ななもりside
黄神
あれ?なーくん?どうしてここに?
紫央
え、るぅとくん!?
さとみくんの家のリビングにある椅子に座ってるとさとみくんが部屋から降りてくる。
その後ろから何故かついて来たるぅとくんがきょとんとした顔でこちらをのぞき込んだ。
黄神
僕、さとみくんと人〇ゲームしようと思って、丁度いいや、なーくんもしましょう!
紫央
、、ううん、もう夜だし遠慮しとく。どうせ明日皆でやることになると思うし
桃谷
賢明な判断だ、なーくん。るぅとは運良すぎるからフルボッコにされるぞ←
黄神
はい?
一気に喧嘩ムードに入る2人を宥め、立ち上がる。
紫央
ちょっと今日はお母さんに頼まれたお土産をお姉さん(さとみ母)に届けただけだし、、
桃谷
おばさん(ななもり母)どっか行ってきたん?
紫央
うん、近所の人たちと温泉に。この後るぅとくんのお母さんに届けようと思ってたんだけど、、
黄神
あー、今日は止めといたほうが、、
俺の言葉に気まずそうに目線を逸らするぅとくん。もう慣れたことだ。一瞬で察しがついた。
紫央
、、今日家に電気がついてなかったのはそういう事ね
黄神
うん、、ちょっと軽くテーブル壊した
テーブルを壊すことを”軽く”なんて言ったらダメな気がするが、それ程今までたくさん壊したという事。
黄神
お母さん落ち着いて来たんだけどね、、病院の先生も「治って来てる」って。多分完治する前の暴れだと思う
よく見ればるぅとくんの細い腕に痣が残っていた。
、、るぅとくんのお母さんは鬱気味。
子供、、るぅとくんを産んで、育児に疲れて病んでしまった。
でもるぅとくんと優しい旦那さんの功労より、少しづつ落ち着いてきたのだ。
中学に入るときには、普段の優しい性格をしたお母さんになれていた。
でも暴れるときは暴れて。
るぅとくんも多少のけがを負うことがある。
、、彼のお母さんは、彼を殴らない。
痣はお母さんが暴れた時の流れ弾みたいなものだから数日で治る軽いもの。
でも、やっぱり精神的に深い傷をつけたことに変わりはないと思うけど。
そして最近、俺はお母さんにばったり会った。
本当に落ち着いていて、髪もきれいに整っていて。
るぅとくんや旦那さんに買ってあげたものを手一杯もっていて。
やっと。前を向きだした。
るぅとくんみたいに。仮面をはがして。