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12件
ぶく失です!
ぶくしつです!
ブクマ&マイリスト失礼します!!🙇🏻♀️
声を上げる間もなく
引きずり込まれる
腕を掴んで
束ねようとしてくるから
焦って
思いっきり顎を蹴飛ばす
なぜか周りから笑い声が聞こえた
びっくりして見渡すと
さっき蹴飛ばした人の他に
背の高い男が3人いた
𝐶.
状況が理解できない
先程僕の腕を掴んできた人が
声を荒らげながら
こちらに近寄ってくる
やばい
逃げないと
そう思うのに
体が冷たくて
思うように動かない
そう言われて
首元を強く叩かれる
意識が抜けていく
誰かが呼ぶ声が聞こえる
姿は見えないのに
近くにいる
ああ、そうか
また、
この夢か
𝐶.
𝑁.
𝑁.
𝐶.
僕の検査が終わって
検査結果を待ってる最中に
寝てしまっていたらしい
𝑁.
𝐶.
うん、とも
ううん、とも受け取れる返答
少し気分が悪い
首が痛い
𝑁.
答えたくないのを察したのか
なにも言わずに
頭を撫でてくれる
𝐶.
𝑁.
𝐶.
𝑁.
𝑁.
𝐶.
そう言いつつも
さっきの夢と
僕の検査結果で頭はいっぱいで
何度も見てきたあの夢
でも
最初は 似ても似つかないような夢だった
あの暗い場所に 1人でぽつんと取り残された夢だった
それが段々
人が出てきたり
その少し前のことも 出てくるようになった
少しずつ、僕が味わったあの体験と
同じことが夢で起きようとしている
怖い
あと何回寝たら
過去に行き着くかな
過去の夢を見たら
それ以降は悪夢もなくなるかな
𝑁.
声をかけられて
ゆっくりとそちらの方を向く
𝐶.
彼はなにも言わずに
じっ、とこっちを見つめている
綺麗な目
悲しみも
辛さも
寂しさも
全てを吸い込むような
澄んだとても綺麗な目
その目は
どこか
母さんに似ている
ずーっと、こっちを見てくるから
心の奥底まで
見透かされそうで
目線を自分の手に下げる
𝐶.
𝑁.
𝑁.
𝐶.
𝑁.
𝑁.
𝑁.
𝐶.
多分
さとみくんが疲れやすいんじゃなくて
なーくんが尋常じゃないほど タフなんだろう
それとも
ただ気持ち悪さに 耐えてるのかもしれない
𝐶.
𝑁.
𝐶.
𝐶.
𝑁.
𝑁.
𝐶.
結果が分かるまでは
まだ少しかかるから
𝑁.
すっ、と
左手が温かさに包まれた
𝑁.
僕の手を握ったまま
彼は目を瞑った
ほんとに
こういうところ
母さんに似てる
その人の気持ちに気づいていながら
声には出さず
安心させてくれるところ
𝐶.
本当に顔が整ってる
その顔には
苦しさを微塵も見せない
ある種の仮面があった
あの頃
一番辛かったのはきっと
彼なのに
彼は誰よりも余裕があって
誰よりも僕たちを守ってくれた
彼には
その仮面を外した顔を
見せられる相手はいるかな
いてほしいな
𝐶.
回復しきったらしい
私服の兄が
早足で近づいてくる
𝑆.
𝐶.
つい数時間前会ったばっかりだけどw
𝑁.
もぞもぞと動いて
目を開ける
𝑁.
𝑁.
𝑆.
僕を挟んで
反対側にさとみくんが腰掛ける
𝑆.
𝑁.
時間がかかるってことは
そういうこと?
𝐶.
𝑁.
𝑆.
思い出し笑いをしながら
僕の頭に手をのせてくる
どちらかというと
肘置きにされてる気がする()
𝐶.
𝑆.
𝐶.
𝑁.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝐶.
どうにか肘を退けようと
躍起になっていると
看護師
心臓が飛び出るかと思った
𝐶.
慌てて立ち上がると
なぜか2人も一緒に立つ
𝐶.
𝑁.
𝐶.
𝑆.
𝑁.
𝑆.
𝐶.
𝑆.
赤ちゃん言葉で話しかけてくる兄は
相変わらず
頭の上に肘をのせたまま
少し迷ってから
なな兄ちゃんに手を引かれて
部屋へと入る
𝐶.
𝑁.
𝑆.
なな兄ちゃんが
さとみくんの頭を小突く
𝑆.
医師
𝑁.
医師
医師
まるで知り合いかのような喋り方
その人の胸元には
″ 院長 ″
と書かれた名札がついていた
医師
医師
𝑁.
𝑁.
医師
医師
医師
なな兄ちゃんを掴む手が
汗ばむ
𝐶.
緊張で声が裏返る
医師
医師
なな兄ちゃんが僕の手を 握り返す力が増す
心做しか
さとみくんが掛けてくる 体重が増した気がする
医師
医師
𝐶.
安心からか
おかしな声が出る
手を握られる力が弱くなる
𝑆.
響く安堵の声
頭をぽんぽんと優しく叩かれる
𝑁.
医師
𝑁.
糸が切れたみたいに
なな兄ちゃんが下を向く
医師
耳には響いているのに
なんか夢みたいで
頭が混乱したまま
𝑆.
椅子に座っている僕に
今度は全身で体重をかけてくる
𝑁.
医師
医師
微笑みながら言う目の前の人に
なぜかそれだけは自信を持って
ちゃんと言えた
𝐶.
𝑅.
莉犬兄ちゃんが運転する車の中
さとみくんはずっと引っ付いてるし
なーくんは泣きそうなのか喋らないし
唯一、莉犬兄ちゃんとしか まともに喋れない()
𝐶.
𝑅.
𝑅.
𝐶.
𝑅.
𝑅.
𝐶.
𝑁.
𝑁.
助手席で
顔を手で隠しながら
カラカラの声で言う兄
𝐶.
𝑅.
運転に支障が出ないかと 心配になるほど
大笑いをする兄
𝑆.
𝑆.
抱きついて離れない
ぼそぼそと呟いている兄
𝐶.
僕のことより
お兄ちゃんたちの方が 心配になってきた
𝑅.
𝑁.
𝑆.
𝐶.
𝐽.
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝐽.
僕たちの様子から察したらしく
ニコニコ笑いながら
駆け寄ってくる
𝐽.
𝑅.
𝐶.
僕の返答を聞き切る気もないらしく
𝐽.
𝑅.
それぞれ大好きな兄へと 走っていく
𝐽.
𝑁.
𝐽.
𝑁.
𝐽.
𝑁.
うっすらと目に涙を浮かべながら
ジェルくんの頭を撫でている
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
ちゃっかり この後の予定を決めている
𝐶.
𝐶.
ぼそりと呟いて
さっきから僕に張り付いて離れない
肩に置かれた兄の頭を
軽く叩く
𝐶.
𝑆.
𝐶.
謎なことを呟く彼を
引きずって
家の中に入る
他のみんなは もうリビングに入っていった
𝐶.
𝑆.
体が浮いたかと思うと
目の前に彼の顔が迫る
𝐶.
さらっと姫抱きをされた
𝐶.
𝑆.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
思いっきりベッドに放り投げてくる
𝐶.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝑆.
𝐶.
そばに立っている彼を
思いっきり引っ張る
𝑆.
僕の上に倒れこまないように してくれたみたいで
彼の体で部屋の光が遮られる
𝑆.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝑆.
逆光で
表情は読めない
𝑆.
昔の彼
母さんの葬式の時の彼
お母さんができた時の彼
両親ともに、交通事故で 亡くなったという知らせを 聞いた時の彼
すべての彼の表情が
頭の中を滑り抜けていく
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝑆.
その答えは
僕の一種の疑念を
確信に変化させる
𝐶.
彼の体を掴んで
胸に抱き寄せる
この特性を
世間は非難するだろう
でも多分彼は
運が悪いだけだ
優しいからこそ起こるその行動
14年間ずっと見てきた
大丈夫
怖くない
彼は
とても幸運で
少し不運なだけで
きっと
彼も気づいているはずだから
だからこそ
今日
ここまで心配してくれたことを
照れくさいほどに嬉しく思う
𝑆.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝐶.
𝐶.
𝐶.
𝐶.
𝐶.
𝐶.
𝑆.
𝑆.
こんな日だから忘れてたんだ
もしも
もしも
あの事件を僕が記録に残すとしたら
ここからを記録する
前兆は迫っている
𝑡𝑜 𝑏𝑒 𝑐𝑜𝑛𝑡𝑖𝑛𝑢𝑒𝑑...