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ー今だけはいいよねー 第2話
俺が聞いてもやはり水春は 答えてくれなかった。
水春
日海
晴斗
水春
水春
晴斗
朝の日がさしたこの道で俺は
水春を見ながらまた言葉を失う。
晴斗
それは水春が無視をしたからだ。
すると思わなかった。
せめて何か言うと思った。
日海
水春
晴斗
日海
晴斗
水春は小学校に上がってからずっと
ずっと一緒だった。
しかしこの春からは
遊びに誘っても用事があると断った。
声をかけても短い返事。
それはもう、偶然でも気まぐれでもない
俺は分かってた。
晴斗
ある日の放課後
俺は水春からの無視に耐えられらず 声を上げる。
晴斗はランドセルを背負い校門まで走った
晴斗
晴斗
校門の近くに水春がいた。
彼女は1人で帰ろうとしている。
友達が近くにいない今がチャンスだと思った。
晴斗
気がついたら俺は水春の方へ走っていた。
晴斗
水春
水春は驚いた様子でこちらを振り返る。
水春
晴斗
胸の奥が
目頭が熱くなっては
言葉が上手く出てこない。
晴斗
水春
でも逃がしたく無いと
俺は掴んだ水春の腕を強く握る
水春
晴斗
水春
晴斗
晴斗
言ってしまった。
周りのざわめきが消えた気がした。
水春
水春は慌てて目をそらす
晴斗
水春
これは誘われるがままに水春について行った。
晴斗
晴斗
放課後の公園。
いや、ただの公園じゃない。
俺らが小さい時からずっと遊んできた公園だ
水春
晴斗
水春
晴斗
自分でも声が震えているのがわかった
水春
水春はランドセルを投げ捨てて俺に抱きついた
晴斗
小さな体が全力でしがみついてくる。
俺は固まってしまった。
水春がこんなにも泣きながら抱きつくなんて
そんなの初めてだったから。
そして何より 水春の声が震えて
涙が流れていることを悟った。
晴斗
水春
肩口がじんわり濡れていく。
晴斗
俺は慌てて周りを見渡した。
幸い、知り合いは居なかった。
晴斗
水春
遠くから小さな子供の声がする。
晴斗
水春
晴斗
晴斗
自分でも情けないくらい 俺の声が優しくなっていた。
俺は戸惑いながらも 小さな体の背中に腕を回す
晴斗
水春
ぎこちないけれど、 抱き返さずにはいられなかった
水春
水春はしばらく声を殺して泣いていた。
そしてぽつり
震える声で呟いた。
水春
晴斗
俺は理解できなかった。
けど、その必死な声に胸を引き締められる。
晴斗
気づけばそう答えていた。
水春
水春は安心したように 更に強く抱き締めてきた。
晴斗
水春
夕暮れの風が2人を包み
空はオレンジ色に染っていた。
晴斗
何があったのか知らない。
でも確かに水春は泣いていた。
そして俺を必要としてくれた。
晴斗
水春
そして俺は強く心で誓う。
晴斗
その約束を水春は聞いていただろうか
水春
水春はただ静かに涙を流していた。
何分経っただろうか。
空は日が暮れそうになっていた。
水春
晴斗
俺はこれが偶然ではないと
分かっていたが、 無理に理由を聞くことを辞めた
晴斗
水春
晴斗
水春
俺らは 子供の声もしなくなった公園をあとにした
歩いていると既に外は真っ暗だった。
水春
晴斗
俺は久しぶりに水春と話せて嬉しかった
時間が経つのが早く感じた。
このまま時間だけ止まってくれればいいのに
水春
晴斗
水春
晴斗
少し頬が熱くなった。
水春
晴斗
それから水春は俺にとても優しくなった。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹