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恋愛短編集

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9

ヒガンバナ

♥

173

2019年09月07日

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肌寒い秋の日。

俺は病院で、君と出会った。

彼方

初めまして

彼方

今日から同じ病室
になる、彼方です

初めまして!

私、花っていいます

黒くて短い髪の、女の子。

君は、名前にふさわしい、

花のように咲く綺麗な笑顔で 俺に笑いかけた。

同じ病室になって、花と 仲良くなった頃。

私ね、もうすぐ
死んじゃうんだ

生きられるのは、
秋の間までかなー

彼方

!!…

君が、衝撃的なことを告げた。

ごめんごめん!

反応しづらいこと
言っちゃったね!

君はまるで、秋の間にしか咲けない 彼岸花のようだった。

秋も、もうすぐ終わる。

俺は、体調が良くなって

退院することが決まった。

退院おめでとう

また、病室に
一人だなー

君は寂しそうにつぶやく。

彼方

………

彼方

これ、君にあげるよ

そう言って、後ろに隠していた、 真っ赤な彼岸花を

彼女に渡した。

これ、彼岸花?

彼岸花って、
死人花って別名も
あるんでしょ

私への当てつけー?

君は怒ったように唇を尖らせた。

本当は、全然怒っていない のだろうけど。

彼方

彼岸花の花言葉は、

彼方

思うはあなた一人

彼方

また会う日を楽しみに

病室の中を、一つの風が吹き抜けた。

…………

彼方

俺、花のことが
好きだよ

彼方

これからも、花だけ好き

花は、静かに俺の言葉を聞いていた。

彼方

きっと、手術が成功する
って願ってる

彼方

俺は、もう退院して

彼方

病院から居なくなるけど

彼方

またいつか、

彼方

元気になった花に
会えるって、信じてる

……うん

私、生きるよ

生きたい

花は、泣かなかった。

ただ、花のように咲く笑顔で 笑っていた。

あれから半年たった。

花には、会っていない。

しょうがないか。電話番号も、 何も知らなかったんだから。

でも、俺は絶対に会えるって 信じている。

彼方

あ、

彼方

彼岸花だ

道端に、季節外れの彼岸花が 咲いていた。

彼方

綺麗…

俺は道端にもかかわらず、 しゃがみこんでその花を見つめた。

??

うわぁ、綺麗…

同時に、

俺の隣に、女の子がしゃがみこんだ。

隣に顔を向けた。

2人、目を、見つめ合う。

この作品はいかがでしたか?

173

コメント

12

ユーザー

何でしょうぉうぉ

ユーザー

あ、確かに★ぶりっ子って何なんやろぅぉぅぉ🤔

ユーザー

なんか、ぶりっ子というか、言葉をめっちゃ伸ばす人ですね🤣

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