恋というものは不思議なもので
同じ時間を過ごしているわけでもない今だって
頭の中が莉犬くんでいっぱいになっている
「今朝も話して嬉しかったな」
「今日本当にもう一回話せるのかな」
「もし話せたら何の話をしようか」
なんて考えばかりが頭の中をぐるぐるしている
そのせいか、気づいた時には一限目の授業が終わっていた
だから急いで次の授業の準備へと取り掛かる
その時だった。
廊下にあるロッカーを向かおうとして視線を廊下へと移した際に見つけた青年
私の思考をずっと奪っていた相手
莉犬くんだった。
彼の存在を確認した途端に高鳴る鼓動
莉犬くんは私の教室の廊下からぐるぐると見渡し
誰かを探している様子
一体誰を探しているんだろう
私じゃなくてもいいから、女の子じゃなければいいな
その時だった
廊下にいる彼と視線が重なる
その瞬間、顔色を明るくしてくれる彼
そんな彼にこれほどまでかってくらい心を奪われる
私と目が合って微笑んでくれるのはずるいよ、⸝⸝
こんなのどんどん好きになるだけじゃん・・・
そんな気持ちを隠して初めて自分から彼に話しかけてみる
些細なことだけど、私にとっては大きな1歩
you
you
you
私、頑張った
え、自然だったよね、?
一瞬不安でいっぱいだった。
だけど莉犬くんの笑顔でその不安が全て吹き飛ぶ
そして莉犬くんは優しく言葉を返してくれる
rinu
rinu
you
you
rinu
you
you
rinu
rinu
you
you
rinu
rinu
・・・毎回
それってつまり1週間に3回必ず莉犬くんとお話できるってこと、?
え、そんな幸せなことあっていいの!?
嬉しさのあまりににやけてしまいそうになるのを必死にこらえる
なんでその相手が私なのかは気になるところだけど私にはそんな勇気なくて
こんな風に1人で浮かれてしまうのは果たしてただの自惚れなんだろうか
少しくらいは期待、してみてもいいのかな
rinu
rinu
you
you
rinu
rinu
you
you
rinu
rinu
rinu
えっ、わざわざ別の人との約束取り消したの!?
しかもさとみさんって仲のいいお友達だよね、?
絶対その人に借りた方が楽なはずなのに
わざわざ私と約束し直してくれたのはどうして・・・?
わからないけど、すっごく嬉しい
もう、莉犬くんが好きすぎておかしくなってしまいそうになる
rinu
you
rinu
私はロッカーの中から取り出した教科書をそっと莉犬くんに渡す
偶然指先が触れないかな、
とか期待したけど、もちろんそんなことは起きないまま渡し終える
すごい残念だなって思っていると、莉犬くんの口が開く
rinu
rinu
you
rinu
rinu
rinu
you
you
rinu
rinu
you
rinu
そう言って駆け足で自分の教室へと戻る彼
まるで自分の顔色を伺われないために隠すかのように
・・・ってそんなことより!
不意に呼ばれた私の名前
今までずっと苗字呼びだったのに
急な出来事でありえないほどバクバクする心臓
火が出るくらい暑くなる頬
そんな私に対して、颯爽と走っていった莉犬くん
莉犬くんからしたら、女の子とでも人の名前で呼び合うことは普通だから呼んだだけなの?
それとも・・・
駆け足で帰っていく彼の耳がほんの少しだけ赤く染まって見えたのを期待してもいいのかな
私は皆の姿が見えなくなるまでずっと目で追っていた
莉桜
莉桜
莉桜
莉桜
莉桜
莉桜
莉桜