そうして、何週間か経った。
電話のコールが鳴り響く。 яは勢いよく受話器を手に取った。
ソビエト
ソビエト
ソビエト
ソビエト
空っぽの言葉を打ち出しながら、なんとか電話が終わる。 ツー、ツー、と受話器から音が鳴り始めた。
ソビエト
ナチスを引き取ることになった。
安堵のため息か、不安のため息か、それとも。 少なくとも、яの気が少し重くなったのは事実だろう。
...яは、急いで準備をして、 小走りで家を出た。 あれ、...鍵閉め忘れたっけ。 いや、もう、....なんでもいいや。
スイス
スイスは申し訳程度にそう言って、 車椅子に乗ったナチスをこちらへ見せた。
やはり彼に生気は感じられなかった。 顔だけをこちらに向けている。 こっちを見ているはずなのに、君のその真っ黒な目は、 どこか遠い遠い虚空を見ているように感じられた。 虚空、...というか、 яには見えていないものを見ているような、そんな感覚だった。
スイス
スイス
「яを見ても暴れる様子が無いから大丈夫」 という意味だ。 яは心底安心した。 何に安心したのかはわからないが。
ソビエト
ソビエト
яはそう言って、車椅子に手をかけた。 取っ手はわかりやすいゴムの感触がした。...不思議なくらい、冷たかった。
スイス
スイス
яは足を止めた。 ぐるりとスイスの方を振り向くと、 なんともいえない表情のスイスがそこに居た。
スイス
яは、スイスが言おうとしていることが、なんとなくわかった。
ソビエト
ソビエト
スイスはちょっともどかしそうに、 「...あぁ、」 とだけ呟いた。
яはものすごい嫌悪に襲われた。 ふとナチの方を向くと、ナチスは何も判っていない様子でこちらを見ていた。
ここまで殺気立っているяを見て、 ここまで純粋でいられるのか。
яは言った。
ソビエト
ソビエト
яはふと、ナチスの身体に触れた。
....瞬間、ナチスの身体がピクッと反応した。
ソビエト
ソビエト
顔を覗き込んだ。 言葉を失った。
ナチスは、とても恐ろしそうな顔をして、 яの方をふるふると向いた。 ...かと思ったら、すぐに表情は直った。
もう一度触れてみても、反応はない。
だけど、яの頭には、その顔が非常に鮮明に刻まれていた。
ソビエト
яはそうつぶやいた。
ごめんな、本当に、
もう、яなんて、яなんて、......
「もしかしたら、お前も」
「壊れてい」
ソビエト
パチッ、と目が覚めた。
どうやら、随分と昔の夢を見ていたようだ。
ソビエト
ソビエト
殴ったときの記憶も、 その後の記憶も、 яは一切を覚えている。
それが苦しくてたまらない。
яは書類の上に突っ伏していて、 ナチスはそんな俺を不思議そうに見つめていた。
ひとつ、頭を撫でてやろうかと思ったが、 ...なんだか怖くて、 яは手をひっこめた。
コメント
5件
うっわ、ド性癖ストライク(?) ありがとうございますッッッッ 嗚呼、もっと欲しいッッ(?)
( ◜ཫ◝)ヴッ…メッチャスキカモ…ゲンゴデイイアラワセナイクライ
最高神天才最優秀賞(偽中国語