主
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主
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第86話『観測者の独白』
影の世界は、静寂で満ちていた。
白も黒も、境界のない世界。
その中心で、らんの影は、淡く光る像を見上げていた。
そこに映るのは、ひとりの男。
黒と白の狭間で、己の影と対峙する“いるま”の姿だった。
らんの影
思わず口をついて出た言葉は、まるで他人事のようだった。
この世界に音はない。
それでも、自分の声だけは響いている。
らんの影は両手を背中で組み、まるで観察者のような姿勢で立っていた。
戦うでもなく、干渉するでもなく、ただ“見守る”。
らんの影
らんの影
唇に淡い笑みが浮かぶ。
影であるはずの自分が、そんな表情をすることに違和感を覚えながらも、目を離せなかった。
白黒の空間で、いるまと影がぶつかり合う。
怒りと恐怖。
拒絶と受容。
そのどれもが、痛いほどに“人間”だった。
らんの影
笑う音が、虚空に溶けた。
らんの影
らんの影
らんの影
言葉に棘はなく、どこか優しかった。
見守る目が、穏やかに細められる。
試練が終わり、光が満ちる。
いるまが床に倒れ、影が静かに消えていく瞬間、らんの影はわずかに頷いた。
らんの影
らんの影
その呟きと共に、映像が揺らぎ、空間が溶ける。
黒が白に、白がまた黒に溶け、やがて何もなくなった。
次の瞬間、らんの影は主の傍に立っていた。
昼下がりの部屋。
窓の外では、薄曇りの空が広がっている。
雨は降りそうで降らない、そんな中途半端な天気。
らんはベッドに仰向けになり、ぼんやりと天井を見つめていた。
数日前にこさめの記憶を取り戻したばかりで、どこか穏やかな顔をしている。
らん
小さく呟くと、影の方が先に反応した。
気配を滲ませながら、らんの足元に黒が集まっていく。
らんの影
穏やかで低い声。
らんは少し驚いて目を瞬かせたあと、笑った。
らん
らん
らん
らん
影はその言葉に、わずかに眉を下げる。
らんの影
らん
らん
ぽつりと漏らした言葉は、子どものように素直だった。
影は少し黙って、それから柔らかく息を吐く。
らんの影
らん
らん
らん
天井を見上げたまま、らんが微笑む。
その横顔を、影はじっと見つめていた。
以前よりも柔らかく、明るい。
あの頃の“主”とは違う。
記憶を取り戻しつつある、その姿に、ほんの少し安堵が混じった。
らんの影
らん
らんの影
らんの目が大きく開く。
らん
影は穏やかに微笑んだ。
その笑みは、どこか優しさと寂しさを帯びていた。
らんの影
らんの影
らんは少し黙って、そしてゆっくりと頷いた。
らん
らん
らんの影
らんの影
その言葉に、らんは少し笑って目を細めた。
らん
影は苦笑した。
らんの影
らん
らん
その一言に、影の胸の奥が微かに揺れた。
人間なら“心臓”と呼ばれる場所。
存在しないはずのそこが、少しだけ温かくなる。
らんの影
らんの影
らん
らんの影
らん
らんが笑い、影も微笑んだ。
曇り空の向こうで、陽がわずかに射す。
ほんの短い会話。
けれど、その沈黙には確かな絆があった。
らんが眠りについたあと、影はその寝顔を静かに見つめた。
白い頬に、穏やかな呼吸。
その姿は、影の心をわずかに締めつけた。
らんの影
らんの影
らんの影
低く、誰にも届かない声で呟く。
手を伸ばせば触れられる距離にいるのに、それは決して届かない。
らんの影
らんの影
その言葉のあと、影は静かに目を閉じた。
彼の輪郭がゆっくりと揺らぎ、らんの影に溶けていく。
部屋の明かりが消え、静寂が戻る。
第86話・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡140
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コメント
4件
何だろ、影ってみんな執事みたいだなって思ってんの私だけかな???www 🌸くんと🌸くんの影の会話めっちゃ好きです!💕✨️ 続き楽しみにしてます!!!
書き方がプロなんよね、、