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ポタポタポタ…何の音?
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辺りは真っ暗、
何も見えない。
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手を伸ばすと、
冷たい何かに触れた。
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”にゃーん”
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そこにいるのはだぁれ?
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暗闇の中に尋ねても、
答えは返ってこない。
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静寂が広がるだけ。
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”ただいま…”
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静寂の奥から声が聞こえた。
よく知っている声だった。
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”ママ!?”
”会いたかったの!”
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伸ばした手を、
冷たい”何か”が握り返した。
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それはそっと私を抱きしめる。
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血と死臭を纏わせた”何か”。
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それでも、
その声は確かに
私がずっと求めていた
母親のものだった。
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『猫の血と肉を捧げる』
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