コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
シロの自宅
リビング
ある休日の昼間
特に予定もなく
冷めたコーヒーを片手にテレビを眺めていた傍らで
スマホの呼出音が鳴り響いた
シロ
私はスマホの画面をちらりと確認し
シロ
応答なし
迷いなく「拒否」を選択した
しかし相手は余程鈍感なのか
同じ通知が何食わぬ顔で すぐに表示された
シロ
シロ
応答なし
シロ
応答なし
シロ
応答なし
シロ
綾戸 恋
シロ
シロ
綾戸 恋
シロ
宇京 真央
シロ
シロ
宇京 真央
宇京 真央
シロ
綾戸 恋
遠くから恋の声が聞こえたが
気のせいにして聞き流した
宇京 真央
宇京 真央
シロ
途端に胸に嫌なざわめきが生まれる
宇京 真央
宇京 真央
シロ
真央の言葉をさえぎって
私はまた「拒否」を提示した
宇京 真央
真央のなだめるような声が
私の名前を呼ぶ
シロ
真央のこの声に私は弱い
宇京 真央
宇京 真央
シロ
シロ
宇京 真央
優しいその声は
見えない手で頭を撫でられたような
心地よいぬくもりがあった
シロ
宇京 真央
宇京 真央
宇京 真央
シロ
明星
その名前が出てくることは
恋の着信が来た時点で分かった
だから
拒否したのに
シロ
宇京 真央
嫌なものは嫌
やりたくない事はやらない
それを異常なほど大切にしてる恋は
これ以上何も言えないだろう
シロ
綾戸 恋
シロ
通話を切ろうとした手が止まる
通話ごしに恋がニヤッと笑った気がした
綾戸 恋
シロ
ドクドクと
嫌な脈打ちが耳に響く
綾戸 恋
綾戸 恋
シロ
綾戸 恋
シロ
シロ
綾戸 恋
宇京 真央
シロ
シロ
思わずポロッと出たその言葉を
あのずる賢い男は見逃さない
綾戸 恋
勝ちが決まったことを確信した声が
私の名前を呼ぶ
シロ
恋に私は真正面から勝てない
だからそもそも「戦わない」を選択した
はずだったのに
宇京 真央
シロ
シロ
綾戸 恋
そう
あくまで
これは恋が出した選択肢を
「私が自分で選んだ」
シロ
綾戸 恋
綾戸 恋
宇京 真央
悪魔が笑う後ろから
真央の小さなため息が聞こえた
シロ
前報酬として送られた
揺とおこげの昼寝写真を眺めながら
恋のメッセージ拒否ボタンは 今回も見送りにした