黒髪の柚
黒髪の柚
黒髪の柚
財布を取りに戻ろうとしても
親に捕まり、解放してもらえないかもしれない。
黒髪の柚
kubisama
kubisama
kubisama
behead
behead
behead
behead
kubisama
kubisama
behead
behead
behead
黒髪の柚
……これはまた、面倒な輩に絡まれてしまった。
三人とも大柄で、自信過剰な遊び人、と言った印象だ。
少しずつ違う髪型などで個性を示しているのだろうが
私には金太郎飴のように、同じような人間にしか見えない。
黒髪の柚
金太郎飴たちは好き勝手に盛り上がり
下品な声でゲラゲラと笑った。
……クビカリ様と出会って変われたと思ったのに
こうやって馬鹿にされた時、恥ずかしさと悔しさで俯くしか出来ない
前の弱い自分のまま。
……ああ、早く殺されたい。
恥ずかしさや怒りを脳が感じるから、こんな感情を持ってしまうんだ。
切断された頭を蹴って遠くにやる妄想をしながら、その場をやり過ごした。
突然、三人の後ろから男が現れたと思ったら……
金太郎飴たちが次々にアスファルトに倒れていった。
鼻筋の通って、清潔感がありながらも
どこか危険な匂いを纏う男が、ポケットに何かをしまいながら話しかけてきた。
黒髪の柚
黒髪の柚
黒髪の柚
実際に顔を合わせることができ、感極まって男の人に抱きついた。
クビカリ様
クビカリ様
黒髪の柚
クビカリ様
クビカリ様
促されるがまま、少し離れたところに停められた車に乗り込んだ。
乗り込んだ車は、革張りの椅子がツヤツヤと輝きを放って
ダッシュボードはおしゃれな木目調にカスタマイズされていた。
車に詳しくない私でも、相当いい車だと言うことだけは分かった。
2人が乗り込み、車は滑らかに走り出す。
クビカリ様
黒髪の柚
黒髪の柚
黒髪の柚
助手席で、ボロボロ流れる涙を袖で拭く私に
クビカリ様は、何処からか出したハンカチをそっと差し出してくれた。
それ以降も、つっかえながらポツリポツリと話をする私を
クビカリ様は優しい沈黙と包み込むような受け答えで受け入れてくれた。
車が停まり、クビカリ様に連れられてやってきた場所は
築何十年と知れない、古ぼけたアパートだった。
黒髪の柚
黒髪の柚
クビカリ様
クビカリ様
表札もすっかり剥げてしまった扉の一つを、鍵をガチャガチャ言わせて開けて
その場に不釣り合いな、仰々しい態度で招き入れようとするクビカリ様。
黒髪の柚
黒髪の柚
黒髪の柚
自分をそう納得させ、促されるままドアをくぐった。
扉を潜った途端、私の理想に更に亀裂が入った。
黒髪の柚
黒髪の柚
シンプルで小綺麗な部屋、という都合のいい妄想を信じていたが
その一縷の望みすら粉々になってしまった。
クビカリ様
クビカリ様
クビカリ様
態度を豹変させて、部屋の奥の誰かに話しかける男。
黒髪の柚
黒髪の柚
黒髪の柚
クビカリ様
クビカリ様
クビカリ様?
クビカリ様?
クビカリ様?
クビカリ様?
急に他人行儀になった、「クビカリ様」と信じていた男はそう言い残し
ドアをガチャンと閉めて帰ってしまった。
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