ある夜のこと
上官
ななもり
上官
ななもり
ななもり
こうして、俺は特攻隊の一員になった
ななもり
それは、人のミサイル
爆薬を積んだ飛行機で相手の戦艦に突っ込む役割
当然、生きては帰れない
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ダメだ。これは光栄なこと
今でもたくさんの人達が亡くなっていく
その中にも当然生きたかった人もいるわけで
国の未来を背負って死んで行った仲間たちもたくさんいる
この戦場で生きている限り明日の保証は一つもない
ななもり
ななもり
とりあえず、莉犬くんには伝えないとな…
ななもり
莉犬
ななもり
莉犬
ななもり
ななもり
莉犬
ななもり
莉犬
ななもり
ななもり
ななもり
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬は、黙って俺を抱きしめた
何も言わないで
ただただ泣き続けていた
莉犬
ななもり
莉犬
莉犬
莉犬
ななもり
ななもり
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
ななもり
その夜は、莉犬くんとたくさん喋った
今までの思い出とか
みんなは無事だろうか、とか
末っ子のるぅちゃんは夜泣いてないかな、とか
大人になったらみんなどんな人になるのかな、とか
その時は戦争なんてないといいね、とか
たくさん、たくさん喋った
当日
とても暑く、夏を象徴するような日だった
ななもり
俺は自分が乗る機体の前に立った
今日、これに乗って、俺は…
ななもり
ななもり
突然、恐怖の波が押し寄せ全身に寒気がはしった
これから死ぬという恐怖
爆発とともに体が引き裂かれ、焼かれ、無惨に飛び散る体
弟たちの顔が同時に浮かび上がり、とてつもない恐怖に襲われた
ななもり
1歩、1歩と後ずさる
逃げ出せるだろうか
家に帰ればみんなが待っている
帰りたい
帰りたい
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
ななもり
そんな当たり前のことでいいのに
それすら叶わない
なんて、戦争というものはこんなにも酷いんだろう
なぜこんな愚かなことをしないといけないんだ
ななもり
俺はたまらず外へ逃げ出した
外へ出ると、そこには夏の真っ青な空が広がっていた
まるで今日という日を祝福するように
ただただ輝いていた
ななもり
泣きながら天を仰いだ
今日、俺が飛び立つ空
なんて
なんて
ななもり
覚悟は決まった
もう俺は逃げない
正直、めちゃくちゃ怖い
それでも行くしかない
みんなの幸せを願って
操縦桿を握り、前の機体が進んだことを確認して、俺もついに外へ出た
滑走路にはたくさんの見送りの人達がいた
みんな、泣きながら手を振っている
そんな人たちをじっと見ていたら
ななもり
5人の弟たちがいた
さとみくんところんくんは必死に何か叫んでいる
ジェルくんは、泣きわめくるぅとくんを肩車して黙って泣いていた
莉犬くんは、みんなの背中をさすりながら必死に涙をこらえていた
ななもり
ななもり
せっかくもう泣かないと決めたのに、涙がどんどん溢れてきた
ななもり
必死に手を振った
顔は多分くしゃくしゃだけど
最後にみんなに会えて嬉しかった
5人
ななもり
久しぶりに聞いたみんなの声
その声に押されるように、俺の機体は離陸していった
敵の戦艦が見えてきた
ななもり
深呼吸をし、狙いを定める
上官
兵隊の仲間たち
近所のおじさん
いつもおまけしてくれた八百屋のおばちゃん
学校の友達
そして、かけがえのない弟たち
今日を生きる人、全てに
ななもり
感謝と祝福を
コメント
4件
お久しぶりです! この話本当に大好きです! 今回も涙ドバドバです(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
おひさです、!! なーくん、、っ 特攻隊員、かっ、😭 ほんと、悲しいですね😭 がちで、ほんとにあったんだと思うと辛いですね、。
お久しぶりです! やはり、この物語は、感動出来ました(T^T) 特攻隊員の恐ろしさが、自分が経験しているように感じてきました。 これ以上の恐怖を味わっていたんだなって、思うと胸が痛いです。 いつも感動的で、気付かされる物語わをありがとうございます