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自由

二次創作 暗め 兄弟

お兄ちゃんはよく僕にものを頼む

お皿洗って

テレビつけて

飲み物ついで

ご飯作って

洗濯ものして

僕は全部従う

お兄ちゃんも大変だから

僕がやらなきゃいけないんだ

ずっとそう思ってた

洗濯ものを取り込んでるとき ふと窓から部屋をのぞいた

お兄ちゃんがなにしてるか気になった

そしたらなにもしてなかった

その瞬間なにもかもどうでもよくなった

てか僕なんでやってるんだろう

お父さんとお母さんが家を出て行って

お兄ちゃんと2人暮らし

お兄ちゃんはもう社会人だけど 働かないでずっと家にいる

高校生のぼくがバイトもして

勉強もして

家事もして、

一気にこの状況が笑えてきて

こんなことをしてる自分が 酷く虚しくかんじた

その日僕は取り込んだ 制服をハンガーに掛けなかった

畳むこともせず、

くしゃくしゃにタンスに押し込んだ

ベッドに大の字に寝転びながら 明日のことを考えた

明日の朝はご飯も作らずに 出ていってしまおうか

制服も着崩してみよう

何なら私服で行ってしまおうか

やっば、

めっちゃ楽しいわ

色々楽しい妄想をして 眠りについた

おい、飯は?

ん、…

つくんない、

いや、

俺なに食えばいいの

知らない…っ!

お前あんま調子乗んなよ

てか制服ボタン閉めろよ

ん、閉めない…

は、

ふざけんな…、っ

い、ッた

お兄ちゃんが僕の首を 長く伸びた爪でガリっと引っ掻いた

だらだらと血が流れて じんじんと痛みが伝わってくる

あー、

わり

手当てしてやるからメシ作れよ

あー、、、

いつもなら大人しく従ってた

でももう自由になってしまおう

僕は家を飛び出した

乗ろうとした電車に間に合いたいから ひたすら走り続ける

首からの出血は止まらない

そしていまとても急いでいる

人々はこんな時どんな顔をするのだろう

焦るのだろうか それとも泣きそうになるのだろうか

そんなのどうでもいい

ぼくは自由だ

この状況を純粋に楽しんでいる

とびきりの笑顔で

あ、間に合わなかった

次の電車を待っていたら間に合わない

人々はこの時どうにかして 他の移動手段を確保するのだろう

でも遅れる方が自由っぽい

んふ、

あー、楽しい

遅れて学校に着いた

いつもなら怒られる制服の着方

でも今日は校門に 生徒指導の先生の姿が見えない

そうだ、授業をしてるんだ

僕は誰もいない廊下をゆっくり歩く

そして自分の教室に辿り着いた

すーっ…

大きく息を吸った

そしてドアを開ける

クラスメイトが僕に注目する

 

遅刻珍しいねー、笑笑

 

制服も崩してるじゃん!

みんな普段と違うぼくを 不思議に思う

先生は呟いた

 

青、首の傷…

あ、忘れてた

んー、…

僕は大きな声で叫んだ

お兄ちゃんにやられました!

 

大丈夫、もう自由だよ

僕は自由だ

🔚

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コメント

5

ユーザー

うへへへっほうふふへふ らぶるぶ

ユーザー

おっほ…めっちゃ好きだ🥺💕 やっばい好き!かきかた天才すぎる! ブクマ失礼します!

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