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ボクはキミに恋をした

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ボクはキミに恋をした

82 - 白馬の王子とお姫様

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2023年02月04日

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〜遊園地ダイジェスト〜

その1:コーヒーカップ

智弥

回せ回せ〜っ!!

彼方

ちょっ、おい、話が違っ……!!

真冬

と、とも君待って、僕も酔う……!!

わしらも行くぞ〜っ!

翔太

うわ〜っ! 96ちゃん回しすぎ〜!!

星奈

棗ちゃんいっけ〜っ!!

真夏

せ、星奈ちゃんまで〜……!?

その2:お化け屋敷

〜1グループ目〜

つ、つっきー、絶対離れんなよ……!?

翔太

大丈夫大丈夫! たかがお化け屋敷だから!

何でそんな余裕そ……

ドンッ!!

ぎゃあーっ!?

翔太

うわっ!

翔太

あっははは! ほら96ちゃん、次行こ次!

もうつっきーが1番怖いわっ……!

〜2グループ目〜

真冬

わ、かなり暗い……

彼方

っ……

ドンッ!!

真冬

うわあっ!?

彼方

なにぃっ!?

真冬

わっ、ちょっ……!?

真冬

……あ、あのぉ〜……

彼方

え……?

真冬

あ、歩きづらいので、ちょっと離れてもらえると……

彼方

あ……ご、ごめん……

〜3グループ目〜

真夏

く、暗いっ……!

智弥

だだ、大丈夫だよ、俺がいるからっ!!

星奈

智弥さん声震えてません?

智弥

星奈余計なこと言わないっ!

ドンッ!!

智弥

ゔわーっ!?

真夏

わああっ!?

星奈

あははっ、智弥さんほんとビビリですよね〜

智弥

そ、そんなことないしっ!!

真夏

星奈ちゃんなんで平気なの……!?

〜彼方 side〜

俺は何にも乗らないって言ったの 聞いてたのかこいつら……!!

問答無用でコーヒーカップに 連れられて、終わった後は お化け屋敷で……

彼方

(叫びすぎてちょっと喉痛い……)

挙げ句の果てに、何故かメリー ゴーランドに連れて行かされている今

しかも、王子だから白馬に乗れ、 とのこと

彼方

だから俺は王子じゃないって言ってんだろ

智弥

瑞樹さんが呼び始めたのが運の尽きだよ。ほら、乗った乗った!

そう言いながら、俺の背中を グイグイと押す智弥

智弥

……あ、どうせならお姫様も乗せてみる?

彼方

は?

どうしてその考えに至ったのか 意味が分からない

まず俺は乗りたくないんだけど

星奈

お〜、なんか面白そうですね!

星奈

お姫様なら、やっぱり真夏ちゃんとか……

真夏

えっ!? いやっ、それなら、真冬の方がいいんじゃないかなぁ!?

真冬

えっ、僕!?

お姉さんはまぁ分かるけど…… なんでそこで弟の名前が出てきた?

た、たしかに! いつも一緒にいるもんな!

翔太

顔同じだし、相方だしねっ!

何故か96猫と天月もそれに乗って、 そう言い始める

智弥

おっ、じゃあまふ君乗る?

真冬

え、えーっとぉ〜……

彼方

智弥、真冬困ってるだろ

じゃあそらるん1人で乗るか?

彼方

ゔっ……

彼方

(……いや、それは……)

この歳でメリーゴーランドに 1人で乗るのは、流石に避けたい

智弥

よし、2人とも行っといで! 見えたら手振るから!

彼方

は? ちょっ……!

真冬

ええっ!?

今度は真冬と一緒に背中を押されて、 並んでいる人の列の最後尾に 押し込まれてしまった

真冬

……あっ、と、とも君とも君!

何かを思いついたらしい真冬が、 慌てて智弥を呼び戻す

智弥

ん?

真冬

こ、こうなったらさ、いっそみんなで乗らない?

……つまり、全員道連れに してやろうと?

彼方

外で突っ立ってんのも暇だろ

俺もその案に乗って、 智弥を手招きしてみる

智弥

えっ、いや、外で手振る人も必要じゃない?

真冬

それもいいけど、僕はみんなで乗りたいかなぁ……?

みんながいる方に目線を向けながら、 ニコリと笑ってそう言った真冬

一瞬だけ、智弥に黒い笑みを向ける 藍斗と姿が重なる

智弥

う……わ、分かった! みんな呼んでくる!

どうやら友達の頼みは断れない らしく、全員を連れてまた 戻ってきた智弥

彼方

……よくやった

真冬

流石に、この歳でこれはキツいですよね……

〜真夏 side〜

智弥

まさか俺らも乗ることになるなんて……

一緒に列に並んでいると、香月君が 項垂れながらそう言った

翔太

たしかに高校生だとねぇ……

これはまふちゃんの黒さを知らなかったわしらが悪いわ……

真冬の黒さは、さっき遠くから 見えたあの笑顔のことだ

たしかにあれは私も見たことが ないし、まさか道連れにされるとは 思わなかった……

彼方

ほら、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』って言うだろ

智弥

それ生徒会長が言っちゃう?

『みんなで渡れば』……たしかに、 あながち間違いではない?

真冬

あっ、みんな、前の人終わったみたいだよ

真冬に言われてその方を見ると、 回転が止まって、人が降りていって いるところだった

彼方

自分だけだと思わなければ怖くないんだろ

そう言いつつ、会長が メリーゴーランドの方に進んでいく

星奈

なんか、核心をついたような言い方でしたけど……

真夏

わ、私たちも行こ!

困惑している星奈ちゃんを宥めつつ、 みんなを乗り物の方へ促した

智弥

まふ君は彼方兄と一緒に白馬に乗ってね!

真冬

う、うん

翔太

96ちゃん96ちゃん!

おっ、久しぶりにするか?

この2人は……競争かな?

昔から、メリーゴーランドで それぞれ隣の馬に乗って、 “競争”をしている2人

もちろん優劣のつけようはないから、 勝敗が決まったことはないけど

智弥

何するのーっ?

そこに香月君も飛び込んでいって、 残るは私と星奈ちゃん

真夏

私達はあれに乗ろっか

そう言って、馬ではなく馬車を指差す

2人で向かい合って座って、 せっかくだからと、スマホのカメラで 自撮りのツーショットを撮った

最初は躊躇ってたけど、 いざとなると、みんな楽しそうに 馬に乗ってる

それになっちゃん達も、 何だか昔を思い出すなぁ

スタッフ

間も無く出発いたします!

そのアナウンスと共に、 少しずつ動き出した

〜真冬 side〜

馬に乗る直前、僕に手を出して、乗り やすいように支えてくれた彼方先輩

白馬も相まって、 何だか本物の王子様に見える

そんなこと言ったら、 また怒るだろうけど

後ろに乗ってからは、落ちないように 彼方先輩の肩に捕まった

懐かしいなぁ、昔は僕が怖がって、 こんな風に姉さんと一緒に乗って もらってたっけ

彼方

別に言う通りにしなくてもよかったと思うけど

前を向いたまま、 彼方先輩にそう言われる

真冬

みんなにも乗ってもらったし、そうした方がいいかなと思って……

……っていうのは口実で、 本当は、僕が一緒に乗りたかった からなんだけどね

彼方

あっそ……。

彼方

……危ないから、捕まるならこっち

真冬

わっ……!?

突然肩に置いていた右手を掴まれて、 彼方先輩の腰に腕を回させられた

こ、この体勢だと、さっきより 距離が近いんだけど……!?

彼方

左も

真冬

あっ、は、はいっ……

そう言われて、慌てて左手も 同じようにする

彼方

……

真冬

……

沈黙のまま時間が流れて、アナウンス の後、メリーゴーランドが動き出した

僕らの少し後ろの方で、天ちゃん達の 楽しそうな声が聞こえる

けど、何て言ってるのかまでは 聞き取れない

……ひたすらに気まずい

特に話すこともないまま、馬が上下 しながら、淡々と景色が過ぎていく

彼方

……真冬

真冬

は、はい?

ふと彼方先輩に呼ばれて、 その方を向く

と、何故かスマホのカメラを こちらに向けていた

いつもの無表情な先輩と、キョトンと した赤い顔の僕と、乗っている 白馬も映っている

カシャッ

彼方

証拠残さないとあいつがうるさいから

それで、僕らが白馬に乗ってる 写真を……っていうこと?

彼方

……あと、記念

え、記念……?

彼方

後で送る

真冬

あ、ありがとうございますっ

一緒に乗った“証拠”っていうだけ じゃなく、“記念”っていうのが…… なんか、嬉しい

真冬

これ終わったら、次どこ行きます?

彼方

もう昼だしフードコートとか

言われてみれば、たしかに お腹が空いてきた

彼方

……っていうか、今普通の声量で話しかけないで。近いから

真冬

す、すみません

そ、そうだ、今の僕らの距離、 めちゃくちゃ近いんだった……

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