TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

前に桃くんの患者の女の子が死んだ時

桃くんの心は限界を迎えてた

延命に次ぐ延命

最後の方は殺して、って

その言葉を聞いた時の桃くんの顔が忘れられない

青ちゃんが来る直前

桃くんが自殺未遂をした

未遂で済んだのは桃くんの精神状態を考慮して俺たちがそばにいたから

居なかったら絶対に死んでた

青ちゃんが来なかったらまた死のうとしてただろうね

また桃くんの患者が死んだら、って

考えないようにしてた

また幸せそうな桃くんの顔が見られたことが嬉しくて

無視してた

もうきっと止められない

俺たちに君の死を止める権利なんてない

君たちがいなくなったら俺も逝くよ

みんな見送って最後にね

ん、せんせ、(ウトウト

おはよ

苦しくない?

うん、大丈夫っ

笑っているが喉からひゅーひゅーと苦しそうな音が聞こえる

、、先生、悲しいことあった?

ッなんで、?

目、赤いから、

困り眉で俺を心配する

青の方が辛くて苦しいだろうに

、、、なぁ、

なぁにぃ?

ふにゃふにゃと笑うその顔が愛おしい

、、お前は、

、、、、

生きたい?

、、!

んー、

先生と、生きたいなっ

そっかぁ、笑

こんなこと、まだ小さい青に聞いたって仕方ないのに

こんなに小さくて弱々しい青は

いつも俺が欲しい言葉をくれる

、、、せんせぇ、

なに?

僕、死んじゃうんでしょ

ッえ、いや、

分かるよぉ笑

先生、なんか暗いし

それに、何となく分かるよ

自分の体だもん

、、大丈夫、

俺が一緒にいるからッ(ポロポロ

泣かないで、

そう言って俺の涙を拭う小さな手を失いたくない

いかないでくれよッ(ポロポロ

僕はずっとここにいるよぉ(ニコ

大丈夫だいじょーぶ(ニコニコ

俺が青を落ち着かせるためにいつも言う言葉

こんなに弱々しいくせに

俺よりよっぽど強いんだよな

絶対、離れないから

うんっ

わかってたよ

段々と花が増えていくし

体が動かなくなっていくし

ずっと息をするのが苦しくて

話すのも嫌になるくらい辛いし

もう死んじゃいたいとか思っちゃうし

でも

桃先生のこと

置いてっちゃったら

きっと桃先生は悲しむし

自殺しちゃうかもね笑

それくらい、愛されてるなぁって思うんだ

桃先生がいなかったらとっくに負けてた

ずっとそばにいるよ

あとすこし、ね

、、、

緑ちゃんも赤くんも経過があまり良くない

来た時期は違えど青ちゃんと共鳴するように一緒に弱っていく

緑ちゃんはもう完全に目が見えていないようだし

ほとんど制御のきかなくなった植物によって毎日傷が増えて体力を消耗してる

赤くんも鉱石病の進行が異常に早い

いつも明るくて笑顔の赤くんが最近は苦痛の表情を見せることが多くなった

桃くんと橙くんには言ってないけど2人ももう長くない

もう、離れない

黄ちゃん

せんせぇっ(ニコ

本人は隠してるつもりだろうけど大分弱ってる

初めて来た時より大きく育ってしまった翼は

皮肉にも弱っていく黄とは対照的に

美しい、と思ってしまう

辛くない?

はいっ

無理せんでもええんよ?

大丈夫ですよぉ笑

常に耐え難い痛みが襲っているだろうに

心配させまいとしている

、、ごめんなぁ(ナデナデ

、謝らないでください

もういいんですよ、笑

自分の死期を悟っているのか

それとももう死んでしまおうとでも思っているのか

青と共鳴するように弱っていく姿が痛々しくて

何もしてあげられない自分が不甲斐ない

俺が初めて担当した子

黄と同じ天使病だった

ここに来た時にはもう末期で

毎日毎日

死にたい、殺して

って俺にすがりついていた

最期の日

痛みに耐え兼ねて叫び続けていた

声が枯れてかすれた空気の音しかしなくなっても

ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと

病院に響き渡る悲鳴を上げていた

俺は見ていられなくなって

逃げた

俺が人目もはばからず泣きじゃくりながら戻った頃には

息をしていなかった

悲痛な表情を貼り付けたまま

どうして、とでも言うような顔で

こちらを見ていた

俺は後悔した

逃げたこと

最期にそばにいてあげられなかったこと

見ているだけの俺なんかよりずっと辛いはずなのに

1人にしてしまってごめんな

せめてそばにいて声をかけられていたら

君の心だけでも救えていたなら

もう、逃げへんから

???

あの子たち、想像以上に患者に執着してるわ

???

患者が死んだらあの子たちも死ぬわね

???

良かったじゃない

???

でも、あの子たちは"特別"だから

???

生きてて欲しいのよ

???

、、、ずっと苦しませるより死んだ方がいいわ

???

あなただって、あの子たちに愛着はあるでしょう?

???

あなたこそ、苦しむのは可哀想だと思うでしょう?

???

でも、きっと救いはあるはずなのよ、、、

???

、、、、

???

、、、、

いちごの奇病病棟物語

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

13

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚