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ー今だけはいいよねー 第1話
晴斗
キーンコーンカーンコーン
2018年4月のある朝。
始業のチャイムの鳴る教室は、 まだ新しい雰囲気に包まれていた。
晴斗
窓際の席に座る晴斗は、 そわそわと後ろを振り返る。
晴斗
水春
そこには幼馴染の水春が座っていた。
幼稚園からずっと一緒。
クラス替えがあっても同じクラスになる事が 多くて、それが当然のように思っていた。
晴斗
水春
晴斗
晴斗は優しく微笑みながら話しかける
水春
しかし水春は顔をあげず 国語の教科書を見たまま淡々と答えた。
水春
晴斗
その一言が胸に突き刺さった。
声のトーンも冷たい。
以前なら "いいよ!行こ!"と言ってくれたのに。
晴斗
聞き返すと、水春は眉を寄せて 短く言い放った。
水春
晴斗
水春
それ以上は何も言わず、 窓の外に目線をずらした。
晴斗
なんで? …俺何かしたか?
晴斗
授業中も気になっては集中ができなかった。
晴斗
静かな教室
先生の通った声
鉛筆の音
ノートをめくる音。
いつもと変わらないのに集中が出来ない
水春
晴斗
俺と水春には見えない壁があるように見えた。
休み時間。 俺は走っていく水春の後を静かに追った。
水春
晴斗
その顔は少し寂しく悲しかった。
晴斗
水春
晴斗
水春
晴斗
晴斗
水春
晴斗
晴斗
晴斗
水春
晴斗
水春
俺は避けられるのが辛くて
答えを聞くまで問いかける。
誰もいない静かな休み時間の廊下
珍しく静かな廊下。
2人の声だけが響く
水春
晴斗
水春
晴斗
水春
晴斗
水春
水春
晴斗
水春の言った一言で
俺の頭は一瞬で真っ白になった。
水春
水春
水春
晴斗
水春
晴斗
水春
晴斗
待って という言葉が出なかった。
あまりにも衝撃すぎた。
少し足速に歩いていく水春の背中を 静かに後ろから見ていることしか できなかった。
廊下に俺1人。
何故嫌われたのか考えては 頭を真っ白にさせる。
晴斗
キーンコーンカーンコーン
晴斗
静かな廊下に鳴り響くチャイム
俺は何も話さず教室へ戻る。
晴斗
俺が教室で教科書を読んでいると
水春
水春が教室に入ってきて 自分の席についた。
晴斗
授業が始まっても集中出来ない俺は
ひたすら校庭で体育の授業をしている 誰かの姿を見ていた。
そして放課後。
やはり足速で帰っていく水春を見送りながら 俺も帰る支度をする。
晴斗
晴斗
いつもなら帰ろうと誘ってくるはずなのに 1人で静かに帰っていく姿を見ると
目から涙が溢れた。
晴斗
晴斗
晴斗
誰もいない教室で
嗚咽を吐きながら泣く俺。
なぜ嫌われたのか。
晴斗
この時一瞬でも死にたいと思ってしまった
水春がいない人生なんて…
晴斗
家に着いて俺は
ご飯も食べず風呂に入ってすぐ部屋に籠った。
晴斗
ずっと考え続けた。
嫌われた理由と
どうすれば仲直り出来るか。
晴斗
何か1つ
周りには聞こえないような小さな声で ボソッと呟いた。
晴斗
明日こそは
俺は考えているうちに寝てしまった。
そして夢を見た。
なんの夢かは分からない。
とても悲しい夢。
晴斗
晴斗
冷や汗をかき
魘されている俺はきっと
俺にとって1番最悪な夢だったんだろう。
晴斗
晴斗
目が覚めると汗でびっしょりだった。
もう夢の内容を忘れてしまった。
いや、そんなことはいい。
晴斗
"聞かないと。"
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹