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コメント
6件
番外編!!めっちゃ嬉しいです!ありがとうございます続きが気になる...です...
♡500押した!💓😆
12月24日
世の恋人達の特大イベント
そう、クリスマスである
クリスマスまで残り1週間となった今日
華やかに彩る街を眺めながら
俺、花守 健(はなもり たける)は
駅前の大きなケヤキの木のベンチに座り
独り寂しく項垂れていた
花守 健
花守 健
溜め息を吐く度に肩が重くなる
何故こんなにも気落ちしてるのかって?
それは...
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
花守 健
花守 健
12月5日
学校帰りに俺の部屋に寄った冬弥は
ベッドに全身を預けながらポソリと呟いた
この内容を口にするのはこれが初めてじゃない
付き合い始めてからもうすぐ半年
俺と冬弥はいまだに"お外デート"が出来ずにいた
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
花守 健
可愛い...ッ
控えめに垂れた眉が可愛くて
俺の心がキュンと鳴いてしまった
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
花守 健
冬弥が俺を見てニヤニヤと笑う
あ、まさか...
バッと着ていたシャツの袖を捲る
花守 健
予想通り、そこには花が咲いていた
恋心に反応するこの花は
『ラブフラワー』とゆう奇病だ
冬弥と両想いになった今
この花を隠す理由に変化があった
花守 健
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
好きとゆう気持ちが目に見えて分かる
ってのは前から変わらず、少し恥ずかしい
ただ、今はそれだけじゃなくて
冬弥に対して性的な気持ちを持っている
それがバレるのがかなり恥ずかしかった
割といつも思ってるし
大体、冬弥が可愛いのが悪い...
花守 健
花守 健
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
そーゆーとこよなぁっ!
目に見えない所でいくつか花が咲いたな
と、確認しなくても分かる
冬弥は俺の前で花を隠したりしない
むしろ見せてきたりする
男らしいんだか、アホ可愛いんだか
花守 健
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
花守 健
そーゆーとこぉっ!
付き合って半年
健康な男子高校生が、外にも出ずにお家デートばっかしてたら
そりゃ、そーゆー雰囲気になるし
そーゆー事にもなる
初めて体を重ねたのが3ヶ月前
その一線を超えてから、冬弥は前より素直に
...とゆうか男らしくなった
冬弥は体を起こし、俺の背中にもたれるようにして座った
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
花守 健
決して冬弥との関係が恥ずかしい訳じゃない
けど、やっぱり公言するのは怖い
何よりも冬弥に被害が及んだらと思うと
中々周りには言い出せなかった
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
花守 健
冬弥はクルリと体を反転させ
横からヒョコッと顔を覗かせる
俺も冬弥の背中に体重を預けていたので
支えが無くなり、ボスンとベッドへ倒れてしまった
そんな俺を追う様に、冬弥は俺を上から覗き込む
...顔が近い
水嶋 冬弥
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
花守 健
水嶋 冬弥
花守 健
ーバタンッ!ー
俺の静止の声を耳に留めず
冬弥は元気良く帰って行った
花守 健
花守 健
1度決めたら止められない
楽しい時は人の話を聞かない
相変わらずな幼馴染み兼恋人が出て行った扉を見詰める
デートかぁ...
あー、まずプレゼントか
花守 健
花守 健
色々な悩みに唸りながらも
俺はクリスマスの日を楽しみにしていた
そして冒頭に戻るってわけだ
え、項垂れてる理由が分からない?
だからそれは...
花守 健
花守 健
これしか無い
クリスマスデートの約束をしてから、もう10日以上は過ぎていた
クリスマスまで後1週間
プレゼントを何にするか、全く、これっぽっちも決めていなかった
冬弥の好みは分かるけど、欲しいかどうかは分からない
今日はクリスマス前、最後の休日だった
今日決めないと買いに来る時間無くなる...
明日は日曜日だが、妹の試合に付き添わなくてはならない
面倒だと断りたかったけれど
俺が行かないと妹が1人きりになる
って言われたら、もう行くしかない
ちなみに妹は小学三年生で
習い事の空手の試合に出場する
花守 健
俺は重い腰を上げ、人通りの多い道をふらりと歩く
どこのお店もクリスマス仕様になっており
プレゼントにオススメ!と書かれたポップで溢れていた
冬弥に似合いそうなものや
持っていれば便利そうなもの
冬弥とお揃いで持ちたいと思うもの等
色々ありすぎて逆に決まらない
んー、何が良いかなぁ
どうせなら日常で使えるものが良いよなぁ
そうは思ってもピンとくるものは無い
大体、何で冬弥相手にこんな悩んでんのかも分からなくなってきた
いつもなら冬弥の食いたいもん奢ったりとか
2人で映画観たりとか
あとは家族ぐるみでパーティ開いたりとか
そんな感じでクリスマスは過ごしていた
花守 健
割と普通にデートしてね?
思えば、俺と冬弥は幼馴染みだ
そりゃ普通に遊びに行く
今までは恋人としての意識が無かったからか
花が咲く事をこんなに警戒するなんて無かった
片想いの方が楽しいって...
こーゆー事なの?
なんてニアピンな事を考えていると
何処からか甘い良い匂いが漂ってきた
その匂いはケーキじゃない
嗅いだ事の無い、何故か惹かれる良い匂い
あっちからか...
俺はその匂いを辿り
足早に人混みを通り抜けた
番外編1 ー前編ー fin