ザッザッザッザッ……
赤い帽子の少女
赤い帽子をかぶった少女は黙って公園の階段を下りていた。
季節は晩秋。金色の銀杏の葉を踏みしめて……
赤い帽子の少女
赤い帽子の少女
赤い帽子の少女
ー3日前。同じ公園。
僕は、ひとりで砂遊びをしていた。
僕はいつもひとりでいる。
最初からひとりだったから、それが普通。
それなのに………
中年の男
おじさんは、僕の目の前で、大きな穴を掘り始めた。
ザク、ザク、ザク……
僕はそれがとても面白そうだったから、手伝ってあげた。
赤い帽子の少女
中年の男
赤い帽子の少女
中年の男
変な人。砂場を一人占めするくらいの穴を掘っているのに、おじさんは少しも楽しんでいないみたい。
赤い帽子の少女
中年の男
ザク、ザク、ザク……
いつのまにか、陽が落ちて夜になっていた。おじさんは、ようやく遊びをやめた。
赤い帽子の少女
中年の男
中年の男
僕たちは、並んで穴に入る。
しばらくは、何も起こらなかった。
赤い帽子の少女
中年の男
赤い帽子の少女
中年の男
赤い帽子の少女
中年の男
中年の男
赤い帽子の少女
僕はたまらず笑い出してしまった。
赤い帽子の少女
中年の男
僕は、投げ捨ててあったスコップの柄を逆手にして、おじさんのお腹に思い切り突き上げた。
赤い帽子の少女
あとちょっとで20秒だったのに、おじさんのお腹から、バキッと音がした。
おじさんとは、それきり話してはいない。
赤い帽子の少女
赤い帽子の少女
僕はいつも友達ができると、夢中になって遊んでしまう。
相手が完全に動かなくなるまでーーー