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ザッザッザッザッ……

赤い帽子の少女

赤い帽子をかぶった少女は黙って公園の階段を下りていた。

季節は晩秋。金色の銀杏の葉を踏みしめて……

赤い帽子の少女

僕は何も悪くない

赤い帽子の少女

僕は悪くない

赤い帽子の少女

だけど、今日も遊んでくれるお友達はいない…

ー3日前。同じ公園。

僕は、ひとりで砂遊びをしていた。

僕はいつもひとりでいる。

最初からひとりだったから、それが普通。

それなのに………

中年の男

お嬢ちゃん、おじさんと遊ばないか?

おじさんは、僕の目の前で、大きな穴を掘り始めた。

ザク、ザク、ザク……

僕はそれがとても面白そうだったから、手伝ってあげた。

赤い帽子の少女

おじさん、この穴はどうするの?

中年の男

お嬢ちゃんは、なんだと思う?

赤い帽子の少女

落とし穴?

中年の男

少し違うかな

変な人。砂場を一人占めするくらいの穴を掘っているのに、おじさんは少しも楽しんでいないみたい。

赤い帽子の少女

おじさん、遊んでいるのに楽しくないの?

中年の男

楽しんでいるつもりだけどなあ

ザク、ザク、ザク……

いつのまにか、陽が落ちて夜になっていた。おじさんは、ようやく遊びをやめた。

赤い帽子の少女

僕、そろそろ眠くなってきちゃった…

中年の男

じゃあ、一緒に眠ろうか

中年の男

ふたりで入るには、ちょうどいい広さだよ

僕たちは、並んで穴に入る。

しばらくは、何も起こらなかった。

赤い帽子の少女

…ねえ、おじさん

中年の男

何だい?

赤い帽子の少女

どうして、僕を選んだの?

中年の男

非力だと思ったからだよ

赤い帽子の少女

“ヒリキ“って、なぁに?

中年の男

力が弱いということだよ

中年の男

おじさんよりもね

赤い帽子の少女

……クスっ

僕はたまらず笑い出してしまった。

赤い帽子の少女

おじさん、見た目だけで判断するのは良くない大人だよーーーー

中年の男

……!!?

僕は、投げ捨ててあったスコップの柄を逆手にして、おじさんのお腹に思い切り突き上げた。

赤い帽子の少女

15、16、17……

あとちょっとで20秒だったのに、おじさんのお腹から、バキッと音がした。

おじさんとは、それきり話してはいない。

赤い帽子の少女

今日は何をして遊ぼうかなあ?

赤い帽子の少女

誰か僕と遊んでくれないかなあ?

僕はいつも友達ができると、夢中になって遊んでしまう。

相手が完全に動かなくなるまでーーー

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