を産まれてきた頃からずっと羨ましがっていた。
けど私気付いたの、なんだかんだ言って私は愛菜の事大切に思っていたんだって、妹ができるのを知った時凄い嬉しかったもん。だから私は今回ケーキ作りました。
誕生日おめでとう。一つ謝りたい事があるの。実は私、貴方を産まれてきた頃からずっと羨ましがっていた。
けど私気付いたの、なんだかんだ言って私は愛菜の事大切に思っていたんだって、妹ができるのを知った時凄い嬉しかったもん。だから私は今回ケーキ作りました。
夏樹
愛菜、
夏樹
一緒にいてくれてありがとう。
お姉ちゃんより。
お姉ちゃんより。
愛菜
お姉ちゃん...
愛菜
私は涙が込み上げてきた
愛菜
それなのに私あんなことを...
愛菜
謝らなくっちゃ!
愛菜
お姉ちゃんはきっとこの部屋に...
愛菜
私はドアを開けた
愛菜
お姉ちゃん!
愛菜
今日はごめん、あんな酷い事して...
愛菜
だから私謝りたくて...
愛菜
ごめん!お姉ちゃん!!
夏樹
...あぅ?
愛菜
...え?
夏樹
だぁだぁ!
愛菜
どうしたの?
夏樹
うぅ?
愛菜
いや、
愛菜
だからごめんって...
夏樹
あ〜
愛菜
お姉ちゃん?!
あれから夏樹は精神科に連れて行かれましたが、二度と元の夏樹には戻りませんでした。 それでも愛菜は夏樹が戻ると信じて今も夏樹の介護をしています。
妬み様
どうやら夏樹さんは「赤ちゃん帰り」してしまったようですね。
妬み様
ほらね?
妬み様
「命」は、取らなかっでしょう?