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莉犬side

俺となーくんが軍に入って数ヶ月

俺たちはアメリカで激戦を繰り広げていた

莉犬

はぁ、はぁ…

莉犬

(全然減らない!数が多すぎるよ…)

俺は相手に銃を向けたくなかった

だって、その人の心臓を俺が撃った銃弾が貫くのを見るのが嫌だったから

だから手榴弾ばっか投げてる

言い訳だってわかってる

どっちも命を奪うことに変わりはない

それでも、嫌だった

莉犬

か…囲まれてる…

莉犬

味方も全然いない…!

莉犬

どうしよ…

手が震えた

とうとう銃を使わないといけないのか。

もう使わないと死ぬ

家で待っている弟たちのためにもここで死ぬ訳にはいかない

莉犬

っ……

俺は背の高い草藪の中に身を隠す

数十メートル先にはアメリカ兵がいた

莉犬

スッ

相手の頭に狙いを定める

莉犬

ハァ…ハァ……!

莉犬

っ……!

覚悟を決めろ!

震えと涙が止まらない

莉犬

いやだぁ……ポロポロ

莉犬

俺には……

パァン!

銃声が鳴り響く

背中に生ぬるいナニカがぶつかった

莉犬

っ!?(振り向く)

莉犬

なーくん…!?

ななもり

伏せて!

莉犬

うわっ

俺はなーくんの大きい手で地面に押しつけられた

バン!

ななもり

っ……よし

ななもり

莉犬くん、大丈夫?

莉犬

な、なーくん?

俺は顔を上げてなーくんを見る

莉犬

っ……!

俺は驚愕した

莉犬

そんな…!

なーくんの胸からはたくさん血が溢れていた

莉犬

ごめん…俺を庇ったから…!

ななもり

へへ…莉犬くんに銃は使わせたくないからね

莉犬

早く、救護に…!

ななもり

ううん……もう右の肺がやられてる

莉犬

っ……!

莉犬

いやだ…いなくならないでよ…!

莉犬

なぁくん!ポロポロ

ななもり

ごめんね…莉犬くん

ななもり

莉犬くんだけは生き残るんだよ

ななもり

今から安全なルート教えてあげるから

ななもり

ここの戦いが終わるまで隠れてな?

莉犬

でも…なーくんは?

ななもり

俺はここまでみたい…

ななもり

ははっ…弟たちに申し訳ないなぁ…

莉犬

俺のせいだ!

莉犬

俺が弱いから、なーくんが!

ななもり

莉犬くんは…弱くないよ…

ななもり

君は強くて優しい子……

ななもり

銃なんて、使わせないよ

なーくんはゆっくり地面に崩れ落ちていく

莉犬

なーくん…

ななもり

さ、早く…まだたくさん兵がうろついてるから

莉犬

いやだ

莉犬

ここでお別れなんていや!

莉犬

ずっと俺のお兄ちゃんでいてよぉ…ポロポロ

ななもり

ごめん…ごめんね…ポロポロ

ななもり

人生には…絶対諦めないといけないこともあるの…

ななもり

俺の変わりにさ…弟たちを幸せにして…

なーくんの目がだんだんと閉じられていく

莉犬

っ……

莉犬

わかった……

ななもり

うん…いい子

莉犬

俺、なーくんみたいな人になってみせる

ななもり

ん……がんば…って…

莉犬

ありがとう、俺の最高のお兄ちゃん

そして俺は、森の中を全力で駆け抜けた

視界が潤んでよく見えなかったけど

もう、迷いはない

今度は俺の番だ

戦争を生きる僕たちは、青い空が見たい

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コメント

11

ユーザー

戦争は、全てを変える。 戦争は、悲劇しか生まない。 戦争こそがこの世界に必要ない‼︎

ユーザー

一気読みが終わった瞬間に涙が・・・?戦争なんて消えてしまえ!!どうせなにも生まないんだから!!

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