テラーノベル
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白い霧が立ち込める、静寂の世界
そこに、りんねはぽつんと立っていた。遠くで風がさやり、ひとりの男がこちらへ歩いてくる。
深紅の刀を背にしたその姿
痣が浮かぶ、端正な顔立ち。まるで幻のような気配をまとった男。
りんね
りんねは不思議そうに呟いた。
りんね
?はその問いには答えず、静かに言った
?
りんね
?
?
?
りんね
りんね
縁壱はゆっくりと目を伏せる
?
しばらく沈黙が流れたのち、?はまっすぐりんねを見た。
?
りんねは、まるでそれを確かめるように右手を見つめた。
りんね
りんね
そして?はふと静かに言い、微笑んだ
?
?
りんね
言葉の意味を完全には理解できぬまま、霧が消えていく。
?
りんね
?の名を聞くより早く、夢の世界は崩れた
ーーー現実ーーー
善逸
善逸が涙と鼻水を垂らしながら叫び、伊之助は無言で走る。
炭治郎はりんねを両腕でお姫様抱っこし、必死の形相で前を見据えていた
炭治郎
月明かりがやわらかく照らす道の上で、りんねのまぶたがかすかに震える。
りんね
炭治郎
炭治郎が顔を近づけると、りんねはうわごとのように、寝言のように小さくつぶやいた。
りんね
その声は、夢の続きのように儚くて。
そして、小さな手が、炭治郎の胸元をぎゅっとつかんだ。まるで、目覚めぬままに、確かめるように。
炭治郎
炭治郎はその手をしっかりと包み込む
炭治郎
善逸と伊之助が後ろで叫んでいる
善逸
伊之助
蝶屋敷の門が開いた。しのぶたちが駆け寄ってくる。
炭治郎
炭治郎はりんねをそっと差し出した
けれど、まだその小さな手が、自分の手をぎゅっと握っていた。
炭治郎
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