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そらるさんとの通話を切って、 部屋のドアを開ける

真夏

あ、真冬! アイス買いに行かない?

真冬

えっ、アイス?

ノックをしてきた姉さんに、 突然買い物に誘われる

真夏

うん、なんか食べたくなっちゃって

真冬

別にいいけど……

っていうか、今まだ春だし、 アイス食べて寒くならないのかな……

真夏

そうと決まれば早く行こっ! 真冬も食べたいのあったら買ってあげるから!

真冬

いや、僕はいらな……。

真冬

って、ちょっ!?

朝みたいに腕を引っ張られて、 玄関まで連れて来させられる

真冬

(相変わらず強引だなぁ……)

真夏

お母さーん、真冬とコンビニ行ってくるー!

靴を履いた後、リビングの方に 声をかけてから、外に出た

真冬

(うぅ、春とはいえ、まだこの時間は冷えるなぁ……)

2人で近所のコンビニに 行って、姉さんのアイスを2つ 買って、また外に出た

真夏

真冬、ほんとに買わなくていいの?

真冬

いや、だってまだ寒いし……

真冬

(逆に、何で2つも食べようと思ったの、姉さん……)

家の近くの公園あたりまで戻ってくる

すると、何故か姉さんが足を止めた

真冬

どうかした?

真夏

ねぇ真冬、あそこに座ってるのって……

姉さんの視線を辿っていくと、 公園のベンチに、誰かが座って いるのが見えた

何だか、見覚えがあるような……あっ

真冬

たしか、生徒会長じゃなかった?

真夏

あ、そうだ。あの生徒会長!

姉さんも思い出したのか、 パンと控えめに両手を叩く

真夏

折角だし、ちょっと話しかけてみない?

真冬

えぇ〜、僕先帰ってる……

初対面の人と話すの苦手だし、 生徒会長ってなると、尚更……

姉さんの横をすり抜けて、 そそくさと帰ろうとする

真夏

こら、真冬も行くのっ!

けど、首根っこを掴まれて、そのまま 公園の中に引っ張られてしまった

真冬

ちょっ、だから力強いってば……!

話しかけるって、話すこと 何もないと思うけど……

仕方なくついていくことにして、 2人で生徒会長に近づく

真冬

えと、こんにちは……

恐る恐る挨拶してみると、 こちらに気がついた

彼方

こんにちは。……あ、もしかして、うちの新入生?

真夏

はい。私、相川真夏って言いますっ。で、こっちは双子の弟の……

真冬

あ、相川真冬です

それぞれ自己紹介をする

彼方

2年の一ノ瀬彼方。って、知ってるから話しかけてくれたんだよね。

彼方

あ、2人とも座る?

ニコッとこちらに笑いかけながら 言う、一ノ瀬会長

非の打ち所がない感じ、憧れるけど、 ちょっと苦手だな……

ひとまずお言葉に甘えて、姉さんは 会長の隣に、僕はその姉さんの隣に、 それぞれ座ることにする

彼方

2人は何してたの?

真夏

そこのコンビニまで行ってて。真冬は付き添いです

彼方

この時間、女の子1人だと危ないもんね。お姉さんのこと守ってるんだ

真冬

あ、いえ、僕は連れてこられて……

真夏

そうなんですよっ!

僕の言葉を遮って、 姉さんが勢いよく言う

真夏

真冬はほんっとにいい子で……!

それから何故か、母親みたいに 僕の株を上げ始めた姉さん

それは嬉しいんだけど……なんか、 会長に、変に誤解されそうで怖い

多分、僕が1人でこの時間に出かけ ようとすると、逆に姉さんの方が、

「危ないからついてくっ!」

……って言うと思う

真夏

会長は何してたんですか?

彼方

何となく外に出たくて。気晴らしに散歩してたんだよ

話が切り替わったらしく、 会長の話に耳を傾ける

彼方

俺、2年なのに生徒会長だし、まだ全然仕事とか慣れてなくてさ。

彼方

クラスの人から推薦されて、そのまま成り行きでなったみたいな感じだったし、先輩にもあんまり良く思われてなくて

少し困ったような笑みを浮かべた、 一ノ瀬会長

真冬

で、でも、推薦ってことは、色んな人に認められてるってことですよね?

何とかフォローしたくて、 思わずそう口にした

彼方

“認められてる”……。

彼方

……そうかな。ありがとう、そう考えておくよ

すると、またにこりと笑った会長

それから、斜め上を見上げた

僕も何となく、その方向を見てみる

するとそこには、 一本の桜の木が立っていた

真冬

そういえば会長って、桜好きなんですか?

ふと気になって、聞いてみた

彼方

桜?

すると、キョトンとした顔をされる

真冬

(あ、あれ、違った……?)

真冬

えと、今日の式が終わった後、たまたま見かけて。その時も、桜を見てるように見えたので……

泣いているを見たのは、 言わないでおいた

彼方

あぁ、あれ見られてたんだ。

彼方

でも見てたのは、桜って言うより空かな

空……?

彼方

“空を見上げることが好きだから”

そう言って、また空を見た一ノ瀬会長

その横顔を、 やっぱり綺麗だと思ってしまう

けど、それより……

真冬

え……

つい最近、聞いたことのある セリフに、思わず目を見開く

真冬

(そらるさんの名前の由来と、全く同じ言葉だ……)

まさか……

真夏

私も、空見上げるの好きですっ。青空もいいけど、雲があったりするのも綺麗で

僕が驚きで固まっている間に、 姉さんが共感するように言った

真冬

(……流石に、そんなわけないか)

真夏

真冬も、たまに見てたりするよね。どんな空が好きとかあるの?

真冬

僕は──

ボクはキミに恋をした

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コメント

1

ユーザー

更新ありがとうございます! 楽しみにしてました!!!! まだ全然展開が見えないから ワクワクです!まふくんはどんな空が 好きなのかなぁ〜((o(。>ω<。)o)) 続き楽しみにしてまーす! 頑張ってください💪

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