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真那

おい、杏寿郎!聞いてるのかおい!

煉獄

聞こえているぞ!もう少しで終わるからな、少し待っていてくれれば有難い!

ザッザッ…ドスンッ

真那

……

煉獄

よし、これで雨風にも負けないなっ
出来れば名前を彫ってやりたいが…すまない…

真那

いらねぇよそんなの

真那

こんな山の上にまで死体持ってきて、何すんだと思ったら墓作りかよ

煉獄

あのままにはしておけない
せめて景色の良い場所に弔ってやりたかったのだ

煉獄

子供達の名前を教えてくれないか?
ここに残せない分、己に刻みたい

真那

一郎、にたか、みこ、篠助、ごまこ、むつこ、ななた

真那

ははっ
変だと思ってるだろ

真那

あいつらの名前は俺が全部つけたからな

煉獄

そうだったのか

真那

名前なんてつけられる前に捨てられてんだ
名前が無いと面倒だからな

煉獄

優しいのだな
うむ!しっかりこの胸に刻んだっ

煉獄

皆、姉の事を見守っていてくれ
この煉獄杏寿郎が必ず守り通すと誓おう!

真那

…は?

真那

だから杏寿郎、何で俺まで連れてきたんだよ
終わったなら責任持って麓まで降ろせよ?

煉獄

ああ!だがその前に

煉獄

やはり名前は教えてくれないのだろうか?
先刻君が言った様に名前は重要だ!

真那

それは近くにずっといたからの話だ杏寿郎とは違うだろうが

煉獄

むぅ
君は頭の回転が速いのだな
俺の言う事に対してすぐに反論が出る

真那

ここじゃ迷ってる時間なんて無いんだよ

煉獄

成程!それは俺も同じだ
迷う暇などないなっ

ガシッ

真那

え?

煉獄

よし!では行くぞっ

真那

おい!そんな抱え込まなくても降りられる!聞いてるのか杏寿郎⁈
おっ、おいっ!!

煉獄

さぁ!話していると舌を噛んでしまうぞ!

ビュンッッッ

風切り音がしたと思ったのも束の間 となりの山に移動していた

速過ぎて眩暈がした 何故こんな目に合っているのか 考えるよりもまず…

真那

きょうじゅろー…

煉獄

どうした!もうすぐだぞ!

真那

…吐くぞ

煉獄

了解だ、覚悟は決めた!
吐いてよしっ!

真那

うっ…

真那

うえぇ………

ぱたっ……

ちゅんっ ちゅんっ…

真那

ん…んん……

真那

ここ…布団…
うぇ、気持ち悪りぃ…

千寿郎

あ、目が覚められましたか
お水です、どうぞ

真那

あぁ
ん、杏寿郎

真那

縮んだか?俺の目が狂ったか?

千寿郎

兄は今巡回へ行っています
私は煉獄千寿郎、弟です

真那

…千寿郎

千寿郎

!はっはいっ

真那

水もう一杯くれ
杏寿郎のせいで気分が悪いんだよ

ごくごくごくっ

真那

で、ここ何処だよ
杏寿郎の奴、何の説明もなく連れてきやがった

千寿郎

ここは煉獄家です
兄からは貴女の看病をと聞いていますが…

真那

ギロッ

千寿郎

えっ、えっ!

真那

看病だぁ⁈

千寿郎

はっはい
目が覚めたらお医者様の所へ…

真那

千寿郎!

千寿郎

何でしょうかっ!

真那

俺は確かに病気持ちみたいだけどな

真那

治したいなんて思ってねぇんだよ

千寿郎

え……

真那

だから医者に行く必要は無い

千寿郎

けれどっ、眠られている間も咳き込んでおられました。
見ていて苦しそうで…

真那

まぁ苦しいさ
それで死ぬんだからな

千寿郎

そんなっ!やめて下さいそんな事を言うのは!

真那

千寿郎

兄上が言っていました

「自分の勝手で連れてきてしまった、きっと怒るだろうがどうしても病は治してほしいんだ」と

千寿郎

私も、今初めてお話していますが、やはり治ってほしいです…
きっと治る病です!死ぬなんて言わないで下さい…

真那

千寿郎

千寿郎

…はい

真那

ははっ
かわいいな千寿郎っ

千寿郎

えっ///

真那

杏寿郎より小さいし、何ていうか千寿郎に言われると、まぁ、聞いてやるかって気になっちまうな

真那

杏寿郎も素直な奴だけど、千寿郎と違ってやり方が無茶苦茶なんだよ…

千寿郎

あ、あの……

真那

ふぅ

真那

俺の名前、真那っていうんだ

真那

取り敢えず今回は医者行ってやるよ

千寿郎

真那さんっ!ありがとうございます!

真那

何でありがとうなんだよ
ったく千寿郎は…

ガラガラガラッ

煉獄

良かった!後は健康になるのみ!大丈夫だ!真那!!

千寿郎

兄上⁈お帰りになられたのですか?

煉獄

ああ!様子を見にな
しかし丁度、真那が目を覚ましていたとは、直感が働いたなっ!

真那

…杏寿郎

煉獄

どうした、真那!
む、顔色は…少し赤みが戻った様だな
良かったな、真那!

真那

杏寿郎……

煉獄

だからどうしたのだ!ま…

真那

勝手に名前呼びまくるんじゃねぇ!

煉獄

はははっ
やっと名前を呼べるのが嬉しくてつい
真那、良い名だなっ

千寿郎

兄上、真那さんのお名前も知らずに連れてこられていたのですか…

煉獄

うむっ!頑なに教えてくれなかったのでなっ

真那

あー、五月蝿い五月蝿い!
俺は千寿郎に教えたんだ!

煉獄

そしてそれを俺が聞いた訳だ
これでようやく伝えたかった事を言えるなっ

真那

病を治せ、だろ
もう千寿郎から聞いた…

煉獄

美しいなっ、真那は!

千寿郎

あにうえ⁉︎

真那

あぁ⁈

煉獄

だが品に欠けるのが勿体無い
そこが残念だが母上に及ばないな

真那

千寿郎

真那

…千寿郎、頼むわ

千寿郎

はいっ⁈

真那

追い出せ追い出せ!杏寿郎を追い出せっ!!何が品だ!いらねぇんだよんなもんは!

煉獄

元気もあって良い事だ!

千寿郎

(あぁ、何かズレているどうしよう)

真那

杏寿郎、俺は治らなくていいんだよ

真那

言っただろ、死ぬなら死ぬでいいんだ

煉獄

真那

医者に行くのは、千寿郎の頼みを聞くだけ
俺が治したい訳じゃねぇ

真那

押し付けるなよ、杏寿郎

煉獄

真那の気持ちは分かった

煉獄

では千寿郎!真那を医者へ見せに行ってくれるか?

煉獄

これは、良いのだろう?

真那

ぐっ……

千寿郎

分かりましたっ
真那さん、準備をしますね

真那

ぐむむむむ……

煉獄

では俺は行ってくるが
二人共気を付けてな!
千寿郎、頼んだぞ!

千寿郎

はいっ!

真那

(俺、もしかして面倒な事しちまったか)

真那

ちっ

帰り道

千寿郎

真那さん、疲れていませんか

真那

問題ねぇよ、ったく

千寿郎

しかし、本当に良かった…
時間は掛かるかも知れませんが、治りますっ

千寿郎

薬を飲んで、栄養を摂って、生活環境を整えて…

真那

なんで嬉しそうなんだよ千寿郎

千寿郎

嬉しいに決まっています!あぁ早く兄上に報告したいです!

真那

医者のジジイ言ってたな

真那

肺の病が厄介だ

千寿郎

それは、生活環境が悪く栄養も乏しかったから悪化してしまったとも…

千寿郎

これからです!私も全力で食事も作りますし掃除もしますから!

真那

はぁ

真那

どうも、千寿郎に弱いな俺は

翌日の朝

煉獄

そうか!よし真那!これからは俺の食事量と同じ量を食べてゆこう!

真那

食えるか!
あと朝から五月蝿ぇ!

千寿郎

兄上、昨夜も任務お疲れ様でした。ご無事で何よりです。たんとお召し上がり下さいね

煉獄

うむ、ありがとう千寿郎!

煉獄

父上は?

千寿郎

あ、いつも通り向こうで…

煉獄

そうか、食事をされているのなら安心だ!

真那

おやじ?

煉獄

真那の事は説明してある
だが今は、会ういとまが無いという事でな
すまない

真那

杏寿郎と千寿郎のオヤジだろ
なんか想像つくわ

煉獄

ははっ

千寿郎

……

真那

杏寿郎

煉獄

どうした?
今日も真那は朝から美しいぞ!

真那

話の腰おるんじゃねぇ!

真那

医者にはいったぞ
約束は果たした

煉獄

むっ

千寿郎

え!これからではないですか!

真那

通って完治させると俺は言ってないぞ

千寿郎

そんな…

煉獄

それで、俺に言いたい事は何だ?真那

真那

俺はここを出る

煉獄

真那

だがな、家ってもんの居心地はやっぱ良いとも思っている

煉獄

うむ

千寿郎

……

真那

杏寿郎は俺を治したいんだろ

煉獄

無論だ!

真那

なら取引を、しねぇか?

煉獄

俺は賭け事はせんっ!

真那

話取り敢えず聞けよ

真那

俺はここで世話になって病を治す事に専念する

千寿郎

あっ…

煉獄

それがいいっ!

真那

動いていいと医者じじいが許可したら

真那

俺に剣を教えろ

煉獄

何とっ!真那はその道へ進みたかったのか!全く問題はない!!
取り引きでもないぞ!

千寿郎

真那さんっ….

真那

最後まで聞け

真那

俺を人が殺せるまでにしろ

煉獄

…誰を殺す

真那

俺を捨てたオトコとオンナ
杏寿郎が教えた剣で

真那

俺はそいつらを殺す

真那

胸糞悪くなる奴らほど
頭にこびりついてやがる

真那

生きるなら殺す事を目的にする

真那

さぁ、これが取り引きだ

真那

どうする、杏寿郎

庭先にて

千寿郎

兄上…良かったのでしょうか

煉獄

うむ…

煉獄

すまないな千寿郎
俺の独断だ

千寿郎

いえ、真那さんは兄上と向き合っていたのですから

煉獄

ありがとう

煉獄

真那の両親がどういった人物か俺は知らない
正直な所、真那のいた環境を考えると生死も不明…

煉獄

しかし復讐を目的に生きる事は
悲しいと俺は思う

千寿郎

兄上、どうされるのですか
もしその時がきたら…

煉獄

来ないっ!

千寿郎

えっ、

煉獄

まずは真那が健康になる事が最優先
目的はまず置いておく!

時期がくれば勿論稽古もつける!

煉獄

俺は信じたい

煉獄

その時にはきっと

煉獄

真那の気持ちを和らげてやっていられる事を…

煉獄

千寿郎の力も必要だ!
力を、貸してくれるだろうか

千寿郎

勿論です!
私も、そんな真那さんに会いたい

煉獄

うむっ!

正直な所 本気と冗談半々だったのかもしれない

あのオトコとオンナを憎んでいたのは 間違いなかったが

杏寿郎がどう答えるかを 見たかった あんな性格だ 困らせてみたかったのかもな

俺の煉獄家での生活が 本格的に始まった 見えてくる煉獄杏寿郎という 男の大きさ そして、新たな出会い

鬼滅の刃:夢小説〜燃える桜の章〜

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