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如月りんねが蝶屋敷での治療を終え、再び任務に復帰してから数日後――
彼女に託された任務は、炎柱・煉獄杏寿郎の支援として無限列車へ向かうことだった
夜明け前の霞む駅へと向かう途中、りんねはとある四人組と鉢合わせになる。
不意にぶつかってきた少年――我妻善逸が、驚いた顔で飛び退く。
嘴平伊之助が、鋭い目でりんねの顔をジッと見つめるが、りんねに覚えはない。
りんね
炭治郎
竈門炭治郎が柔らかな笑みで返し、丁寧に頭を下げる。
炭治郎
その笑顔に、りんねの心が少しだけ和らいだ
りんね
りんね
静かにうなずいたその横で、善逸がなぜかりんねの手を取って叫ぶ。
善逸
りんね
善逸
そんな騒がしいやりとりのなかで、無限列車の汽笛が遠く響いた。
りんねの視線はその先にある任務の地――運命を変える列車へと向いていた。
列車の中は、昼でもないのに暗く、妙に静かだった。
だが、車両の一角から聞こえる――異様に明るい声が、空気を破った。
?
りんねが顔を向けると、車両の一番前の席で、炎柱・煉獄杏寿郎が満面の笑みで弁当をかきこんでいる。
りんね
りんね
煉獄
煉獄は力強くうなずき、弁当の箸を止めることもなく応えた
煉獄
りんね
炭治郎たちも後ろから続いて名乗りを上げると、煉獄は一人ひとりに力強く頷いた。
煉獄
煉獄
一瞬、りんねの胸に温かい何かが宿った。
りんね
初めて「柱」としての存在を、心から感じた瞬間だった。
列車はゆっくりとトンネルへ入り、窓の外が真っ暗になる。
その静けさの中で、禰󠄀豆子の入った箱に、煉獄の目が向けられた。
煉獄
りんねは息をのむ。
だが煉獄は、また大きく頷いた。
煉獄
炭治郎の目が一気に潤む。
そして、りんねもその横で、知らず知らずのうちにほっと胸を撫で下ろしていた。
りんね
彼女の心に小さな希望の火が灯ったとき―― 列車の影で、何かが不穏にうごめいていた。
りんね
雪の中の道をりんねの妹と弟がりんねを連れて歩き、その後ろからりんねのお兄ちゃんがついていく
りんね
りんね
りんねの目からは今まででたことのない涙が溢れ出してくる
お兄ちゃん
笑いながらそう言ってりんねの涙を指で拭いてくれる
お兄ちゃん
お兄ちゃん
りんね
りんね
りんね
りんね
そうだ。これ夢だ。
りんね
お兄ちゃん
りんねはその“夢”の中で、確かにそう思っていた。
だけど、心はどうしても揺らいでしまう。
――このまま、ここにいられたらなぁ
ふと、そんな気持ちさえ、よぎるほどに。
りんね
りんね
大粒の涙を溢しながら必死に走る
りんね
誰かが呼んでいる?
すぐ後ろから、必死な声が響いた。
りんね
その声は、まるで心の奥底に直接響くようで、りんねの胸が強く締めつけられる。
りんね
聞いても男は答えない。
ただ、真っ直ぐにりんねを見つめたまま、さらに言葉を重ねた。
?
?
言葉の意味が分からない。でも、その声音には不思議と懐かしさがあった。
何か大切なものを、呼び起こされるような感覚に、りんねの喉が自然と動いた。
りんね
手元には、気づけば刀があった
りんね
覚悟を決め刀を振る
白い世界が、音を立てて崩れ落ちた。