テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
623
それは、語られることのなかった物語。 森には狼がいた。 人を喰らう獣として恐れられ、 狩人に追われ続ける存在。 そして、赤いずきんを被った 一人の少年がいた。 本来なら、この二つが出会ったとき、 結末は決まっている。 狼は少年を喰らい、狩人がそれを討つ。 ただそれだけの、どこにでもある昔話。 ――けれど。 この物語には、ひとつだけ、 決定的に異なる点がある。 狼は、少年を喰わなかった。 喰えなかったのか、喰わなかったのか。その違いを知る者は、 もうどこにもいない。 残ったのは、事実だけだ。 少年は生き延び、 狼は“人を喰らった獣”として討たれた。 それが真実として語られ、 それ以外はすべて、 なかったことにされた。 守ることは、抗うこと。 抗うことは、世界を敵に回すこと。 それでも狼は、牙を引っ込めた。 その瞬間から、結末はもう変わらない。 これは、“喰わなかった狼”と “逃げなかった少年”の、 誰にも知られることのないまま 終わる物語。
コメント
5件
新作ですか!?もう神作なのが分かります!!!! 続きも楽しみに待ってます!!!!(っ ॑꒳ ॑c)タノシミ!!
また最高なお話を! 楽しみすぎるよ🥹