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あれからしばらくして、夜が明ける頃。

にゃぽん

……んん。

にゃぽん

痛っ…。

にゃぽんが静かに目を覚ました。

頭が重く、体は鉛のようにだるい。

にゃぽん

……なんでベッドに…?

どうも一日中寝ていたらしい。

首に手を添えた瞬間、包帯の感触に気づく。

にゃぽん

……誰が手当したんだろう。

寝室を出て、ふらふらとリビングへ歩く。

そこには日本の姿はなかった。

散乱した救急道具、血のついた包帯。

にゃぽん

お兄ちゃんが…手当てを…?

記憶が、断片的に蘇る。日本の怒り、刃物の冷たさ、痛み――

ソファに座り込むと、そのまま動けなくなった。

(ピンポーン)

玄関のチャイムが鳴った。

台湾

ねえ、今いるー?台湾だよー開けて〜

けれど、にゃぽんには応じる力がなかった。

台湾

今いないのか…ん?

台湾はドアノブをひねると、鍵は開いていた。

台湾

……入るよ。

玄関を入った瞬間、異様な気配に眉をひそめる。

にゃぽん

うぅ…

遠くからうめき声が聞こえる。

台湾

にゃぽん!?

急いでリビングへ駆け込んだ。

そこにいたのは、ぐったりとソファにもたれ、目に光のないにゃぽんだった。

台湾

にゃぽん!?

台湾

聞こえる!? 大丈夫!? ねえってば!!

にゃぽん

もう…疲れた。

台湾

疲れた…?

にゃぽん

色々ありすぎて。もう、知らなくていい。

台湾

え…?

にゃぽん

本当のお父さん、知らなくていい。

にゃぽん

私が秘密を探ったせいで…お兄ちゃんは…

にゃぽんの目から涙が溢れた。

にゃぽん

知らないほうが良かった…

台湾

にゃぽん、そんなことないよ!

台湾はにゃぽんを抱きしめ、震える背中をそっとさすった。

台湾

と…とりあえず、休も!

台湾

パラオとかアメリカも呼ぶから…元気出して!ね!

台湾は急いで連絡を取った。

(ガチャッ)

アメリカ

にゃぽん大丈夫か!

パラオ

お姉ちゃん〜!!

すぐにパラオとアメリカが駆けつけてくれた。

アメリカ

おい。何があった!

パラオ

ねえ大丈夫なの?!

台湾

ちょっと落ち着いて!実はね…

台湾が簡潔に状況を説明する。

アメリカ

つまり、台湾が見つけた時にはすでにこの状態だった…と。

アメリカ

誰にやられたんだ。俺が徹底的にシバいてやるから、名前言ってみろ。

にゃぽん

私のせいなの…。

アメリカ

え?

にゃぽん

私が…お兄ちゃんの秘密…勝手に探って…

にゃぽん

お兄ちゃんが…

アメリカ

よし、ジャパンだな。引きずり回してくる。

アメリカの目には怒りが宿っていた。

台湾

ちょ、ちょっと!

(ガチャッ)

台湾が慌てて止めようとするが、アメリカは無言で家を出ていった。

パラオ

まずいよ!💦今のアメリカだと本当にボコボコにしちゃう!

パラオも顔を青くする。

台湾

…どうしようもない。

パラオ

ええ💦

台湾

…とりあえず、何があったのか、話して。

台湾が落ち着いた口調でにゃぽんに尋ねた。

にゃぽん

私が秘密を探ったら…お兄ちゃんが“娘でも容赦しない”って…

にゃぽん

その後、首に短刀当ててきて…ん?

にゃぽん

娘…?

にゃぽんは自分の言葉に困惑した。

台湾

え、娘…?日本がそう言ったの?

にゃぽん

うん…確か。

台湾

……なんで?

にゃぽん

なんでだろう…

台湾

まさか…日本が…

にゃぽん

…そ、そんなわけ無いと思う、流石に…

にゃぽん

…聞き間違いかも。

その日の夜。

台湾

夜ご飯は僕らが作るよ。

にゃぽん

いや…申し訳ないからいいよ…

パラオ

遠慮しないの!お姉ちゃん!

パラオと台湾は冷蔵庫の食材で野菜スープを作った。

台湾

どう?おいしい…?

にゃぽん

…うん、おいしい。

パラオ

やった〜!

にゃぽんは微笑んだ。

その頃――

日本は夜の路地を、ふらふらと歩いていた。

アメリカ

やっと見つけたぜ。ジャパン。

アメリカが道端に立っていた。

アメリカ

ってことで、お前を一発殴りま〜す。

言葉とは裏腹に、目は本気の怒りに満ちている。

日本

殴ってください。

アメリカ

あ?

日本はその場に正座した。

日本

私は…大変なことをしてしまいました。

日本

だから…私を殴ってください。

アメリカ

…。

アメリカ

はぁ…(ため息)

アメリカ

お前なあ…

アメリカは拳を下ろした。

アメリカ

実の娘まで傷つけちまうなんて、はっきり言ってお前サイテーだぜ。

日本

…。

アメリカ

…にゃぽんが回復しなかったら、お前は終わりだ。

アメリカ

国連総会で吊るし上げられて、国際裁判所行きかもな。

日本

それだけは…!どうか…!

アメリカ

ちょっと脅してみたかっただけだよ。そんな怯えんな。

アメリカは笑みを浮かべたが、その目は真剣だった。

アメリカ

ちゃんと回復してるから安心しろ。

日本

ありがとうございます…本当に…。

アメリカ

……にしても、ここまで約80年間、俺達で隠し通してきた秘密が、ここでバレそうになるとはなあ。

アメリカ

どうするつもりなんだ?

日本

それは…。

アメリカ

いい加減認めてもいいんじゃねえか?

日本

……え?

アメリカ

お前が実は…

日帝だったことをだよ。

(つづく)

貴方(日帝)に会いたくて…。

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