リーサ
あぁ!皇女様!
リーサが戻ってくるなり私を抱きしめる
リーサ
申し訳ありません皇女様、物の配置をしっかり考えていれば...
リーサは移動している私と棚の上にあったはずの箱が下に落ちていることから察したらしい
リーサ
皇女様、お怪我はございませんか?
エミリア
(問題ない!)
リーサはエミリアをベッドに移し部屋の片付けを始めた
エミリア
(さっきの人)
エミリアは記憶を辿る
エミリア
(きっとあの人よね)
皇室記者団の記者
皇室記者団とは唯一皇宮に立ち入ることが許されている記者団のこと
取り扱う記事は貴族向け、平民向けと分かれている
エミリア
(数ある記者団の中で皇室記者団は規模も大きく、金周りもいいのよね)
エミリア
(私の世界で言ったらNHKみたいなものね)
この記者団は貴族ゴシップ好きの皇帝がいち早く自分の元に情報がくるように設置したらしい
それ以外にも
皇室にとって都合の悪い情報を規制する目的もあるとか
エミリア
(皇帝シュミ悪いわね)
エミリア
(で、あの人は)
エミリア付きの記者
記事の中には皇族の日常などもある
生まれたばかりの皇女は話題性もあり記事にすることが多かった
エミリア
(そのエミリアについて記事を書いていたのがあの人ね)
だけどエミリアはその人を嫌っていた
いつも影から写真を撮りまくる彼が鬱陶しい
そもそも断りもなしに記事に書かれることも写真を撮られることも嫌
エミリア
(まぁ、分からんでもない)
ついに皇女は怒りをぶつけた
エミリア
いい加減にして!
エミリア
私を付け回すようなことは2度としないで!
するとその日は大人しく引き下がったが翌日
エミリア
あぁ、もう
彼はもっと離れたところから静かに写真を撮るようになった
エミリア
(へ、へへへへ...)
変態やっ!
エミリア
(皇女が嫌っていたのも分かるわ)
それじゃあ、ただのストーカーじゃない!
エミリア
(私はこれからあの変態に写真を撮られるのね)
エミリア
(さっきのあれも皇帝に報告されるのかしら)
あれ?
エミリア
(そういえば皇帝の顔、エミリアの記憶にはなかったわ)
エミリア
(父娘よね?父親の顔を知らないなんてある??)
エミリア
(ましてや"皇帝"なのに...)
一体この家族はなんなのよ!