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三日月さんの事件簿

第2話 - 凶器のない殺人事件【2話目】

2021年02月23日

#ホラー

#ミステリー

#事件簿

KANA0609

山和歌

あまり事件に関係ないこともお話しますけど
いいですか？

三日月

えぇ。実は関係あることだった、ということもよくありますし。

山和歌

わかったわ。

山和歌

実はね、私の夫がね、犯人なんじゃないかと思うのよ！

三日月

え？

三日月

あなたの旦那様が？

山和歌

そうなのよ。

山和歌

だってあの人ったら、この事件のことを私が話す前から知っていたのよ？

山和歌

おかしいと思わない?!

三日月

そう、ですね･･･。

山和歌さんは普段見たこともないほど興奮している様子だった。

三日月

でも決めつけはよくありません。

山和歌

そう？

山和歌

あ、あとはね、私の知り合い、佐々木真美は、おかしなことを言っていたの。

山和歌

あれは、旦那さんの遺体をみながらどうしようかと戸惑っていた時のことよ･･･

佐々木

ねぇ、よみちゃん。

山和歌

何？

佐々木

あのさ･･･この事件揉み消してもらわない？

山和歌

え？

山和歌

揉み消す？

山和歌

どうやって。

佐々木

えっと、あ、うーん･･･やっぱ、なんでもないや。

山和歌

そう？

山和歌

それにしても、このトロフィー、凶器なのに血がついてないなんて本当に不思議ねぇ。

佐々木

凶器じゃないのかもね。

山和歌

でも、書斎に飾ってあったものがここにあるなんて、凶器に違いないわ。

佐々木

まぁそうね。

山和歌

･･･まっちゃん？

佐々木

･･･あっ、な、何？

山和歌

ボーッとしてるけど、大丈夫？

佐々木

え、えぇ。なんともないわよ。

山和歌

ふーん･･･

山和歌

その時ね、何故かまっちゃんはね、自分が立っている畳を何度も見ていたの。

山和歌

まるで、なにか汚いものでも置いてあるかのように眉間に皺を寄せてキョロキョロしていたわ。

山和歌

あれは、本当に不思議な行動だったわよ。

山和歌

しかも、焦っているような感じだったし。

三日月

焦っているような･･･

三日月

･･･あ！

私は、1つの推理が頭の中で完成した。

三日月

山和歌さん。

山和歌

は、はい？

三日月

佐々木真美さんに会わせていただけません
か？

山和歌

まっちゃんに？

山和歌

まぁ、いいですけど。

山和歌

今連絡してみますわね。

三日月

はい。

三日月

ありがとうございます。

それから1時間後。

佐々木さんが家に到着した。

三日月

佐々木さん、ですね。

佐々木

あ、はい。

三日月

初めまして、三日月恵里香と申します。

佐々木

どうも･･･。

佐々木

何の用ですか？

佐々木

私は、夫が殺されてとっても辛いって言うのに。

三日月

ではなぜ揉み消そうとしたのですか？

佐々木

･･･っ！

佐々木

よみちゃん、あなた、そんなことまで･･･

山和歌

え、話しちゃまずかったかしら？

佐々木

･･･まぁいいや。

佐々木

早く要件済ませてください。

三日月

では、単刀直入に聞きます。

三日月

あなた、旦那様を殺しましたね？

佐々木

･･･はぁぁ?!

佐々木さんは、動揺しだした。

佐々木

な、何を言ってるのよ！

山和歌

そ、そうよ、三日月さん。

山和歌

そんなわけないじゃない！

三日月

違うというのならば、畳を眉間に皺を寄せながら見ていた理由を話してください。

佐々木

た、畳?!

佐々木

あっ、いや、あれは･･･

佐々木

血、血が畳についていないといいなぁって･･

三日月

違いますよね。

三日月

そこに、縛った旦那様を隠しているからですよね？

佐々木

っ！

山和歌

縛った･･･旦那さん？

山和歌

どういうことなの、三日月さん？

佐々木

で、デタラメはやめて！

三日月

デタラメじゃありませんよ。

三日月

そう考えれば、辻褄が全て合うんですよ。

三日月

山和歌さん、佐々木さんが犯人でないと思うのなら、旦那様の遺体だと言っていたものを見てみてください。

三日月

本当に旦那様ですか？

山和歌

え、旦那さんだったはずよ･･･

三日月

本当に、本当ですか？

三日月

そっくりさん、とかいうことは有り得ませんか。

山和歌

そ、そっくりさん?!

三日月

えぇ。失礼なことを言いますけれど

三日月

佐々木さんの旦那様、山和歌さんと一緒で、50代前半のおじ様ですよね。

三日月

それならば、高齢化が進んでいるこのご時世ならば

三日月

同じような顔をしたおじ様なんて腐るほどいますでしょう。

佐々木

そんなわけないわよ！

佐々木

わ、私が自分の夫の顔を見間違えると言いたいの?!

三日月

いえ。あなたは旦那様を殺したのですから旦那様の顔が違うとわかっていてもどうだっていいんですよ。

山和歌

三日月さん、何故まっちゃんにそんな酷いことをいうの？

山和歌

まっちゃんは人を殺すような悪人じゃないわよ。

三日月

そう思っていればいい。

三日月

今から、ちゃぁんと種明かししてあげますからね。

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