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謎解きは幽霊とともに

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謎解きは幽霊とともに

2 - 謎解きは幽霊とともに -呪いの絵- 第2話

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2019年04月28日

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トウコ

あたしたちだけしかいないね

シン

このバス、土日はほぼ老人しか乗らないからな

トウコ

周りの目を気にせず喋れるね

シン

そうだな

シン

トウコ

どうしたの?

シン

乗客は俺たちだけじゃなかった

シン

もう一人、幽霊がいる

トウコ

え、どこ?

シン

運転席の横に男の子がいるだろ

シン

こっちを見て手を振ってる

トウコ

ほんとだ

トウコ

誰なんだろう…

トウコ

事故で死んじゃったのかな…

トウコ

あ、こっちに来るよ

少年の幽霊

こんにちは

少年の幽霊

生きてるお兄ちゃんと

少年の幽霊

お姉ちゃんは…僕と同じお化けなの?

トウコ

ふふ、お化けで合ってるよ

トウコ

こんにちは

少年の幽霊

生きてる人と話したのはこれが初めてだよ

少年の幽霊

みんな、ぼくのこと見えないんだもん

シン

きみはどうしてここに?

少年の幽霊

お父さんがバスの運転手なんだ

少年の幽霊

それでお父さんのそばにいるんだよ

トウコ

そうなの

トウコ

お父さんのこと好きなんだね

少年の幽霊

うん…

シン

ところできみは、どんなことができるんだ?

シン

物を動かしたり、人に取り憑いたりできるのか?

トウコ

ちょっとシン

トウコ

こんな小さい子が悪さするわけないでしょ

シン

大事なことだ

シン

きみは誰かに殺されたんだろ?

少年の幽霊

僕のこと知ってるんだ…

シン

ニュース見たからね

シン

かなり話題になったから

シン

小学3年生の男子が、自宅付近の公園で遺体で発見された事件

シン

男子はいじめられてたから、それがエスカレートした結果じゃないかって言われてたやつ

少年の幽霊

うん、それだよ

トウコ

その事件ならあたしも覚えてる

トウコ

父子家庭だったんだよね…

トウコ

お母さんが病気で亡くなって…

トウコ

軽々しく言えないけど、すごく可哀想だなって…

シン

結局証拠不十分で誰も捕まらなかったけどね

シン

それできみは、いじめっ子たちに復讐するつもりなのか?

少年の幽霊

ううん、そんなことしないよ

少年の幽霊

ていうか、ぼくにはそんな力はないみたいだし

シン

じゃあ、なんでこの世界に留まっているんだ?

シン

幽霊としてこの世に留まっているってことは

シン

何かしらの心残りがあるんだろ?

トウコ

いじめっ子たちが許せないから、とか?

トウコ

そいつらは今も普通に生活してるんだよね

トウコ

バチが当たるところが見たいとか

少年の幽霊

少しはそう思ったよ

少年の幽霊

でも、それよりも知りたいことがあるんだ

少年の幽霊

ぼくは何で生まれて

少年の幽霊

なんで殺されたのかって

シン

小学生のくせに難しいこと考えるんだな

少年の幽霊

うん

少年の幽霊

だってさ…

少年の幽霊

ぼくはいじめっ子に殺されたんじゃないもの

少年の幽霊

ぼくは、お父さんに殺されたんだ

トウコ

どうしてお父さんに殺されたのか知りたい、かぁ…

トウコ

いじめっ子たちに殴られて帰ってきて

トウコ

お父さんにトドメを刺されるなんて…

トウコ

すごく可哀想なのは当然だけど

トウコ

どういうことなんだろうね…

シン

さあ…

シン

わからないからこそ、あの子はこの世に残ったんだ

シン

…………

シン

なあ、トウコ

トウコ

なあに?

シン

トウコが化けて出てそろそろ一年経つが

トウコ

その表現はやめてよ

シン

悪い悪い

シン

そろそろなにかわかったか?

シン

どうしてこの世に留まってるのか

トウコ

ううん、なーんにもわかんない

シン

トウコが死んだのは二年前

シン

だけどお前が幽霊として俺のもとに現れたのは一年前

シン

その空白の一年間、なにがあったのか

シン

そこを思いだせれば

シン

きっとお前がこの世に留まる理由もわかると思うんだ

トウコ

幽霊になるのは、普通は死んだ直後なんだっけ

シン

そう

シン

死んだ後に幽霊になって

シン

一年間どこかにいて

シン

何かしていたはずなんだ

トウコ

でも、あたしは覚えていない…

シン

俺は色々な幽霊を見てきたけど

シン

こんなことは初めてなんだ

シン

だから理由があると思う

シン

まあ、死後の世界の事情はわからないことばかりだ

シン

俺と同じ体質だったばあちゃんも

シン

詳しいことは知らないみたいだったし

トウコ

あたしがこの世に留まる理由、かあ…

トウコ

それがわかれば、あたしも成仏できるのかな

シン

たぶん、な

トウコ

だけど、あたしは別に──

シン

別になんだ?

トウコ

ううん、なんでもない

シン

しかし、休日まで学校行くことになるとはなぁ

トウコ

まあまあ、部活やってれば来る人もいるし

トウコ

事件の調査も部活だと思おうよ

シン

部活ねぇ…

シン

ミノリもいい加減

シン

少しは大人になってくれればいいのにな

トウコ

だよね

トウコ

相変わらず幽霊とか死後の世界とか

トウコ

まあ、実際あるんだけど

トウコ

あたしたち双子なのに

トウコ

どうしてこんなに違うのかね

トウコ

あたしはもっと生きたかったってのに

トウコ

ミノリは死にたがってばっかり

シン

…………

シン

幽霊になってこの世に残るのはつらいか?

トウコ

別につらくはない

トウコ

わりと悪くはないよ

トウコ

シンと一緒にいられて楽しいし

トウコ

あ、今ちょっと照れたでしょ?

シン

…………

トウコ

ごめん、茶化す場面じゃないよね

トウコ

大丈夫

トウコ

本当につらいとは思ってないよ

トウコ

シンと一緒に事件の調査をするのってさ

トウコ

小学生の頃の探偵団を思いだすしね

トウコ

覚えてるでしょ、「真実の瞳探偵団」

シン

忘れるわけないだろ

トウコ

猫を探したり、学校の七不思議を調べたり…

トウコ

遊びで始めた探偵ごっこだったけど

トウコ

いつの間にか本気でやってたよね

シン

ミノリ、トウコ、そして俺

シン

三人で色々な謎を追ったよな

シン

本当に楽しかったよ

シン

…………

トウコ

…………

トウコ

もうこの話は終わりにしよっか

シン

だな…

トウコ

それより、ミノリの言う呪いの絵はどんな絵なの?

シン

ああ、ミノリから画像が届いているんだった

シン

これがそうらしい

トウコ

うーん…

トウコ

なんか気味悪いね

トウコ

幽霊のあたしでも怖いよ

トウコ

ん…?

トウコ

この背景の模様さあ

トウコ

なんとなく数字の「202」に見えない?

シン

そうか?

シン

まあ言われてみれば…

シン

でも自画像の背景に数字なんて書かないだろうし

シン

ただそれっぽく見えるだけだろ

トウコ

そうだよね…

トウコ

気のせいか

トウコ

学校に着いたね

トウコ

もし幽霊の仕業だったら、それを否定しないと

シン

だな

シン

現実的なトリックで現象を再現して

シン

霊現象を否定する

シン

そして幽霊なんて存在しないとミノリを納得させる

トウコ

それができなければ

トウコ

ミノリは自殺しちゃうからね

シン

ミノリを守るために、頑張るか

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